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行政事件訴訟法 第4条 - 解答モード
条文
この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう。
過去問・解説
(H19 司法 第38問 イ)
公務員の俸給請求訴訟や、国籍確認訴訟は、公法上の法律関係に関する訴訟であって、当事者訴訟に分類することができる。
(H20 司法 第36問 ア)
薬局の開設を登録制から許可制に改めた薬事法の改正が憲法に違反するとして、旧法に基づく登録をして薬局を開設していた者が、国を被告として提起する、新法に基づく許可を受けなくても薬局の開設ができる権利があることの確認を求める訴訟は、行政事件訴訟法第4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類される。
(H20 司法 第36問 イ)
土地収用法に基づく収用委員会の権利取得裁決が無効であることを前提として、従前の土地所有者が、起業者を被告として提起する、当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟は、行政事件訴訟法第4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類される。
(正答)✕
(解説)
行訴法4条後段は、いわゆる実質的当事者訴訟の定義について、「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう。」と規定している。
そして、本肢における訴訟の訴訟物は、土地の所有権であるため、公法上ではなく私法上の法律関係に関する訴訟に当たる。そのため、本肢における訴訟は、いわゆる争点訴訟(同法45条)に当たり、実質的当事者訴訟には当たらない。
したがって、従前の土地所有者が、起業者を被告として提起する、当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟は、同法4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類されず、同法45条の争点訴訟に分類される。
(H20 司法 第36問 ウ)
出生の届出をしたが、出生による国籍取得の要件を満たさないとして戸籍に登載されなかった者が、国を被告として提起する、日本国籍を有することの確認を求める訴訟は、行政事件訴訟法第4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類される。
(H20 司法 第36問 エ)
ある特許に無効事由があるとして特許無効審判の請求をしたが、同請求は成立しないとの審決を受けた者が、同審判の被請求人である特許権者を被告として提起する、同審決の取消しを求める訴訟は、行政事件訴訟法第4条の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」に分類される。
(参照条文)特許法
第123条 特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許を無効にすることについて特許無効審判を請求することができる。(以下略)
1~8(略)
2~4 (略)
第178条 審決に対する訴え(中略)は、東京高等裁判所の専属管轄とする。
2~6 (略)
第179条 前条第1項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判(中略)の審決に対するものにあっては、その審判(中略)の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
(正答)✕
(解説)
行訴法4条前段は、いわゆる形式的当事者訴訟の定義について、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」と規定している。そして、特許法179法但書は、「特許無効審判(中略)の審決に対するものにあっては、その審判(中略)の請求人又は被請求人を被告としなければならない。」と規定している。
したがって、特許無効審判の審決の取消しを求める訴訟は形式的当事者訴訟に当たる。
よって、ある特許に無効事由があるとする特許無効審判の請求は成立しないとの審決の取消しを求める訴訟は、行訴法4条前段の「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」ではなく、同条後段の「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」に分類される。
(H27 予備 第21問 ウ)
起業者が、収用委員会のした裁決のうち土地所有者に対する損失の補償の金額が高すぎると主張して、土地収用法第133条第2項に基づき、自己の主張する金額との差額につき債務不存在確認を求める訴訟は、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」に当たる。
(参照条文)土地収用法
第133条 (略)
2 収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは、裁決書の正本の送達を受けた日から6月以内に提起しなければならない。
3 (略)
(正答)〇
(解説)
行訴法4条前段は、いわゆる形式的当事者訴訟の定義について、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものをいう。」と規定している。
そして、土地収用法133条3項は、収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えについて、「これを提起した者が起業者であるときは土地所有者又は関係人を、土地所有者又は関係人であるときは起業者を、それぞれ被告としなければならない。」と規定している。
したがって、土地収用法133条2項が規定している収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは、形式的当事者訴訟に当たる。
よって、起業者が、収用委員会のした裁決のうち土地所有者に対する損失の補償の金額が高すぎると主張して、土地収用法第133条第2項に基づき、自己の主張する金額との差額につき債務不存在確認を求める訴訟は、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」に当たる。
(R4 予備 第21問 ア)
当事者訴訟に関する教員と学生による以下の対話中の次の【 】内の記述について、法令又は最高裁判所の判例に照らし、正しいといえるか。
教員:行政事件訴訟法第4条は、当事者訴訟として、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」と「公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟」の2つの類型を規定しています。これから、前者を「形式的当事者訴訟」、後者を「実質的当事者訴訟」と呼ぶこととしますが、まず、形式的当事者訴訟としては具体的にどのような訴訟がありますか。
学生:【土地収用法に基づく収用裁決により土地が収用された場合に、起業者が、当該収用裁決において定められた損失補償額が過大であるとして、同法の規定に基づき当該土地の所有者を被告として提起する訴訟がこれに当たります。】
(正答)〇
(解説)
行訴法4条前段は、いわゆる形式的当事者訴訟の定義について、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものをいう。」と規定している。
そして、土地収用法133条3項は、収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えについて、「これを提起した者が起業者であるときは土地所有者又は関係人を、土地所有者又は関係人であるときは起業者を、それぞれ被告としなければならない。」と規定している。
そのため、土地収用法133条2項が規定している収用委員会の裁決のうち損失の補償に関する訴えは形式的当事者訴訟に当たる。
したがって、土地収用法に基づく収用裁決により土地が収用された場合に、起業者が、当該収用裁決において定められた損失補償額が過大であるとして、同法の規定に基づき当該土地の所有者を被告として提起する訴訟が、形式的当事者訴訟に当たる。
(R5 予備 第21問 ア)
土地収用法に基づく権利取得裁決がされた場合に従前の土地所有者が起業者を被告として提起する、当該裁決の無効を前提とする土地所有権の確認を求める訴えは、行政事件訴訟法(以下「法」という。)第4条の当事者訴訟のうち、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」である。
(正答)✕
(解説)
行訴法4条前段は、いわゆる形式的当事者訴訟の定義について、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものをいう。」と規定している。
そして、本肢における当該土地の所有権を有することの確認を求める訴訟は、私人間における土地所有権確認の訴えという民事訴訟であり、いわゆる争点訴訟(同法45条)に当たる。
したがって、土地収用法に基づく権利取得裁決がされた場合に従前の土地所有者が起業者を被告として提起する、当該裁決の無効を前提とする土地所有権の確認を求める訴えは、行訴法4条の当事者訴訟のうち、「当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの」ではなく、同法45条の争点訴訟に分類される。