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債権の目的
持参債務と履行の提供 最一小判昭和44年11月6日
総合メモ
不特定物売買における所有権の移転時期 最二小判昭和35年6月24日
総合メモ
外国の通貨をもって債権額が指定された金銭債権と日本の通貨による請求 最三小判昭和50年7月15日
概要
外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権について、債権者は、債務者に対し、外国の通貨又は日本の通貨のいずれによっても請求することができる。
判例
事案:外国の通貨をもって債権額が指定された金銭債権について、債権者が、日本の通貨によって請求することができるかどうかが問題となった。
判旨:「外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権は、いわゆる任意債権であり、債権者は、債務者に対し、外国の通貨又は日本の通貨のいずれによつて請求することもできるのであり、民法403条は、債権者が外国の通貨によつて請求した場合に債務者が日本の通貨によつて弁済することができることを定めるにすぎない。」
判旨:「外国の通貨をもつて債権額が指定された金銭債権は、いわゆる任意債権であり、債権者は、債務者に対し、外国の通貨又は日本の通貨のいずれによつて請求することもできるのであり、民法403条は、債権者が外国の通貨によつて請求した場合に債務者が日本の通貨によつて弁済することができることを定めるにすぎない。」
総合メモ
放送法4条1項に基づく訂正放送又は取消し放送を求める私法上の権利の有無 最一小判平成16年11月25日
概要
放送事業者がした真実でない事項の放送により権利の侵害を受けた本人等は、放送事業者に対し、放送法4条1項の規定に基づく訂正又は取消しの放送を求める私法上の権利を有しない。
判例
事案:放送事業者がした真実でない事項の放送により権利の侵害を受けた本人等が放送法4条1項の規定に基づく訂正又は取消しの放送を求める私法上の権利の有無が問題となった。
判旨:「法4条は、放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によって、その放送により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人(以下「被害者」と総称する。)から、放送のあった日から3か月以内に請求があったときは、放送事業者は、遅滞なくその放送をした事項が真実でないかどうかを調査して、その真実でないことが判明したときは、判明した日から2日以内に、その放送をした放送設備と同等の放送設備により、相当の方法で、訂正又は取消しの放送(以下「訂正放送等」と総称する。)をしなければならないとし(1項)、放送事業者がその放送について真実でない事項を発見したときも、上記と同様の訂正放送等をしなければならないと定めている(2項)。そして、法56条1項は、法4条1項の規定に違反した場合の罰則を定めている。
このように、法4条1項は、真実でない事項の放送について被害者から請求があった場合に、放送事業者に対して訂正放送等を義務付けるものであるが、この請求や義務の性質については、法の全体的な枠組みと趣旨を踏まえて解釈する必要がある。憲法21条が規定する表現の自由の保障の下において、法1条は、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」(1号)、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」(2号)、「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」(3号)という三つの原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを法の目的とすると規定しており、法2条以下の規定は、この三つの原則を具体化したものということができる。法3条は、上記の表現の自由及び放送の自律性の保障の理念を具体化し、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」として、放送番組編集の自由を規定している。すなわち、別に法律で定める権限に基づく場合でなければ、他からの放送番組編集への関与は許されないのである。法4条1項も、これらの規定を受けたものであって、上記の放送の自律性の保障の理念を踏まえた上で、上記の真実性の保障の理念を具体化するための規定であると解される。そして、このことに加え、法4条1項自体をみても、放送をした事項が真実でないことが放送事業者に判明したときに訂正放送等を行うことを義務付けているだけであって、訂正放送等に関する裁判所の関与を規定していないこと、同項所定の義務違反について罰則が定められていること等を併せ考えると、同項は、真実でない事項の放送がされた場合において、放送内容の真実性の保障及び他からの干渉を排除することによる表現の自由の確保の観点から、放送事業者に対し、自律的に訂正放送等を行うことを国民全体に対する公法上の義務として定めたものであって、被害者に対して訂正放送等を求める私法上の請求権を付与する趣旨の規定ではないと解するのが相当である。前記のとおり、法4条1項は被害者からの訂正放送等の請求について規定しているが、同条2項の規定内容を併せ考えると、これは、同請求を、放送事業者が当該放送の真実性に関する調査及び訂正放送等を行うための端緒と位置付けているものと解するのが相当であって、これをもって、上記の私法上の請求権の根拠と解することはできない。
