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匿名組合 - 解答モード
第535条
条文
匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。
過去問・解説
(H20 司法 第52問 ア)
匿名組合契約は、有償、双務の諾成契約である。
(H20 司法 第52問 ウ)
匿名組合契約においては、匿名組合員に対して利益の分配をしない特約をすることは許されないが、匿名組合員が損失の負担をしない特約は可能である。
(正答) 〇
(解説)
535条は、「匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。」と規定している。したがって、匿名組合契約において、「その営業から生ずる利益を分配すること」(利益分配)は不可欠の要素である(弥永真生「リーガルマインド商法総則・商行為法」第3版162頁)。
これに対し、損失分担義務は、不可欠の要素ではないから、契約の自由の原則(民法521条)により、匿名組合員は損失分担をしない、あるいは出資の限度で損失を分担するにとどまると定めることも可能である(弥永真生「リーガルマインド商法総則・商行為法」第3版162頁)。
第536条
条文
① 匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。
② 匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
③ 匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。
④ 匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利及び義務を有しない。
過去問・解説
(H20 司法 第52問 イ)
匿名組合員の出資は、すべて営業者の財産に属し、契約当事者の共有財産となるものではない。
(H20 司法 第52問 エ)
匿名組合員は、労務をその出資の目的とすることができる。
(H24 司法 第53問 ア)
匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
(H24 司法 第53問 イ)
匿名組合員及び合資会社の有限責任社員は、営業者又は合資会社の業務を執行することができる。
(H28 予備 第28問 ウ)
匿名組合員は、自己の氏名を営業者の商号中に用いることを許諾した場合には、営業者を代表することができる。
(R6 予備 第29問 ア)
匿名組合員が出資した財産は、匿名組合員の共有に属する。
(R6 予備 第29問 イ)
匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
(R6 予備 第29問 ウ)
匿名組合員は、営業者の業務を執行することができない。
第537条
条文
匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。
第538条
条文
出資が損失によって減少したときは、その損失をてん補した後でなければ、匿名組合員は、利益の配当を請求することができない。
第541条
条文
前条の場合のほか、匿名組合契約は、次に掲げる事由によって終了する。
一 匿名組合の目的である事業の成功又はその成功の不能
二 営業者の死亡又は営業者が後見開始の審判を受けたこと。
三 営業者又は匿名組合員が破産手続開始の決定を受けたこと。