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保証債務
主たる債務の弁済期延長の効力は保証債務にも及ぶか 大判明治40年6月18日
総合メモ
保証契約の当事者 大判大正6年9月25日
過去問・解説
(R3 予備 第8問 ア)
AのBに対する1000万円の貸金債権(以下「甲債権」という。)につき、Cが保証した。CのAに対する債務が連帯保証債務になるのは、AC間で連帯保証契約が締結されるのに加えて、BC間で連帯の特約がされた場合である。
AのBに対する1000万円の貸金債権(以下「甲債権」という。)につき、Cが保証した。CのAに対する債務が連帯保証債務になるのは、AC間で連帯保証契約が締結されるのに加えて、BC間で連帯の特約がされた場合である。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大6.9.25)は、保証契約は保証人と債権者との間に成立するものである旨判示している。連帯保証契約も同様であり、保証契約の中で連帯の特約を付すことについて、保証人と債権者が合意をした場合に成立する。連帯保証契約の成立に、債務者と保証人との間の連帯の特約は必要ない。したがって、CのAに対する債務が連帯保証債務になるのは、AC間で連帯保証契約が締結されるのみで足り、BC間で連帯の特約がされることは必要ではない。
判例(大判大6.9.25)は、保証契約は保証人と債権者との間に成立するものである旨判示している。連帯保証契約も同様であり、保証契約の中で連帯の特約を付すことについて、保証人と債権者が合意をした場合に成立する。連帯保証契約の成立に、債務者と保証人との間の連帯の特約は必要ない。したがって、CのAに対する債務が連帯保証債務になるのは、AC間で連帯保証契約が締結されるのみで足り、BC間で連帯の特約がされることは必要ではない。
(R3 予備 第8問 エ)
AのBに対する1000万円の貸金債権につき、Cが保証した。CがAを単独相続した場合には、Cの保証債務は消滅する。
AのBに対する1000万円の貸金債権につき、Cが保証した。CがAを単独相続した場合には、Cの保証債務は消滅する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大6.9.25)は、保証契約は保証人と債権者との間に成立するものである旨判示している。そして、520条本文は、「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。」と規定している。保証人Cが債権者Aを単独相続した場合には、保証債権及び保証債務が同一人であるCに帰属することになるから、520条本文により、Cの保証債務は消滅する。
判例(大判大6.9.25)は、保証契約は保証人と債権者との間に成立するものである旨判示している。そして、520条本文は、「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。」と規定している。保証人Cが債権者Aを単独相続した場合には、保証債権及び保証債務が同一人であるCに帰属することになるから、520条本文により、Cの保証債務は消滅する。
総合メモ
期間の定めのある建物賃貸借契約の更新と保証人の責任 最一小判平成9年11月13日
概要
期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために保証人が賃貸人と保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解すべきである。
判例
事案:期間の定めのある建物の賃貸借契約において、賃借人のために保証人が賃貸人と保証契約を締結した場合に、当該賃貸借契約が更新されたとき、当該更新後の賃貸借契約から生ずる賃借人の債務についても、当該保証人が保証の責任を負担するのかが問題となった。
判旨:「建物の賃貸借は、一時使用のための賃貸借等の場合を除き、期間の定めの有無にかかわらず、本来相当の長期間にわたる存続が予定された継続的な契約関係であり、期間の定めのある建物の賃貸借においても、賃貸人は、自ら建物を使用する必要があるなどの正当事由を具備しなければ、更新を拒絶することができず、賃借人が望む限り、更新により賃貸借関係を継続するのが通常であって、賃借人のために保証人となろうとする者にとっても、右のような賃貸借関係の継続は当然予測できるところであり、また、保証における主たる債務が定期的かつ金額の確定した賃料債務を中心とするものであって、保証人の予期しないような保証責任が一挙に発生することはないのが一般であることなどからすれば、賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定めがされていない場合であっても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解するのが、当事者の通常の合理的意思に合致するというべきである(最高裁平成9年11月13日第一小法廷判決・集民186号105頁)。」
