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仲立営業

第543条

条文
第543条(定義)
 この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。
過去問・解説
(H19 司法 第51問 イ)
Aの販売する商品をBが買い付けるに当たりCが関与する法的形態について、CがAから委託を受けた仲立人である場合には、売買契約はC・B間に成立する。

(正答)  

(解説)
543条は、「仲立人」について、「他人間の商行為の媒介をすることを業とする者」と定義している。したがって、仲立人は、「他人間の商行為の媒介」という事実行為をする者であり、代理人とは異なる(弥永真生「リーガルマインド商法総則・商行為法」第3版109頁)。
よって、売買契約はC・B間に成立するのではなく、A・B間に成立する。

(H23 司法 第52問 ウ)
Aが個人旅行を予定しているB(商人ではないものとする。)のために一定の行為を業としてする場合、AがBから委託を受けてBのために宿泊契約の締結を媒介する場合において、Aが宿泊契約の相手方であるホテル会社からその媒介の委託を受けていないときは、Aは、仲立人に該当しない。

(正答)  

(解説)
543条は、「仲立人」について、「他人間の商行為の媒介をすることを業とする者」と定義している。そして、仲立契約は、媒介という事実行為をすることの委託を内容とする準委任契約であるところ、媒介する法律行為の相手方からの委託は不要である。
本肢の事例では、Aは、Bから委託を受けてBのために宿泊契約の締結を媒介する以上、Aが宿泊契約の相手方であるホテル会社からその媒介の委託を受けていないときであっても、仲立人に該当する。
総合メモ

第544条

条文
第544条(当事者のために給付を受けることの制限)
 仲立人は、その媒介により成立させた行為について、当事者のために支払その他の給付を受けることができない。ただし、当事者の別段の意思表示又は別段の慣習があるときは、この限りでない。
過去問・解説
(H22 司法 第52問 3)
仲立人は、別段の意思表示や慣習がない限り、その媒介している行為について当事者のために支払を受けることができない。

(正答)  

(解説)
544条は、「仲立人は、その媒介により成立させた行為について、当事者のために支払その他の給付を受けることができない。ただし、当事者の別段の意思表示又は別段の慣習があるときは、この限りでない。」と規定している。
総合メモ

第545条

条文
第545条(見本保管義務)
 仲立人がその媒介に係る行為について見本を受け取ったときは、その行為が完了するまで、これを保管しなければならない。
過去問・解説
(H22 司法 第52問 4)
仲立人は、その媒介する行為に関して見本を受け取った場合でも、それを保管する義務を負わない。

(正答)  

(解説)
545条は、「仲立人がその媒介に係る行為について見本を受け取ったときは、その行為が完了するまで、これを保管しなければならない。」と規定している。
総合メモ

第546条

条文
第546条(結約書の交付義務等)
① 当事者間において媒介に係る行為が成立したときは、仲立人は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面(以下この章において「結約書」という。)を作成し、かつ、署名し、又は記名押印した後、これを各当事者に交付しなければならない。        
 一 各当事者の氏名又は名称
 二 当該行為の年月日及びその要領
② 前項の場合においては、当事者が直ちに履行をすべきときを除き、仲立人は、各当事者に結約書に署名させ、又は記名押印させた後、これをその相手方に交付しなければならない。        
③ 前2項の場合において、当事者の一方が結約書を受領せず、又はこれに署名若しくは記名押印をしないときは、仲立人は、遅滞なく、相手方に対してその旨の通知を発しなければならない。        
過去問・解説
(H22 司法 第52問 1)
商行為以外の行為の媒介をすることを業とする民事仲立人は、当事者間で行為が成立したときは、当事者の氏名又は商号、行為の年月日及びその要領を記載した書面を各当事者に交付しなければならない。

(正答)  

(解説)
546条は、「仲立人」の結約書の交付義務等定めているが、民事仲立人は商法上の「仲立人」(543条)に当たらないから、結約書の交付義務等を負わない。
総合メモ

第549条

条文
第549条
 仲立人は、当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、当該相手方に対して自ら履行をする責任を負う。
過去問・解説
(R4 予備 第28問 ウ)
仲立人は、当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、当該相手方に対して自ら履行する責任を負う。

(正答)  

(解説)
549条は、「仲立人は、当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、当該相手方に対して自ら履行をする責任を負う。」と規定している。
総合メモ

第550条

条文
第550条(仲立人の報酬)
① 仲立人は、第546条の手続を終了した後でなければ、報酬を請求することができない。
② 仲立人の報酬は、当事者双方が等しい割合で負担する。
過去問・解説
(H22 司法 第52問 2)
仲立人の報酬は、最初に行為の媒介を依頼した者が負担する。

(正答)  

(解説)
550条2項は、「仲立人の報酬は、当事者双方が等しい割合で負担する。」と規定している。

(H22 司法 第52問 5)
仲立人は、その媒介する行為が当事者間に成立する前に、報酬を請求することができる。

(正答)  

(解説)
550条1項は、「仲立人は、第546条の手続を終了した後でなければ、報酬を請求することができない。」と規定している。
総合メモ