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行政法 法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報の大阪市公文書公開条例6条2号にいう「個人に関する情報」該当性 最三小判平成15年11月11日

概要
法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)の代表者若しくはこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報又はその他の者が権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報その他の法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は、大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号)6条2号にいう「個人に関する情報」に当たらない。
判例
事案:法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報の大阪市公文書公開条例(昭和63年大阪市条例第11号)6条2号にいう「個人に関する情報」該当性が問題となった。

判旨:「本件条例6条2号は、『個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)』であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るものについては、同号ただし書所定の除外事由に当たるものを除き、これが記録されている公文書を公開しないことができると規定している。同号にいう『個人に関する情報』については、『事業を営む個人の当該事業に関する情報』が除外されている以外には文言上何ら限定されていないから、個人の思想、信条、健康状態、所得、学歴、家族構成、住所等の私事に関する情報に限定されるものではなく、個人にかかわりのある情報であれば、原則として同号にいう『個人に関する情報』に当たると解するのが相当である。そして、法人その他の団体の従業員が職務として行った行為に関する情報は、職務の遂行に関する情報ではあっても、当該行為者個人にとっては自己の社会的活動としての側面を有し、個人にかかわりのあるものであることは否定することができない。そうすると、上記の職務の遂行に関する情報も、原則として、同号にいう『個人に関する情報』に含まれるというべきである。 もっとも、同条は、2号において『個人に関する情報』から『事業を営む個人の当該事業に関する情報』を除外した上で、3号において『法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下 ”法人等” という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報』と定めて、個人に関する情報と法人等に関する情報とをそれぞれ異なる類型の情報として非公開事由を規定している。これらの規定に照らせば、本件条例においては、法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報については、専ら法人等に関する情報としての非公開事由が規定されているものと解するのが相当である。したがって、法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は、同条2号の非公開情報に当たらないと解すべきである。そして、このような情報には、法人等の代表者又はこれに準ずる地位にある者が当該法人等の職務として行う行為に関する情報のほか、その他の者の行為に関する情報であっても、権限に基づいて当該法人等のために行う契約の締結等に関する情報が含まれると解するのが相当である。 次に、国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報は、公務員個人の社会的活動としての側面を有するが、公務員個人の私事に関する情報が含まれる場合を除き、公務員個人が同条2号にいう『個人』に当たることを理由に同号の非公開情報に当たるとはいえないものと解するのが相当である。その理由は、次のとおりである。本件条例は、市民の市政参加を推進し、市政に対する市民の理解と信頼の確保を図ることを目的とし、そのために市民に公文書の公開を求める権利を保障することとしており(1条)、実施機関に対し、『個人に関する情報』の保護について最大限の配慮をしつつも、公文書の公開を請求する市民の権利を十分尊重して本件条例を解釈適用する責務を負わせている(3条)。このように、本件条例は、大阪市の市政に関する情報を広く市民に公開することを目的として定められたものであるところ、同市の市政に関する情報の大部分は、同市の公務員(特別職を含む。)の職務の遂行に関する情報ということができる。そうすると、本件条例が、同市の公務員の職務の遂行に関する情報が記録された公文書について、公務員個人の社会的活動としての側面があることを理由に、これをすべて非公開とすることができるものとしているとは解し難いというべきである。そして、国又は他の地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報についても、国又は当該地方公共団体において同様の責務を負うべき関係にあることから、同市の市政に関する情報を広く市民に公開することにより市政に対する市民の理解と信頼の確保を図ろうとする目的を達成するため、同市の公務員の職務の遂行に関する情報と同様に公開されてしかるべきものと取り扱うというのが本件条例の趣旨であると解される。したがって、国及び地方公共団体の公務員の職務の遂行に関する情報については、前記のとおりに解するのが相当である。」
過去問・解説
(H20 司法 第31問 ウ)
法人等を代表する者がその職務として行った行為であっても、その者にとっては自己の社会的活動としての側面を有し、個人にかかわりのあるものであることは否定できないから、当該行為に関する情報によって上記の者を特定することができる場合には、原則として、個人識別情報としての不開示情報に該当する。

(正答)

(解説)
判例(最判平15.11.11)は、「本件条例においては、法人等を代表する者が職務として行う行為等当該法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報については、専ら法人等に関する情報としての非公開事由が規定されているものと解するのが相当である。したがって、法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報は、同条2号の非公開情報に当たらない…。」としている
したがって、当該行為に関する情報によって法人等を代表する者を特定することができる場合も、個人識別情報としての不開示情報に該当しない。
総合メモ
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