事案:旧物品税法1条1項は課税対象物品として「遊戯具」を挙げていたところ、約10年の間、パチンコ球遊器には物品税が賦課されてこなかった。ところが、昭和26年3月2日、東京国税局長からパチンコ球遊器は「遊戯具」に当たる旨の通達が発せられ、税務署長は、この通達を契機として、パチンコ球遊器製造業者Xらに対し、物品税賦課処分を行った。
本事件では、①通達が示した法律解釈の適法性、②通達を契機として行われた課税処分の憲法適合性(憲法84条)が争われた。
判旨:「物品税は物品税法が施行された当初(昭和4年4月1日)においては消費税として出発したものであるが、その後次第に生活必需品その他いわゆる資本的消費財も課税品目中に加えられ、現在の物品税法(昭和15年法律第40号)が制定された当時、すでに、一部生活必需品(たとえば燐寸)(第1条第3種1)や「撞球台」(第1条第2種甲類11)「乗用自動車」(第1条第2種甲類14)等の資本財もしくは資本財たり得べきものも課税品目として掲げられ、その後の改正においてさらにこの種の品目が数多く追加されたこと、いわゆる消費的消費財と生産的消費財との区別はもともと相対的なものであつて、パチンコ球遊器も自家用消費財としての性格をまつたく持つていないとはいい得ないこと、その他第1、2審判決の掲げるような理由にかんがみれば、社会観念上普通に遊戯具とされているパチンコ球遊器が物品税法上の「遊戯具」のうちに含まれないと解することは困難であり、原判決も、もとより、所論のように、単に立法論としてパチンコ球遊器を課税品目に加えることの妥当性を論じたものではなく、現行法の解釈として「遊戯具」中にパチンコ球遊器が含まれるとしたものであつて、右判断は、正当である。
なお、論旨は、通達課税による憲法違反を云為しているが、本件の課税がたまたま所論通達を機縁として行われたものであつても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、本件課税処分は法の根拠に基く処分と解するに妨げがなく、所論違憲の主張は、通達の内容が法の定めに合致しないことを前提とするものであつて、採用し得ない。」