判旨:「建物の賃貸借は、一時使用のための賃貸借等の場合を除き、期間の定めの有無にかかわらず、本来相当の長期間にわたる存続が予定された継続的な契約関係であり、期間の定めのある建物の賃貸借においても、賃貸人は、自ら建物を使用する必要があるなどの正当事由を具備しなければ、更新を拒絶することができず、賃借人が望む限り、更新により賃貸借関係を継続するのが通常であって、賃借人のために保証人となろうとする者にとっても、右のような賃貸借関係の継続は当然予測できるところであり、また、保証における主たる債務が定期的かつ金額の確定した賃料債務を中心とするものであって、保証人の予期しないような保証責任が一挙に発生することはないのが一般であることなどからすれば、賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定めがされていない場合であっても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解するのが、当事者の通常の合理的意思に合致するというべきである(最高裁平成9年11月13日第一小法廷判決・集民186号105頁)。」
過去問・解説
(H28 共通 第21問 ア)
賃借人の保証人は、賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが、賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合、賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。
賃借人の保証人は、賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負うが、賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合、賃借人が目的物を返還しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償については保証債務を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平9.11.13)は、「賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定めがされていない場合であっても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解するのが、当事者の通常の合理的意思に合致するというべきである…。」と判示している。したがって、賃借人の保証人は、原則として、賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負う。よって、本肢前段は正しい。
これに対し、判例(大判昭13.1.31)は、賃借人の保証人は、賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合、賃借人が目的物の返還債務を履行しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償債務についても保証の責任を負う旨判示している。したがって、本肢後段は誤っている。
判例(最判平9.11.13)は、「賃貸借の期間が満了した後における保証責任について格別の定めがされていない場合であっても、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、更新後の賃貸借から生ずる債務についても保証の責めを負う趣旨で保証契約をしたものと解するのが、当事者の通常の合理的意思に合致するというべきである…。」と判示している。したがって、賃借人の保証人は、原則として、賃貸借契約が更新された後の賃料債務についても保証債務を負う。よって、本肢前段は正しい。
これに対し、判例(大判昭13.1.31)は、賃借人の保証人は、賃料不払によって賃貸借契約が解除された場合、賃借人が目的物の返還債務を履行しないことにより賃貸人に与えた損害の賠償債務についても保証の責任を負う旨判示している。したがって、本肢後段は誤っている。
総合メモ
根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権の譲渡が元本確定期日前にされた場合に譲受人が保証債務の履行を求めることの可否 最二小判平成24年12月14日
概要
根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権を譲り受けた者は、その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても、当該根保証契約の当事者間において上記債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り、保証人に対し、保証債務の履行を求めることができる。
判例
事案:根保証契約の主たる債務の範囲に含まれる債務に係る債権の譲渡が元本確定期日前にされた場合において、譲受人が保証債務の履行を求めることの可否が問題となった。
判旨:「根保証契約を締結した当事者は、通常、主たる債務の範囲に含まれる個別の債務が発生すれば保証人がこれをその都度保証し、当該債務の弁済期が到来すれば、当該根保証契約に定める元本確定期日(本件根保証契約のように、保証期間の定めがある場合には、保証期間の満了日の翌日を元本確定期日とする定めをしたものと解することができる。)前であっても、保証人に対してその保証債務の履行を求めることができるものとして契約を締結し、被保証債権が譲渡された場合には保証債権もこれに随伴して移転することを前提としているものと解するのが合理的である。そうすると、被保証債権を譲り受けた者は、その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても、当該根保証契約の当事者間において被保証債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り、保証人に対し、保証債務の履行を求めることができるというべきである。」