したがって、被害者は、放送事業者に対し、法4条1項の規定に基づく訂正放送等を求める私法上の権利を有しないというべきである。」
判旨:「法4条は、放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によって、その放送により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人(以下「被害者」と総称する。)から、放送のあった日から3か月以内に請求があったときは、放送事業者は、遅滞なくその放送をした事項が真実でないかどうかを調査して、その真実でないことが判明したときは、判明した日から2日以内に、その放送をした放送設備と同等の放送設備により、相当の方法で、訂正又は取消しの放送(以下「訂正放送等」と総称する。)をしなければならないとし(1項)、放送事業者がその放送について真実でない事項を発見したときも、上記と同様の訂正放送等をしなければならないと定めている(2項)。そして、法56条1項は、法4条1項の規定に違反した場合の罰則を定めている。
このように、法4条1項は、真実でない事項の放送について被害者から請求があった場合に、放送事業者に対して訂正放送等を義務付けるものであるが、この請求や義務の性質については、法の全体的な枠組みと趣旨を踏まえて解釈する必要がある。憲法21条が規定する表現の自由の保障の下において、法1条は、「放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること」(1号)、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」(2号)、「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」(3号)という三つの原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを法の目的とすると規定しており、法2条以下の規定は、この三つの原則を具体化したものということができる。法3条は、上記の表現の自由及び放送の自律性の保障の理念を具体化し、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」として、放送番組編集の自由を規定している。すなわち、別に法律で定める権限に基づく場合でなければ、他からの放送番組編集への関与は許されないのである。法4条1項も、これらの規定を受けたものであって、上記の放送の自律性の保障の理念を踏まえた上で、上記の真実性の保障の理念を具体化するための規定であると解される。そして、このことに加え、法4条1項自体をみても、放送をした事項が真実でないことが放送事業者に判明したときに訂正放送等を行うことを義務付けているだけであって、訂正放送等に関する裁判所の関与を規定していないこと、同項所定の義務違反について罰則が定められていること等を併せ考えると、同項は、真実でない事項の放送がされた場合において、放送内容の真実性の保障及び他からの干渉を排除することによる表現の自由の確保の観点から、放送事業者に対し、自律的に訂正放送等を行うことを国民全体に対する公法上の義務として定めたものであって、被害者に対して訂正放送等を求める私法上の請求権を付与する趣旨の規定ではないと解するのが相当である。前記のとおり、法4条1項は被害者からの訂正放送等の請求について規定しているが、同条2項の規定内容を併せ考えると、これは、同請求を、放送事業者が当該放送の真実性に関する調査及び訂正放送等を行うための端緒と位置付けているものと解するのが相当であって、これをもって、上記の私法上の請求権の根拠と解することはできない。
したがって、被害者は、放送事業者に対し、法4条1項の規定に基づく訂正放送等を求める私法上の権利を有しないというべきである。」
過去問・解説
(R6 司法 第31問 エ)
プライバシーを侵害した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、謝罪広告を命ずることができる。
プライバシーを侵害した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、謝罪広告を命ずることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最大判昭31.7.4)は、「民法723条にいわゆる「他人の名誉を毀損した者に対して被害者の名誉を回復するに適当な処分」として謝罪広告を新聞紙等に掲載すべきことを加害者に命ずることは、従来学説判例の肯認するところであ」ると判示している。したがって、裁判所が、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、謝罪広告を命ずることができるのは、他人の名誉を棄損した者に対してであり、プライバシーを侵害した者に対しては、謝罪広告を命ずることはできない。
判例(最大判昭31.7.4)は、「民法723条にいわゆる「他人の名誉を毀損した者に対して被害者の名誉を回復するに適当な処分」として謝罪広告を新聞紙等に掲載すべきことを加害者に命ずることは、従来学説判例の肯認するところであ」ると判示している。したがって、裁判所が、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、謝罪広告を命ずることができるのは、他人の名誉を棄損した者に対してであり、プライバシーを侵害した者に対しては、謝罪広告を命ずることはできない。