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短答判例

行政処分の公定力 最三小判昭和30年12月26日

概要
行政処分は、違法であっても、その違法が重大かつ明白で当然無効となる場合を除き、適法に取り消されない限り完全にその効力を有する。もっとも、その違法が重大かつ明白で当然無効となる場合には、適法に取り消されなくても効力を有しない。
判例
事案:原告が村農地委員会の裁定を不服として訴願を申し立てたところ、県農地委員会は、これを棄却する裁決をした。その後、県農地委員会は、原告の申出を受けて再議し、先の訴願棄却裁決を取り消した上で、改めて訴願を認容する裁決をしたが、この再度の裁決は違法であった。そこで、違法な行政処分が適法に取り消されていない場合に、その効力が認められるかが問題となった。

判旨:「訴願裁決庁が一旦なした訴願裁決を自ら取り消すことは、原則として許されないものと解すべきであるから(昭和26年(オ)915号昭和29年1月21日当裁判所第一小法廷判決、集8巻1号102頁参照)茨城県農地委員会が被上告人の申出により原判示の事情の下に先になした裁決を取消してさらに訴願の趣旨を容認する裁決をしたことは違法であるといわねばならない。しかしながら、行政処分は、たとえ違法であつても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有するものと解すべきところ、茨城県農地委員会のなした前記訴願裁決取消の裁決は、いまだ取り消されないことは原判決の確定するところであつて、しかもこれを当然無効のものと解することはできない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 75%

(R8 予備 第13問 ア)
一旦行政処分が行われた以上、たとえ当該行政処分に重大かつ明白な違法があったとしても、当該行政処分が適法に取り消されない限り、当該行政処分は完全な効力を有する。

(正答)✕

(解説)
判例(最判昭30.12.26)は、「行政処分は、たとえ違法であつても、その違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと認むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有するものと解すべき…。」としている。
したがって、一旦行政処分が行われたとしても、当該行政処分に重大かつ明白な違法があり、当該処分を当然無効ならしめるものと認められる場合には、当該行政処分が適法に取り消されていなくても、当該行政処分は完全な効力を有しない。

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