現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

憲法 たばこ事業法事件 最二小判平成5年6月25日

概要
事案:たばこ事業法22条、23条3号及び同法施行規則20条2号に基づく製造たばこの小売販売業に対する規制は、憲法22条1項に違反しない。
判例
事案:たばこ事業法22条、23条3号及び同法施行規則20条2号に基づく製造たばこの小売販売業に対する規制が憲法22条1項に違反するかが問題となった。

判旨:「たばこ事業法22条は、たばこ専売法(昭和59年法律第68号により廃止)の下において指定を受けた製造たばこの小売人には零細経営者が多いことや身体障害者福祉法等の趣旨に従って身体障害者等についてはその指定に際して特別の配慮が加えられてきたことなどにかんがみ、たばこ専売制度の廃止に伴う激変を回避することによって、たばこ事業法附則10条1項に基づき製造たばこの小売販売業を行うことの許可を受けた者とみなされる右小売人の保護を図るため、当分の間に限り、製造たばこの小売販売業について許可制を採用することとしたものであり、右許可制の採用は、公共の福祉に適合する目的のために必要かつ合理的な範囲にとどまる措置ということができる。そして、同法23条3号、同法施行規則20条2号及びこれを受けた大蔵大臣依命通達(昭和60年3月28日付け蔵専第56号)による製造たばこの小売販売業に対する適正配置規制は、右目的のために必要かつ合理的な範囲にとどまるものであって、これが著しく不合理であることが明白であるとは認め難い。したがって、製造たばこの小売販売業に対する右規制が、憲法22条1項に違反するということはできない。以上は、最高裁昭和45年(あ)第23号同47年11月22日大法廷判決・刑集26巻9号585頁の趣旨に徴して明らかである。」
過去問・解説
(H18 司法 第7問 D改題)
次の文章は、職業選択の自由を規制する法令の合憲性判断基準に関するものである。空欄に、後記1から6までの中から適切なものを補充して、文章を完成させなさい。
しかし、平成5年の[空欄]についての判決では、その規制目的に言及した上で、小売市場事件判決を引用して、当該規制は、その目的のために必要かつ合理的な範囲にとどまるものであって、これが著しく不合理であることが明白であるとは認め難く、憲法22条1項に違反するということはできない旨判示した。
 1. 薬局設置場所が配置の適正を欠くと認められることを都道府県知事による開設不許可事由とした薬事法の規定の合憲性が争われた事案
 2. たばこ事業法、同法施行規則及びこれを受けた大蔵大臣依命通達による製造たばこの小売販売業に対する適正配置規制の合憲性が争われた事案
 3. 公衆浴場設置場所が配置の適正を欠くと認められることを都道府県知事による経営不許可事由とした公衆浴場法の規定の合憲性が争われた事案
 4. 酒類の販売業を税務署長の免許制とし、その要件を定めている酒税法の規定の合憲性が争われた事案
 5. 都道府県知事の許可なく小売市場を開設することを禁じた小売商業調整特別措置法の規定の合憲性が争われた事案
 6. 司法書士及び公共嘱託登記司法書士協会以外の者が他人の嘱託を受けて登記に関する手続の代理業務等を行うことを禁じた司法書士法の規定の合憲性が争われた事案

(正答)2

(解説)
たばこ事業法事件判決(最判平5.6.25)は、「たばこ事業法…23条3号、同法施行規則20条2号及びこれを受けた大蔵大臣依命通達…による製造たばこの小売販売業に対する適正配置規制は、右目的のために必要かつ合理的な範囲にとどまるものであって、これが著しく不合理であることが明白であるとは認め難い。」としている。
総合メモ
前の判例 次の判例