現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

行政法 本案要件についての認定、判断を留保した上、当該不支給決定を違法として取り消すことの可否 最三小判平成5年2月16日

概要
本案要件については調査、判断することなく、専ら本件被災者らが右業務に従事した期間が労働者災害補償保険法の施行前であることを理由に、本件不支給決定をしたことが明らかである場合、本案要件についての認定、判断を留保した上、当該不支給決定を違法として取り消すことができる。
判例
事案:本案要件については調査、判断することなく、専ら本件被災者らが右業務に従事した期間が労働者災害補償保険法の施行前であることを理由に本件不支給決定をしたことが明らかである事案において、行政庁は、同疾病が仮に同法の適用対象であるとしても当該疾病に業務起因性がない旨の追加主張ができるかが問題となった。

判旨:「上告人は、本件被災者らの疾病が第1審判決別表(1)記載のベンジジン製造業務就労事業場における業務に起因するものであるか否かの点については調査、判断することなく、専ら本件被災者らが右業務に従事した期間が労働者災害補償保険法の施行前であることを理由に、本件不支給決定をしたことが明らかである。被災労働者の疾病等の業務起因性の有無については、第1次的に労働基準監督署長にその判断の権限が与えられているのであるから、上告人が右の点について判断をしていないことが明らかな本件においては、原判決が、本件被災者らの疾病の業務起因性の有無についての認定、判断を留保した上、本件不支給決定を違法として取消したことに、所論の違法はない。」
過去問・解説
(H28 予備 第20問 イ)
労災保険給付の申請に対し、申請に係る疾病が労働者災害補償保険法の適用対象である疾病に当たらないとの理由で不支給決定がされた場合に、その取消訴訟において、被告が、同疾病が仮に同法の適用対象であるとしても当該疾病に業務起因性がないと主張して争うことは許されない。

(正答)

(解説)
判例(最判平5.2.16) は、「被災労働者の疾病等の業務起因性の有無については、第1次的に労働基準監督署長にその判断の権限が与えられているのであるから、上告人が右の点について判断をしていないことが明らかな本件においては、原判決が、本件被災者らの疾病の業務起因性の有無についての認定、判断を留保した上、本件不支給決定を違法として取消したことに、所論の違法はない。」としている。
したがって、本肢のような場合、その取消訴訟において、被告が、同疾病が仮に同法の適用対象であるとしても当該疾病に業務起因性がないと主張して争うことは許されない。
総合メモ
前の判例 次の判例