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手形法・小切手法 裏書の連続が欠ける約束手形の所持人による実質的な権利移転の証明 最三小判昭和31年2月7日 - 解答モード
概要
裏書の連続が欠ける約束手形の所持人も、裏書の連続が欠ける部分につき、実質的な権利移転の事実により自己の権利を証明すれば、手形上の権利を行使することができる。
判例
事案:裏書の連続が欠ける約束手形の所持人も、裏書の連続が欠ける部分につき、実質的な権利移転の事実により自己の権利を証明すれば、手形上の権利を行使することができるかが問題となった。
判旨:「手形行為の効力は、原則として、当事者の具体的意思如何にかかわらず行為の外形に従って解釈せらるべきであるから、隠れたる取立委任裏書の場合にあっても、手形上の権利は、通常の裏書におけると同様裏書人から被裏書人に移転し、取立委任の合意は単に当事者間の人的抗弁事由となるに止まるものと解すべく、従って、被上告人が三和銀行に対してなした前記裏書により、本件手形上の権利は被上告人から三和銀行に移転したものと解すべきである。しかしながら、前記認定によれば、被上告人は、満期日における支払の拒絶後三和銀行から本件手形の返還を受けて現にこれを所持するというにあるところ、手形上の権利が裏書により一旦被裏書人に移転された場合でも、その後裏書人が被裏書人から当該手形の返還を受けるときは、さきの裏書を抹消すると否とにかかわらず、裏書人は再び手形上の権利を取得するものと解するのが相当であるから、被上告人は、現に本件手形の権利者たる地位にあるものというべきである。もっとも、被上告人から三和銀行に対する裏書が本件手形における最後の裏書としてなお残存する以上、被上告人は、たとえその実質的権利を有しかつ手形を所持していても、裏書の連続を欠くため、本件手形上の権利につきいわゆる形式的資格(以下資格という)あるものとすることはできない。しかしながら、右にいわゆる資格とは、手形法の下において、所持人が裏書の連続により権利者たるの外観を具えるときは、その実質的権利を証明しなくても手形上の権利を行使することができると共に、手形債務者もかかる所持人に支払をする限り、所持人がたとえ無権利者であっても債務を免れることができるものとせられ(手形法16条1項、40条3項並びに77条1項及び3号参照)、もって手形取引の敏活と安全とが企図されている関係においての手形権利者たることの外観をいうに外ならないのであるから、これなくしては手形上の権利の行使が絶対に許されないものと解すべきではない。かえって、実質的権利者が資格を具備しない場合であっても、債務者に対し進んでその権利を証明するときは、その権利の行使はもとより適法であって、債務者は、請求者が資格を欠くことを理由としてこれが履行を拒否することは許されないものと解すべきである。」
判旨:「手形行為の効力は、原則として、当事者の具体的意思如何にかかわらず行為の外形に従って解釈せらるべきであるから、隠れたる取立委任裏書の場合にあっても、手形上の権利は、通常の裏書におけると同様裏書人から被裏書人に移転し、取立委任の合意は単に当事者間の人的抗弁事由となるに止まるものと解すべく、従って、被上告人が三和銀行に対してなした前記裏書により、本件手形上の権利は被上告人から三和銀行に移転したものと解すべきである。しかしながら、前記認定によれば、被上告人は、満期日における支払の拒絶後三和銀行から本件手形の返還を受けて現にこれを所持するというにあるところ、手形上の権利が裏書により一旦被裏書人に移転された場合でも、その後裏書人が被裏書人から当該手形の返還を受けるときは、さきの裏書を抹消すると否とにかかわらず、裏書人は再び手形上の権利を取得するものと解するのが相当であるから、被上告人は、現に本件手形の権利者たる地位にあるものというべきである。もっとも、被上告人から三和銀行に対する裏書が本件手形における最後の裏書としてなお残存する以上、被上告人は、たとえその実質的権利を有しかつ手形を所持していても、裏書の連続を欠くため、本件手形上の権利につきいわゆる形式的資格(以下資格という)あるものとすることはできない。しかしながら、右にいわゆる資格とは、手形法の下において、所持人が裏書の連続により権利者たるの外観を具えるときは、その実質的権利を証明しなくても手形上の権利を行使することができると共に、手形債務者もかかる所持人に支払をする限り、所持人がたとえ無権利者であっても債務を免れることができるものとせられ(手形法16条1項、40条3項並びに77条1項及び3号参照)、もって手形取引の敏活と安全とが企図されている関係においての手形権利者たることの外観をいうに外ならないのであるから、これなくしては手形上の権利の行使が絶対に許されないものと解すべきではない。かえって、実質的権利者が資格を具備しない場合であっても、債務者に対し進んでその権利を証明するときは、その権利の行使はもとより適法であって、債務者は、請求者が資格を欠くことを理由としてこれが履行を拒否することは許されないものと解すべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%
(R4 予備 第30問 ア)
裏書の連続が欠ける約束手形の所持人も、裏書の連続が欠ける部分につき、実質的な権利移転の事実により自己の権利を証明すれば、手形上の権利を行使することができる。