判旨:「根保証契約を締結した当事者は、通常、主たる債務の範囲に含まれる個別の債務が発生すれば保証人がこれをその都度保証し、当該債務の弁済期が到来すれば、当該根保証契約に定める元本確定期日(本件根保証契約のように、保証期間の定めがある場合には、保証期間の満了日の翌日を元本確定期日とする定めをしたものと解することができる。)前であっても、保証人に対してその保証債務の履行を求めることができるものとして契約を締結し、被保証債権が譲渡された場合には保証債権もこれに随伴して移転することを前提としているものと解するのが合理的である。そうすると、被保証債権を譲り受けた者は、その譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても、当該根保証契約の当事者間において被保証債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り、保証人に対し、保証債務の履行を求めることができるというべきである。」
総合メモ
売買契約の解除に伴う原状回復義務と保証人の責任 最大判昭和40年6月30日
概要
特定物の売買契約における売主のための保証人は、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責任を負う。
判例
事案:特定物の売買における売主のための保証がなされ、当該特定物売買契約が売主の債務不履行により解除された場合において、当該保証人が、売主の原状回復義務についても保証の責任を負うかが問題となった。
判旨:「特定物の売買における売主のための保証においては、通常、その契約から直接に生ずる売主の債務につき保証人が自ら履行の責に任ずるというよりも、むしろ、売主の債務不履行に基因して売主が買主に対し負担することあるべき債務につき責に任ずる趣旨でなされるものと解するのが相当であるから、保証人は、債務不履行により売主が買主に対し負担する損害賠償義務についてはもちろん、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする。」
判旨:「特定物の売買における売主のための保証においては、通常、その契約から直接に生ずる売主の債務につき保証人が自ら履行の責に任ずるというよりも、むしろ、売主の債務不履行に基因して売主が買主に対し負担することあるべき債務につき責に任ずる趣旨でなされるものと解するのが相当であるから、保証人は、債務不履行により売主が買主に対し負担する損害賠償義務についてはもちろん、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする。」
過去問・解説
(H21 司法 第19問 ア)
解除による原状回復義務は本来の債務とは同一性のない別個の債務であると解しても、契約解除による原状回復義務が保証債務の範囲に含まれるか否かは保証契約における当事者の意思解釈の問題であると考えると、特定物の売買契約における売主のための保証人は、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責任を負うと解することは可能である。
解除による原状回復義務は本来の債務とは同一性のない別個の債務であると解しても、契約解除による原状回復義務が保証債務の範囲に含まれるか否かは保証契約における当事者の意思解釈の問題であると考えると、特定物の売買契約における売主のための保証人は、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責任を負うと解することは可能である。
(正答)〇
(解説)
判例(最大判昭40.6.30)は、「特定物の売買における売主のための保証においては、通常、その契約から直接に生ずる売主の債務につき保証人が自ら履行の責に任ずるというよりも、むしろ、売主の債務不履行に基因して売主が買主に対し負担することあるべき債務につき責に任ずる趣旨でなされるものと解するのが相当であるから、保証人は、債務不履行により売主が買主に対し負担する損害賠償義務についてはもちろん、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする。」と判示している。この判例は、契約解除による原状回復義務が保証債務の範囲に含まれるか否かは保証契約における当事者の意思解釈の問題であると考えることを前提として、結論を出しているといえる。したがって、このように考えると、解除による原状回復義務は本来の債務とは同一性のない別個の債務であると解しても、特定物の売買契約における売主のための保証人は、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責任を負うと解することは可能である。
判例(最大判昭40.6.30)は、「特定物の売買における売主のための保証においては、通常、その契約から直接に生ずる売主の債務につき保証人が自ら履行の責に任ずるというよりも、むしろ、売主の債務不履行に基因して売主が買主に対し負担することあるべき債務につき責に任ずる趣旨でなされるものと解するのが相当であるから、保証人は、債務不履行により売主が買主に対し負担する損害賠償義務についてはもちろん、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする。」と判示している。この判例は、契約解除による原状回復義務が保証債務の範囲に含まれるか否かは保証契約における当事者の意思解釈の問題であると考えることを前提として、結論を出しているといえる。したがって、このように考えると、解除による原状回復義務は本来の債務とは同一性のない別個の債務であると解しても、特定物の売買契約における売主のための保証人は、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責任を負うと解することは可能である。
