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行政事件訴訟法 第37条の2 - 解答モード
条文
① 第3条第6項第1号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。
② 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
③ 第1項の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
④ 前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第9条第2項の規定を準用する。
⑤ 義務付けの訴えが第1項及び第3項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする。
過去問・解説
(H20 司法 第24問 ウ)
違法建築物に対する除却を命ずる権限の行使を求めて隣地所有者が義務付け訴訟を提起する場合、権限行使の不作為の違法確認訴訟を併合提起した上で、当該権限を行使しないことが裁量権の範囲を超え、又は濫用になることを主張しなければならない。
(参照条文)建築基準法
第9条 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
(正答)✕
(解説)
行訴法3条6項1号は、非申請型義務付け訴訟について、「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないときに限り、提起することができる。」と規定している。
そして、本肢における除去命令は、法令に基づく申請によるものではないため、同項2号が規定している申請型義務付け訴訟には当たらず、非申請型義務付け訴訟に当たる。
また、非申請型義務付け訴訟においては、不作為の違法確認訴訟の併合提起は訴訟要件とはなっていない。
加えて、同法37条の2第5項は、非申請型義務付け訴訟における本案勝訴要件として、「行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるとき」を掲げている。
したがって、違法建築物に対する除却を命ずる権限の行使を求めて隣地所有者が義務付け訴訟を提起する場合、権限行使の不作為の違法確認訴訟を併合提起する必要はないものの、当該権限を行使しないことが裁量権の範囲を超え、又は濫用になることを主張しなければならない。
(H25 共通 第22問 ウ)
建築基準法第6条第1項の定める建築確認及び同法第9条第1項の定める違反是正命令に関し、次の記述は正しいといえるか。
建築確認を受けて建築された建築物について、近隣住民は、建築確認の取消訴訟又は無効確認訴訟を併合提起しなくても、違反是正命令の義務付け訴訟を適法に提起することができる。
(参照条文)建築基準法
第6条 建築主は、(中略)建築物を建築しようとする場合(中略)においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(以下略)
2~13 (略)
14 第1項の確認済証の交付を受けた後でなければ、同項の建築物の建築(中略)の工事は、することができない。
15 (略)
第9条 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主(中略)に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
2~15 (略)
第99条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
一 第6条第1項(中略)の規定に違反した者
二~十三 (略)
2 (略)
(正答)〇
(解説)
行訴法3条6項1号は、非申請型義務付け訴訟について、「行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないときに限り、提起することができる。」と規定している。
そして、本肢における違反是正命令は、法令に基づく申請によるものではないため、同項2号が規定している申請型義務付け訴訟には当たらず、非申請型義務付け訴訟に当たる。
また、非申請型義務付け訴訟においては、不作為の違法確認訴訟の併合提起は訴訟要件とはなっていない。
したがって、建築確認を受けて建築された建築物について、近隣住民は、建築確認の取消訴訟又は無効確認訴訟を併合提起しなくても、違反是正命令の義務付け訴訟を適法に提起することができる。
(H27 予備 第20問 ア)
行政事件訴訟法第3条第6項第1号のいわゆる非申請型義務付け訴訟と同項第2号のいわゆる申請型義務付け訴訟はいずれも、それを提起するためには、少なくとも、処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがある必要がある。
(H27 予備 第20問 イ)
非申請型義務付け訴訟を提起しようとする者は、少なくとも、行政庁が処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者である必要がある。
(H29 予備 第21問 ウ)
訴訟要件を充足して適法に提起された処分の義務付けの訴えに係る請求が認容されるためには、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められるか、又はその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となることが明らかであると認められることを要する。
(R3 予備 第20問 ウ)
非申請型義務付け訴訟は、行政庁が第三者に対する規制権限の行使をしない場合に、その行使を求めて提起することが想定されているため、自己に対する処分の義務付けを求めて提起することはできない。