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憲法 不法出国・密輸事件 最大判昭和32年12月25日 - 解答モード

概要
①外国移住の自由(憲法22条2項)は、外国人にも保障される。
②出入国管理令25条1項は、本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を行うという目的を達成する公共の福祉のため設けられたものであるから、合憲である。
判例
事案:Yらは、1953年(昭和28年)1月13日、旧関税法違反及び出入国管理令違反の現行犯として逮捕され、下級審裁判所で有罪判決を受けたところ、上告して、出入国管理令(現:出入国管理及び難民認定法)の規定により処罰することは憲法22条2項が保障する外国移住の自由を制限するものであり違憲であるなどと主張した。

判旨:「憲法22条2項は「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」と規定しており、ここにいう外国移住の自由は、その権利の性質上外国人に限つて保障しないという理由はない。次に、出入国管理令25条1項は、本邦外の地域におもむく意図をもつて出国しようとする外国人は、その者が出国する 出入国港において、入国審査官から旅券に出国の証印を受けなければならないと定め、同2項において、前項の外国人は、旅券に証印を受けなければ出国してはならないと規定している。右は、出国それ自体を法律上制限するものではなく、単に、出国の手続に関する措置を定めたものであり、事実上かかる手続的措置のために外国移住の自由が制限される結果を招来するような場合があるにしても、同令1条に規定する本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を行うという目的を達成する公共の福祉のため設けられたものであつて、合憲性を有するものと解すべきである。」
過去問・解説
正答率 : 50.0%

(H19 司法 第8問 オ)
居住・移転の自由に関する次の文章の中で適切なものを選択して文章を完成させる場合、正しいものを選びなさい。憲法22条は、職業選択の自由とともに、居住・移転の自由を保障している。この自由は、自己の住所又は居所を自由に決定し、また、自己の欲する場所へ自由に移動することを内容とする。日本に在留する外国人には(A:出国の自由はあるが、再入国の自由については争いがある B:再入国の自由はあるが、入国の自由については争いがある)。

(正答)A

(解説)
不法出国・密輸事件判決(最大判昭32.12.25)は、「憲法22条2項は「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」と規定しており、ここにいう外国移住の自由は、その権利の性質上外国人に限つて保障しないという理由はない。」として、憲法22条2項を根拠として、外国移住の自由、すなわち、出国の自由を認めている。
これに対して、森川キャサリーン事件判決(最判平4.11.16)は、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものではない」としており、再入国の自由は認められていない。したがって、Aが正しい。


正答率 : 33.3%

(H22 司法 第1問 ウ)
出国の自由は外国人にも保障されるが、再入国する自由については、憲法22条2項に基づき、我が国に生活の本拠を持つ外国人に限り、我が国の利益を著しく、かつ、直接に害することのない場合にのみ認められる。

(正答)  

(解説)
 不法出国・密輸事件判決(最大判昭32.12.25)は、前段について、「憲法22条2項は「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」と規定しており、ここにいう外国移住の自由は、その権利の性質上外国人に限つて保障しないという理由はない。」として、憲法22条2項を根拠として、外国移住の自由、すなわち出国の自由を認めている。したがって、本肢前段は正しい。
森川キャサリーン事件判決(最判平4.11.16)は、後段について、「我が国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由を保障されているものではない」として、再入国の自由を憲法上の権利として認めたものということはできない。したがって、本肢後段の「再入国する自由については…我が国に生活の本拠を持つ外国人に限り、我が国の利益を著しく、かつ、直接に害することのない場合にのみ認められる。」との部分は、同判決と矛盾する。

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