(H30 共通 第18問 オ)
特定物の売買契約が売主の債務不履行により解除され、売主が代金返還義務を負担したときは、売主のための保証人は、反対の特約のない限り、当該代金返還義務について保証の責任を負う。
特定物の売買契約が売主の債務不履行により解除され、売主が代金返還義務を負担したときは、売主のための保証人は、反対の特約のない限り、当該代金返還義務について保証の責任を負う。
(正答)〇
(解説)
判例(最大判昭40.6.30)は、「特定物の売買における売主のための保証においては、…保証人は、債務不履行により売主が買主に対し負担する損害賠償義務についてはもちろん、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする。」と判示している。
判例(最大判昭40.6.30)は、「特定物の売買における売主のための保証においては、…保証人は、債務不履行により売主が買主に対し負担する損害賠償義務についてはもちろん、特に反対の意思表示のないかぎり、売主の債務不履行により契約が解除された場合における原状回復義務についても保証の責に任ずるものと認めるのを相当とする。」と判示している。
総合メモ
物上保証人と求償権の事前行使 最三小判平成2年12月18日
概要
物上保証人は、被担保債権の弁済期が到来しても、あらかじめ求償権を行使することはできない
判例
事案:物上保証人が、被担保債権の弁済期が到来した場合において、あらかじめ求償権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないと解するのが相当である。けだし、抵当権については、民法372条の規定によって同法351条の規定が準用されるので、物上保証人が右債務を弁済し、又は抵当権の実行により右債務が消滅した場合には、物上保証人は債務者に対して求償権を取得し、その求償の範囲については保証債務に関する規定が準用されることになるが、右規定が債務者に対してあらかじめ求償権を行使することを許容する根拠となるものではなく、他にこれを許容する根拠となる規定もないからである。」
判旨:「債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないと解するのが相当である。けだし、抵当権については、民法372条の規定によって同法351条の規定が準用されるので、物上保証人が右債務を弁済し、又は抵当権の実行により右債務が消滅した場合には、物上保証人は債務者に対して求償権を取得し、その求償の範囲については保証債務に関する規定が準用されることになるが、右規定が債務者に対してあらかじめ求償権を行使することを許容する根拠となるものではなく、他にこれを許容する根拠となる規定もないからである。」
過去問・解説
(H24 司法 第23問 2)
判例によれば、債務者Aの委託を受けてAの債務を担保するため抵当権を設定したBは、当該抵当権の被担保債権の弁済期が到来したとしても、Aに対し、あらかじめ求償権を行使することができない。
判例によれば、債務者Aの委託を受けてAの債務を担保するため抵当権を設定したBは、当該抵当権の被担保債権の弁済期が到来したとしても、Aに対し、あらかじめ求償権を行使することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平2.12.18)は、「債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、債務者Aの委託を受けてAの債務を担保するため抵当権を設定したBは、当該抵当権の被担保債権の弁済期が到来したとしても、Aに対し、あらかじめ求償権を行使することができない。
判例(最判平2.12.18)は、「債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、債務者Aの委託を受けてAの債務を担保するため抵当権を設定したBは、当該抵当権の被担保債権の弁済期が到来したとしても、Aに対し、あらかじめ求償権を行使することができない。
(H29 予備 第6問 エ)
AのBに対する債権を被担保債権として、C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がされている。被担保債権の弁済期が到来した場合であっても、Cは、Aに対し、本件抵当権が実行される前に、あらかじめ求償権を行使することはできない。
AのBに対する債権を被担保債権として、C所有の甲土地について抵当権(以下「本件抵当権」という。)が設定され、その旨の登記がされている。被担保債権の弁済期が到来した場合であっても、Cは、Aに対し、本件抵当権が実行される前に、あらかじめ求償権を行使することはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平2.12.18)は、「債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、被担保債権の弁済期が到来した場合であっても、物上保証人であるCは、Aに対し、本件抵当権が実行される前に、あらかじめ求償権を行使することはできない。
