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会社法 第186条
条文
第186条(株式無償割当てに関する事項の決定)
① 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日
三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類
② 前項第1号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式)の数に応じて同項第1号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。
③ 第1項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
① 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
二 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日
三 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類
② 前項第1号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式)の数に応じて同項第1号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。
③ 第1項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H22 司法 第38問 2)
種類株式発行会社が株式無償割当てを行う場合、ある種類の株式の株主に対して、他の種類の株式を割り当てることができる。
種類株式発行会社が株式無償割当てを行う場合、ある種類の株式の株主に対して、他の種類の株式を割り当てることができる。
(正答)〇
(解説)
186条1項3号は、株式無償割当てに関して決定するべき事項として「株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類」と規定している。したがって、種類株式発行会社が株式無償割当てを行う場合、ある種類の株式の株主に対して、他の種類の株式を割り当てることができる。
186条1項3号は、株式無償割当てに関して決定するべき事項として「株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類」と規定している。したがって、種類株式発行会社が株式無償割当てを行う場合、ある種類の株式の株主に対して、他の種類の株式を割り当てることができる。
(H23 共通 第40問 1)
株式の分割により自己株式の数は増えるが、株式無償割当てにより自己株式の数は増えない。
株式の分割により自己株式の数は増えるが、株式無償割当てにより自己株式の数は増えない。
(正答)〇
(解説)
株式の分割(183条以下)は、会社の保有する自己株式にも効力が及ぶのに対し、株式無償割当ての場合は、自己株式は割り当てを受けない(髙橋美加ほか「会社法」第4版100頁)。株式無償割当ての場合において自己株式は割り当てを受けないことは、186条2項が「前項第1号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主…の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式)の数に応じて同項第1号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。」と規定していることからも明らかである。したがって、株式の分割により自己株式の数は増えるが、株式無償割当てにより自己株式の数は増えない。
株式の分割(183条以下)は、会社の保有する自己株式にも効力が及ぶのに対し、株式無償割当ての場合は、自己株式は割り当てを受けない(髙橋美加ほか「会社法」第4版100頁)。株式無償割当ての場合において自己株式は割り当てを受けないことは、186条2項が「前項第1号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主…の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式)の数に応じて同項第1号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。」と規定していることからも明らかである。したがって、株式の分割により自己株式の数は増えるが、株式無償割当てにより自己株式の数は増えない。
(H23 共通 第40問 3)
株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできないが、株式無償割当てにより株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできる。
株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできないが、株式無償割当てにより株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできる。
(正答)〇
(解説)
183条1項1号は、株式の分割に関して決定するべき事項として、「株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第3号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日」と規定しているから、株式の分割では、分割の対象となった株式と同じ種類の株式が増加するのであり、この意味において、株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできない(髙橋美加ほか「会社法」第4版100頁)。
これに対し、186条1項1号は、株式無償割当てに関して決定するべき事項について、「株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法」と規定するにとどまるから、株式無償割当てでは、株主に対して保有株式とは異なる種類の株式を割り当てること(例えば、普通株式の株主に対して、保有する普通株式1株について剰余金配当優先株式1株を割り当てること)も可能である(髙橋美加ほか「会社法」第4版100頁)。
以上より、株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできないが、株式無償割当てにより株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできる。
183条1項1号は、株式の分割に関して決定するべき事項として、「株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第3号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日」と規定しているから、株式の分割では、分割の対象となった株式と同じ種類の株式が増加するのであり、この意味において、株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできない(髙橋美加ほか「会社法」第4版100頁)。
これに対し、186条1項1号は、株式無償割当てに関して決定するべき事項について、「株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法」と規定するにとどまるから、株式無償割当てでは、株主に対して保有株式とは異なる種類の株式を割り当てること(例えば、普通株式の株主に対して、保有する普通株式1株について剰余金配当優先株式1株を割り当てること)も可能である(髙橋美加ほか「会社法」第4版100頁)。
以上より、株式の分割により株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできないが、株式無償割当てにより株主の有する株式と異なる種類の株式をその株主に取得させることはできる。