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商法総則・商行為法 第24条 - 解答モード
条文
商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
過去問・解説
(H18 司法 第37問 ウ)
商人が支店の使用人であって支配人でないものに支配人の肩書を付与した場合、その者が支配人であると善意かつ無過失で信頼して契約を締結した第三者に対しては、当該商人は、契約の無効を主張することができない。
(正答) 〇
(解説)
24条は、「商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。」と規定しており、ここでいう「悪意」とは、悪意のみならず善意重過失も含まれると解されている(弥永真生「リーガルマインド商法総則・商行為法」第3版78頁)。
したがって、商人が支店の使用人であって支配人でないものに支配人の肩書を付与した場合、その者が支配人であると善意かつ無過失で信頼して契約を締結した第三者に対しては、当該商人は、契約の無効を主張することができない。
(H18 司法 第37問 エ)
支配人とその登記に関し、商人が支店の使用人であって支配人でないものに支配人の肩書を付与したとしても、当該商人がその者について支配人に選任した旨の登記をしない限りは、当該使用人が表見支配人に当たることはない。
(H28 予備 第27問 オ)
商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、善意の相手方に対しては、当該営業所の営業に関し、支配人と同一の権限を有するものとみなされる。
(R1 予備 第27問 オ)
判例の趣旨によれば、個人商人のA営業所のみの支配人として選任された者がB営業所の営業に関する行為を行った場合には、その者は、善意の第三者に対しては、B営業所の支配人と同一の権限を有するものとみなされる。
(正答) ✕
(解説)
24条は、表見支配人について、「商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。」と規定しており、判例(最判昭54.5.1)も、「信用金庫法40条2項の準用する商法42条1項、38条1項によれば、信用金庫の支店の営業の主任者たることを示すべき名称を附した使用人はその営業に関する行為をする権限を有するものとみなされる…」としている。このように、表見支配人は、「当該営業所の営業」に関して一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされるにとどまる。
したがって、個人商人のA営業所のみの支配人として選任された者が「商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人」として表見支配人に当たる場合であっても、その者は、A営業所の営業に関して一切の裁判外の行為をするものとみなされるにとどまり、B営業所の営業に関する行為をする権限を有するものとはみなされない。