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所有権の取得

土地使用の権原のないまかれた種から生育した苗の所有権の帰属 最三小判昭和31年6月19日

概要
土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する。
判例
事案:土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権の帰属が問題となった。

判旨:「Aが本件土地に同年5月中播種しよつて同年6月下旬頃には2葉、3葉程度に生育していた甜瓜がAの所有であるがためには播種がAの権原に基くものでなければならない。しかるに、右のように、Aは播種当時から右小麦収穫のための外は本件土地を使用収益する権原を有しなかつたのであるから、Aは本件土地に生育した甜瓜苗について民法242条但書により所有権を保留すべきかぎりでなく、同条本文により右の苗は附合によつて本件土地所有者たるBの所有に帰したものと認めるべきものである(大審院大正10年6月1日判決 大判民録27輯10巻32頁、昭和6年10月30日判決、大判民集10巻982頁参照)。」
過去問・解説
(H22 司法 第9問 ア)
土地を使用する権原のない者が作物の種をまき、これを自ら育てた場合には、生育中の作物の所有権は、種をまいた者に帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.6.19)は、土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する旨判示している。したがって、土地を使用する権原のない者が作物の種をまき、これを自ら育てた場合においても、生育中の作物の所有権は、当該土地の所有者に帰属する。

(R1 司法 第8問 ア)
土地の使用収益の権原なく播種された種子が苗に生育した場合、その苗の所有権は、播種した者ではなく、その土地の所有者が取得する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.6.19)は、土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する旨判示している。

(R5 司法 第11問 ウ)
Aがその所有する種子をBの所有する土地に無権原でまいた場合において、種子が生育して苗となったときは、その苗の所有権は、Bに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.6.19)は、土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する旨判示している。したがって、Aがその所有する種子をBの所有する土地に無権原でまいた場合において、種子が生育して苗となったときは、その苗の所有権は、当該土地の所有者であるBに帰属する。
総合メモ

改築部分と付合 最三小判昭和44年7月25日

概要
建物の賃借人が承諾を得て2階部分を増築した場合であっても、増築部分が取引上の独立性を有しない場合には、区分所有権は成立しない。
判例
事案:建物の賃借人が承諾を得て2階部分を増築した場合において、区分所有権が成立するかどうかが問題となった。

判旨:「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」
過去問・解説
(H19 司法 第7問 2)
建物の増築部分は、既存建物の従物である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、…その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。したがって、建物の増築部分が、既存の建物の構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有しない場合には、当該増築部分は、既存建物に付合(242条本文)し、一個の物として扱われることとなるため、既存建物から独立した物であるとはいえない。
ここで、従物(87条1項)といえるためには、附属させた物が独立した物でなければならないところ、上記の通り、建物の増築部分は、既存建物から独立した物であるといえない場合があるから、建物の増築部分は、必ずしも既存建物の従物であるとはいえない。

(H22 司法 第9問 エ)
建物の賃借人は、賃貸人の承諾を得て建物に増築を行っても、増築部分が取引上の独立性を有しない場合には、当該増築部分の所有権を取得しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。

(H30 共通 第11問 エ)
Aが所有する建物を賃借したBがAの同意を得て増築をした場合には、その増築部分について取引上の独立性がなくても、増築部分の所有権は、Bに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。したがって、Aが所有する建物を賃借したBがAの同意を得て増築をした場合において、その増築部分について取引上の独立性がなければ、増築部分の所有権は、BではなくAに帰属する。

(R5 司法 第11問 イ)
Aがその所有する甲建物をBに賃貸した場合において、BがAの承諾を得て甲建物に増築をしたときは、その増築部分に取引上の独立性がなくても、その増築部分の所有権は、Bに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。したがって、BがAの承諾を得て甲建物に増築をしたときにおいて、その増築部分に取引上の独立性がなければ、その増築部分の所有権は、Bではなく甲建物の所有者であるAに帰属する。
総合メモ

付合か加工による所有権の帰属 最一小判昭和54年1月25日

概要
建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての当該建物の所有権の帰属は、243条の規定によるのではなく、むしろ、246条2項の規定に基づいて決定すべきである。
判例
事案:建物の建築工事請負人が建築途上でいまだ独立宇野不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに対して、第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合において、当該建物所有権の帰属が問題となった。

判旨:「建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての右建物の所有権が何びとに帰属するかは、民法243条の規定によるのではなく、むしろ、同法246条2項の規定に基づいて決定すべきものと解する。」
過去問・解説
(H30 共通 第11問 イ)
AがBに対して、完成した建物の所有権の帰属について特約をせずに、A所有の土地上に建物を建築することを注文したところ、Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した場合(その時点における時価400万円相当)において、Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げ(その時点における時価900万円相当)、かつ、AがCに代金を支払っていないときは、当該建物の所有権は、Cに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.1.25)は、「建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての右建物の所有権が何びとに帰属するかは、民法243条の規定によるのではなく、むしろ、同法246条2項の規定に基づいて決定すべきものと解する。」と判示している。本肢においても、Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した場合において、Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げているため、当該建物の所有権がBとCのどちらに帰属するかは、246条2項の規定に基づいて決せられる。
ここで、同項は、「前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。」と規定している。本肢においては、Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した時点における時価が400万円相当であるのに対して、Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げた時点における時価は900万円相当であり、Cが供した材料の価格と工作によって生じた価格を加えたものは、500万円相当であるといえる。そうすると、この額はBの材料の価格である400万円相当を超えるため、同項が適用され、当該建物の所有権は、「加工者」であるCに帰属する。

(R5 司法 第11問 ア)
甲から建物の建築を請け負った乙が、甲の所有する甲土地上に自ら材料を調達して建築工事を行った場合において、未だ独立の建物とはいえない建前の段階で工事を中断したときは、その建前の所有権は、甲に帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.1.25)は、「建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての右建物の所有権が何びとに帰属するかは、民法243条の規定によるのではなく、むしろ、同法246条2項の規定に基づいて決定すべきものと解する。」と判示している。この判例は、未だ独立の不動産に至らない建前を、独立の建物として完成させる行為が、加工(246条1項)に当たるとしているのであるから、未だ独立の不動産に至らない建前も、土地に付合せず、独立して所有権の対象となるという理解に基づいているといえる。そして、請負契約において、作成された目的物の所有権の帰属は、材料の供給者が誰であるかによって決せられると解されている。
したがって、甲から建物の建築を請け負った乙が、甲の所有する甲土地上に自ら材料を調達して建築工事を行った場合において、未だ独立の建物とはいえない建前の段階で工事を中断したときは、その建前の所有権は、乙に帰属する。
総合メモ