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婚姻
「当事者間に婚姻をする意思がないとき」(742条1号)の意義 最二小判昭和44年10月31日
概要
742条1号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻は効力を生じない。
判例
事案:婚姻の届出に当たり、当事者の間には、当該当事者らの子に両名の嫡出子としての地位を得させるための便法としての婚姻の届出についての意思の合致はあったが、真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかった場合において、742条1号にいう「当事者間に婚姻をする意思がないとき」に当たるかが問題となった。
判旨:「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがつてたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、所論法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであつて、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」
判旨:「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがつてたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、所論法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであつて、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」
過去問・解説
(H24 共通 第31問 エ)
判例によれば、AとBが、両名間の子Cに嫡出である子の身分を得させるための便法として、後日離婚することを合意した上で婚姻の届出をしたにすぎず、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかった場合には、婚姻の効力は生じない。
判例によれば、AとBが、両名間の子Cに嫡出である子の身分を得させるための便法として、後日離婚することを合意した上で婚姻の届出をしたにすぎず、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかった場合には、婚姻の効力は生じない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭44.10.31)は、本肢と同種の事案において、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。
判例(最判昭44.10.31)は、本肢と同種の事案において、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。
(R1 司法 第30問 イ)
婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻はその効力を生じない。
婚姻の届出自体については当事者間に意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻はその効力を生じない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭44.10.31)は、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。
判例(最判昭44.10.31)は、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。
(R6 司法 第32問 ア)
父と母が、子に嫡出子の地位を得させるための便法としてすることを合意して婚姻の届出をしたものの、父母の双方に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻は、無効である。
父と母が、子に嫡出子の地位を得させるための便法としてすることを合意して婚姻の届出をしたものの、父母の双方に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻は、無効である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭44.10.31)は、本肢と同種の事案において、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。
判例(最判昭44.10.31)は、本肢と同種の事案において、742条1号にいう「「当事者間に婚姻をする意思がないとき」とは、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指すものと解すべきであり、したがってたとえ婚姻の届出自体について当事者間に意思の合致があり、ひいて当事者間に、一応、…法律上の夫婦という身分関係を設定する意思はあつたと認めうる場合であつても、あっても、それが、単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないものであって、前述のように真に夫婦関係の設定を欲する効果意思がなかつた場合には、婚姻はその効力を生じないものと解すべきである。」と判示している。
総合メモ
届出意思の欠缺による婚姻の無効とその追認の効力 最三小判昭和47年7月25日
概要
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合において、当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、かつ、のちに他方の配偶者が届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は追認によりその届出の当初に遡って有効となると解すべきである。
判例
事案:事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合において、これを他方の配偶者が追認したとき、婚姻が有効となる場合があるのか、有効になるとしていつの時点から有効となるのかが問題となった。
判旨:「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。けだし、右追認により婚姻届出の意思の欠缺は補完され、また、追認に右の効力を認めることは当事者の意思にそい、実質的生活関係を重視する身分関係の本質に適合するばかりでなく、第三者は、右生活関係の存在と戸籍の記載に照らし、婚姻の有効を前提として行動するのが通常であるので、追認に右の効力を認めることによつて、その利益を害されるおそれが乏しいからである。」
判旨:「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。けだし、右追認により婚姻届出の意思の欠缺は補完され、また、追認に右の効力を認めることは当事者の意思にそい、実質的生活関係を重視する身分関係の本質に適合するばかりでなく、第三者は、右生活関係の存在と戸籍の記載に照らし、婚姻の有効を前提として行動するのが通常であるので、追認に右の効力を認めることによつて、その利益を害されるおそれが乏しいからである。」
過去問・解説
(H25 司法 第31問 ア)
A男とB女は内縁関係にある。AがBに無断で婚姻届を作成して提出した場合、その当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、後にBが届出の事実を知ってこれを追認したときは、その婚姻は、追認により届出の当初にさかのぼって有効となる。
A男とB女は内縁関係にある。AがBに無断で婚姻届を作成して提出した場合、その当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、後にBが届出の事実を知ってこれを追認したときは、その婚姻は、追認により届出の当初にさかのぼって有効となる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、本肢と同種の事案において、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
判例(最判昭47.7.25)は、本肢と同種の事案において、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
(H30 司法 第5問 イ)
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成して提出した場合において、当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、後に他方が届出の事実を知ってこれを追認したときは、その婚姻は追認時から将来に向かって効力を生ずる。
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成して提出した場合において、当時両名に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、後に他方が届出の事実を知ってこれを追認したときは、その婚姻は追認時から将来に向かって効力を生ずる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