判例(最判平2.12.18)は、「債務者の委託を受けてその者の債務を担保するため抵当権を設定した者(物上保証人)は、被担保債権の弁済期が到来したとしても、債務者に対してあらかじめ求償権を行使することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、被担保債権の弁済期が到来した場合であっても、物上保証人であるCは、Aに対し、本件抵当権が実行される前に、あらかじめ求償権を行使することはできない。
総合メモ
相続開始後に生じた賃料債務 大判昭和9年1月30日
概要
賃貸借契約における保証人の相続人は、相続開始後に生じた賃料債務についても当然に保証債務を負担する。
判例
事案:賃貸借契約における保証人の相続人が、相続開始後に生じた賃料債務について保証債務を負担することになるかが問題となった。
判旨:「賃貸借契約ニ因リ之ト同時ニ賃貸人カ賃借人ニ目的物ノ使用収益ヲ為サシムル対価トシテ賃借人ハ借賃ヲ支払フヘキ基本ノ法律関係ヲ生スヘク此賃借人ノ基本債務ハ将来ノ使用収益義務履行ヲ俟チテ発生スヘキ個々ノ借賃債務トハ異レリト雖右基本債務ニ付保証ヲ約シタル者ハ将来使用収益義務履行ノ場合之ニ対スル個々ノ借賃債務ノ保証債務ヲ負担スヘキコト勿論ニシテ従テ右基本債務ノ保証人ヲ相続シ因テ其ノ地位ヲ承継シタル者カ相続後ノ使用収益義務履行ノ場合ニ之ニ対スル個々ノ借賃債務ノ保証債務ヲ負担スヘキヤ当然ナリトス此ノ趣旨ヲ判示シタル原判決ハ違法ニ非ス。」
判旨:「賃貸借契約ニ因リ之ト同時ニ賃貸人カ賃借人ニ目的物ノ使用収益ヲ為サシムル対価トシテ賃借人ハ借賃ヲ支払フヘキ基本ノ法律関係ヲ生スヘク此賃借人ノ基本債務ハ将来ノ使用収益義務履行ヲ俟チテ発生スヘキ個々ノ借賃債務トハ異レリト雖右基本債務ニ付保証ヲ約シタル者ハ将来使用収益義務履行ノ場合之ニ対スル個々ノ借賃債務ノ保証債務ヲ負担スヘキコト勿論ニシテ従テ右基本債務ノ保証人ヲ相続シ因テ其ノ地位ヲ承継シタル者カ相続後ノ使用収益義務履行ノ場合ニ之ニ対スル個々ノ借賃債務ノ保証債務ヲ負担スヘキヤ当然ナリトス此ノ趣旨ヲ判示シタル原判決ハ違法ニ非ス。」
総合メモ
賃貸借契約における保証人からの一方的な保証契約の解約の可否 大判昭和8年4月6日
概要
賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者は、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情があるときには、保証人は、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができる。
判例
事案:賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者が、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという事情がある場合において、保証人が、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができるかが問題となった。
判旨:「保証人ハ主タル債務者カ其ノ債務ヲ履行セサル場合ニ於テ其ノ履行ヲ為ス責ニ任スルモノナレハ賃借人ノ為保証ヲ為シタル者ハ其ノ賃借人ノ支払ヲ怠リタル賃料及損害金等カ日時ノ経過ニ因リ増額スルモ之ヲ支払フヘキ責任ヲ辞スルコトヲ得スト雖其保証人カ期間ノ定ナキ保証契約ヲ締結シタル後相当ノ期間ヲ経過シ且賃借人カ屡賃料ノ支払ヲ怠リ将来ニ於テモ誠実ニ其ノ債務ヲ履行スヘキ見込ナキニ拘ラス賃貸人カ依然トシテ賃借人ヲシテ賃貸物ノ使用収益ヲ為サシメ賃貸借解除明渡等ノ処置ヲ為ササル場合ニ於テ而モ保証人カ保証責任ノ存続ヲ欲セサルトキト雖尚賃借人ノ債務不履行ニ付保証人ノ責任ヲ免ルルコトヲ得スト為スハ信義ノ原則ニ反スルモノト謂フヘキヲ以テ斯ノ如キ場合ニハ保証人ハ賃貸人ニ対スル一方的意思表示ニ依リ保証契約ヲ解除スルコトヲ得ルモノト解スルヲ相当トス(昭和7年(オ)第225号同年12月17日当院判決参照)。」
判旨:「保証人ハ主タル債務者カ其ノ債務ヲ履行セサル場合ニ於テ其ノ履行ヲ為ス責ニ任スルモノナレハ賃借人ノ為保証ヲ為シタル者ハ其ノ賃借人ノ支払ヲ怠リタル賃料及損害金等カ日時ノ経過ニ因リ増額スルモ之ヲ支払フヘキ責任ヲ辞スルコトヲ得スト雖其保証人カ期間ノ定ナキ保証契約ヲ締結シタル後相当ノ期間ヲ経過シ且賃借人カ屡賃料ノ支払ヲ怠リ将来ニ於テモ誠実ニ其ノ債務ヲ履行スヘキ見込ナキニ拘ラス賃貸人カ依然トシテ賃借人ヲシテ賃貸物ノ使用収益ヲ為サシメ賃貸借解除明渡等ノ処置ヲ為ササル場合ニ於テ而モ保証人カ保証責任ノ存続ヲ欲セサルトキト雖尚賃借人ノ債務不履行ニ付保証人ノ責任ヲ免ルルコトヲ得スト為スハ信義ノ原則ニ反スルモノト謂フヘキヲ以テ斯ノ如キ場合ニハ保証人ハ賃貸人ニ対スル一方的意思表示ニ依リ保証契約ヲ解除スルコトヲ得ルモノト解スルヲ相当トス(昭和7年(オ)第225号同年12月17日当院判決参照)。」
過去問・解説
(H22 司法 第18問 エ)
賃貸借契約において賃借人が賃貸人に対して負う債務を期間の定めなく保証した保証人は、保証契約の成立後相当の期間が経過したときは、保証契約を将来に向けて解約することができる。