判例(最判昭47.7.25)は、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
(R3 司法 第30問 エ)
A男とB女は内縁関係にある。AがBに無断で婚姻届を作成して届出をした場合において、Bが後に届出の事実を知ってこれを追認したときは、届出の当初に遡ってその婚姻が有効となる。
A男とB女は内縁関係にある。AがBに無断で婚姻届を作成して届出をした場合において、Bが後に届出の事実を知ってこれを追認したときは、届出の当初に遡ってその婚姻が有効となる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、本肢と同種の事案において、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
判例(最判昭47.7.25)は、本肢と同種の事案において、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
(R6 司法 第32問 ウ)
夫婦としての実質的生活関係が存在している男女の一方が他方の意思に基づかずに婚姻届を作成し、これを提出したものの、後に他方が当該届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は、その追認の時から有効となる。
夫婦としての実質的生活関係が存在している男女の一方が他方の意思に基づかずに婚姻届を作成し、これを提出したものの、後に他方が当該届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は、その追認の時から有効となる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭47.7.25)は、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
判例(最判昭47.7.25)は、「事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を作成提出した場合においても、当時右両名に夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に右他方の配偶者が右届出の事実を知つてこれを追認したときは、右婚姻は追認によりその届出の当初に遡つて有効となると解するのを相当とする。」と判示している。
総合メモ
内縁関係破棄の場合の不法行為の成否及び760条の準用 最二小判昭和33年4月11日
概要
①内縁を正当な理由なく破棄された者は、相手方に対し不法行為を理由として損害の賠償を求めることができる。
②婚姻費用の分担に関する760条の規定は、内縁に準用される。
②婚姻費用の分担に関する760条の規定は、内縁に準用される。
判例
事案:①内縁が正当な理由なく破棄された場合において、不法行為責任を肯定することができるかが問題となった。
②内縁関係に、婚姻費用の分担に関する760条が準用されるかが問題となった。
判旨:①「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。そして民法709条にいう「権利」は、厳密な意味で権利と云えなくても、法律上保護せらるべき利益があれば足りるとされるのであり(大審院大正14年(オ)第625号、同年11月28日判決、民事判例集4巻670頁、昭和6年(オ)第2771号、同7年10月6日判決、民事判例集11巻2023頁参照)、内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができるのである。されば、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならない。」
②「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきであること前記説明の如くである以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」
②内縁関係に、婚姻費用の分担に関する760条が準用されるかが問題となった。
判旨:①「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。そして民法709条にいう「権利」は、厳密な意味で権利と云えなくても、法律上保護せらるべき利益があれば足りるとされるのであり(大審院大正14年(オ)第625号、同年11月28日判決、民事判例集4巻670頁、昭和6年(オ)第2771号、同7年10月6日判決、民事判例集11巻2023頁参照)、内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができるのである。されば、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならない。」
②「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきであること前記説明の如くである以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」
過去問・解説
(H20 司法 第31問 3)
不法行為による生命侵害の場合、被害者Aの扶養を受けていた内縁配偶者Bは、Aに相続人(Aの兄弟)がいる場合であっても、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
不法行為による生命侵害の場合、被害者Aの扶養を受けていた内縁配偶者Bは、Aに相続人(Aの兄弟)がいる場合であっても、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間の扶助義務に関する規定(752条)が準用されるといえ、内縁当事者の一方が不法行為による生命侵害を受けた場合、内縁当事者の他方は、扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。これは、死亡した被害者である一方の内縁当事者に相続人がいる場合でも変わらない。したがって、本肢においても、Aは、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間の扶助義務に関する規定(752条)が準用されるといえ、内縁当事者の一方が不法行為による生命侵害を受けた場合、内縁当事者の他方は、扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。これは、死亡した被害者である一方の内縁当事者に相続人がいる場合でも変わらない。したがって、本肢においても、Aは、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
(H20 司法 第31問 5)
内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができない。
内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができる。
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができる。
(H25 司法 第31問 ウ)
A男とB女は内縁関係にある。Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
A男とB女は内縁関係にある。Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、本肢と同種の事案において、「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきである…以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」と判示している。したがって、Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
判例(最判昭33.4.11)は、本肢と同種の事案において、「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきである…以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」と判示している。したがって、Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
(R3 司法 第30問 オ)
A男とB女は内縁関係にある。Aが日常の家事に関して第三者と取引をした場合、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負わない。
A男とB女は内縁関係にある。Aが日常の家事に関して第三者と取引をした場合、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、男とB女が内縁関係にある場合において、Aが日常の家事に関して第三者と取引をしたとき、当該Aの取引の効果はBに帰属するから、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負う。
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、男とB女が内縁関係にある場合において、Aが日常の家事に関して第三者と取引をしたとき、当該Aの取引の効果はBに帰属するから、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負う。
総合メモ
夫婦の日常代理権 最一小判昭和44年12月18日
概要
①761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している。
②夫婦の一方が761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法110条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨が類推適用され、当該第三者が保護される。
②夫婦の一方が761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法110条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨が類推適用され、当該第三者が保護される。
判例
事案:①761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を夫婦に与える規定かが問題となった。
②夫婦の一方が761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合において、表見代理が成立するかが問題となった。
判旨:①「民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。」として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」
②「しかしながら、その反面、夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」
②夫婦の一方が761条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合において、表見代理が成立するかが問題となった。
判旨:①「民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。」として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」
②「しかしながら、その反面、夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第6問 イ)
夫婦の日常家事に関する相互の代理権を基礎として権限外の行為の表見代理は成立しないが、相手方においてその夫婦の日常の家事に関する法律行為と信ずるにつき正当の理由のあるときに限り、権限外の行為についての表見代理の規定の趣旨が類推適用される。
夫婦の日常家事に関する相互の代理権を基礎として権限外の行為の表見代理は成立しないが、相手方においてその夫婦の日常の家事に関する法律行為と信ずるにつき正当の理由のあるときに限り、権限外の行為についての表見代理の規定の趣旨が類推適用される。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭44.12.18)は、「夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」と判示している。
判例(最判昭44.12.18)は、「夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」と判示している。
(H25 共通 第4問 オ)
夫が、日常の家事の範囲を越えて、妻を代理して法律行為をした場合、相手方において、その行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由があるときは、権限外の行為についての表見代理に関する規定の趣旨が類推され、妻は夫がした法律行為によって生じた債務について、連帯してその責任を負う。
夫が、日常の家事の範囲を越えて、妻を代理して法律行為をした場合、相手方において、その行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由があるときは、権限外の行為についての表見代理に関する規定の趣旨が類推され、妻は夫がした法律行為によって生じた債務について、連帯してその責任を負う。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭44.12.18)は、「夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」と判示している。
判例(最判昭44.12.18)は、「夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」と判示している。
(H26 司法 第3問 オ)
個別に代理権の授権がなければ、日常の家事に関する事項についても、夫婦の一方は、他の一方のために法律行為をすることはできない。
個別に代理権の授権がなければ、日常の家事に関する事項についても、夫婦の一方は、他の一方のために法律行為をすることはできない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭44.12.18)は、「民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。」として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、日常の家事に関する事項については、夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくても、761条により、他の一方のために法律行為をすることができる。
判例(最判昭44.12.18)は、「民法761条は、「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。」として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、日常の家事に関する事項については、夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくても、761条により、他の一方のために法律行為をすることができる。
総合メモ
婚姻の届出が受理された当時本人が意識を失っていた場合と婚姻の届出の効力 最一小判昭和44年4月3日
概要
事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失っていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、当該届書の受理により婚姻は有効に成立する。
判例
事案:婚姻の届書が受理された当時本人が意識を失っていた場合において、当該婚姻の届出の受理により婚姻が有効に成立するかが問題となった。
判旨:「本件婚姻届は、Aが昭和40年4月5日午前9時10分前後に盛岡市役所に持参し、係員に交付して受理されたものであり、一方、Bは、昭和39年9月頃より肝硬変症で入院していたが、昭和40年4月3日頃より病状が悪化し、同月4日朝から完全な昏睡状態に陥り、同月5日午前10時20分死亡するに至つたというのであつて、原審は右の状態の下における届出は意思能力ない者の届出として無効であるとしたのである。しかしながら、本件婚姻届がBの意思に基づいて作成され、同人がその作成当時婚姻意思を有していて、同人とCとの間に事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書が当該係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失つたとしても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、右届書の受理によつて、本件婚姻は、有効に成立したものと解すべきである。」
判旨:「本件婚姻届は、Aが昭和40年4月5日午前9時10分前後に盛岡市役所に持参し、係員に交付して受理されたものであり、一方、Bは、昭和39年9月頃より肝硬変症で入院していたが、昭和40年4月3日頃より病状が悪化し、同月4日朝から完全な昏睡状態に陥り、同月5日午前10時20分死亡するに至つたというのであつて、原審は右の状態の下における届出は意思能力ない者の届出として無効であるとしたのである。しかしながら、本件婚姻届がBの意思に基づいて作成され、同人がその作成当時婚姻意思を有していて、同人とCとの間に事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書が当該係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失つたとしても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、右届書の受理によつて、本件婚姻は、有効に成立したものと解すべきである。」