賃貸借契約において賃借人が賃貸人に対して負う債務を期間の定めなく保証した保証人は、保証契約の成立後相当の期間が経過したときは、保証契約を将来に向けて解約することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭8.4.6)は、賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者は、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情があるときには、保証人は、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができる旨判示している。したがって、保証契約の成立後相当の期間が経過したときであっても、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情がなければ、保証契約を将来に向けて解約することはできない。
判例(大判昭8.4.6)は、賃貸借契約における賃借人の賃貸人に対する債務を期間の定めなく保証した者は、保証契約の締結後相当期間を経過し、かつ、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情があるときには、保証人は、賃貸人に対する一方的な意思表示により当該保証契約を解除することができる旨判示している。したがって、保証契約の成立後相当の期間が経過したときであっても、賃借人が賃料の支払いを怠り将来においても誠実に債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人が賃貸借契約を解除せずに賃借人に使用収益をさせているという特段の事情がなければ、保証契約を将来に向けて解約することはできない。
総合メモ
保証人が主たる債務を相続した場合における保証債務の帰趨 最二小判平成25年9月13日
概要
主たる債務を相続した保証人は、従前の保証人としての地位に併せて、包括的に承継した主たる債務者としての地位をも兼ねるものである。
判例
事案:保証人が主たる債務を相続した場合、保証人としての地位は消滅するかが問題となった。
判旨:「主たる債務を相続した保証人は、従前の保証人としての地位に併せて、包括的に承継した主たる債務者としての地位をも兼ねるものであるから、相続した主たる債務について債務者としてその承認をし得る立場にある。そして、保証債務の附従性に照らすと、保証債務の弁済は、通常、主たる債務が消滅せずに存在していることを当然の前提とするものである。しかも、債務の弁済が、債務の承認を表示するものにほかならないことからすれば、主たる債務者兼保証人の地位にある者が主たる債務を相続したことを知りながらした弁済は、これが保証債務の弁済であっても、債権者に対し、併せて負担している主たる債務の承認を表示することを包含するものといえる。これは、主たる債務者兼保証人の地位にある個人が、主たる債務者としての地位と保証人としての地位により異なる行動をすることは、想定し難いからである。
したがって、保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合、当該弁済は、特段の事情のない限り、主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である。」
判旨:「主たる債務を相続した保証人は、従前の保証人としての地位に併せて、包括的に承継した主たる債務者としての地位をも兼ねるものであるから、相続した主たる債務について債務者としてその承認をし得る立場にある。そして、保証債務の附従性に照らすと、保証債務の弁済は、通常、主たる債務が消滅せずに存在していることを当然の前提とするものである。しかも、債務の弁済が、債務の承認を表示するものにほかならないことからすれば、主たる債務者兼保証人の地位にある者が主たる債務を相続したことを知りながらした弁済は、これが保証債務の弁済であっても、債権者に対し、併せて負担している主たる債務の承認を表示することを包含するものといえる。これは、主たる債務者兼保証人の地位にある個人が、主たる債務者としての地位と保証人としての地位により異なる行動をすることは、想定し難いからである。
したがって、保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済をした場合、当該弁済は、特段の事情のない限り、主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当である。」
過去問・解説
(R1 司法 第21問 ウ)
保証人が主たる債務者を単独で相続した場合、保証債務を担保するために抵当権が設定されているときは、保証債務は消滅しない。
保証人が主たる債務者を単独で相続した場合、保証債務を担保するために抵当権が設定されているときは、保証債務は消滅しない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平25.9.13)は、「主たる債務を相続した保証人は、従前の保証人としての地位に併せて、包括的に承継した主たる債務者としての地位をも兼ねるものである」と判示しており、この判例理論は、保証債務を担保するために抵当権が設定されている場合にも妥当すると考えられる。したがって、保証人が主たる債務者を単独で相続した場合、保証債務を担保するために抵当権が設定されているときは、保証人としての地位は消滅しないため、保証債務は消滅しない。
判例(最判平25.9.13)は、「主たる債務を相続した保証人は、従前の保証人としての地位に併せて、包括的に承継した主たる債務者としての地位をも兼ねるものである」と判示しており、この判例理論は、保証債務を担保するために抵当権が設定されている場合にも妥当すると考えられる。したがって、保証人が主たる債務者を単独で相続した場合、保証債務を担保するために抵当権が設定されているときは、保証人としての地位は消滅しないため、保証債務は消滅しない。