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所有権 - 解答モード

一筆の土地の一部についての取引 大判大正13年10月7日

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概要
一筆の土地の一部についてのみ所有権を取得したり、処分したりすることも可能である。
判例
事案:一筆の土地の一部についてのみ所有権を取得したり、処分したりすることは可能かが問題となった。

判旨:「土地ハ自然ノ状態ニ於テハ一体ヲ成セルモノナリト雖之ヲ区分シテ分割スルコトヲ得サルモノニ非ス即土地ハ所有者ノ行為ニ因リ互ニ独立セル数箇ノ土地ニ区分シ分割セラレ得ルモノニシテ如何ナル範囲ノ土地カ各箇ニ分割セラレタルヤハ所有者ノ為シタル区分ノ方法ニ依リテ定マルモノトス従テ所有者ハ一筆トナレル自己ノ所有地内ニ一線ヲ画シ或ハ標識ヲ設クル等ニ依リテ任意ニ之ヲ数箇ニ分割シ其ノ各箇ヲ譲渡ノ目的ト為スコトヲ得ヘキモノニシテ其ノ之ヲ数箇ト為スニ付テハ特ニ土地台帳ニ於ケル登録其ノ他ノ方法ニ依リ公認セラルルノ必要ナキモノトス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H24 司法 第9問 3)
物権は一筆の土地の一部についても成立することがあるが、債権も一筆の土地の一部を目的として成立することがある。

(正答)

(解説)
判例(大連判大13.10.7)は、一筆の土地の一部についてのみ所有権を取得することも可能である旨判示している。したがって、本肢前段は正しい。
また、契約自由の原則(521条)により、一筆の土地の一部を目的として売買契約を締結することも可能であると解される。そうすると、一筆の土地の一部を目的とした、売買契約に基づく目的物引渡請求権が成立することがあるといえる。したがって、本肢後段も正しい。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 予備 第3問 ア)
物権は、一筆の土地の一部について成立することはない。

(正答)

(解説)
判例(大連判大13.10.7)は、一筆の土地の一部についてのみ所有権を取得することも可能である旨判示している。

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土地の所有権に基づく物権的請求権の相手方 最二小判昭和35年6月17日

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概要
土地の所有権に基づく物権的請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有することによって現実にその土地を占拠して、土地の所有権を侵害しているものを被告としなければならない。
判例
事案:土地所有権に基づく物権的請求権を行使する場合において、当該請求の相手方として誰を選択するべきかが問題となった。

判旨:「土地の所有権にもとづく物上請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有することによつて現実にその土地を占拠して土地の所有権を侵害しているものを被告としなければならないのである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H20 司法 第9問 イ)
Aが所有する甲土地の上に権原なく乙建物を所有しているBから乙建物を譲り受けたDに対し、Aは、DがBからの乙建物の所有権移転登記を経由していない場合、Dが乙建物の所有者であることを主張して乙建物の収去を請求することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭35.6.17)は、「土地の所有権にもとづく物上請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有することによつて現実にその土地を占拠して土地の所有権を侵害しているものを被告としなければならないのである。」と判示している。本肢においては、Dは、Aが所有する甲土地の上に権原なく乙建物を所有しているBから乙建物を譲り受けているため、現実に乙建物を所有することによって現実に甲土地を占拠して甲土地の所有権を侵害している者といえる。したがって、Aは、DがBからの乙建物の所有権移転登記を経由しているか否かにかかわらず、Dが乙建物の所有者であることを主張して乙建物の収去を請求することができる。

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物権的請求権の相手方 最三小判平成6年2月8日

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概要
①土地所有権に基づく物上請求権を行使して建物収去・土地明渡しを請求するには、現実に建物を所有することによってその土地を占拠し、土地所有権を侵害している者を相手方とすべきである。
②他人の土地上の建物を取得し、自らの意思に基づいてその所有権取得の登記を経由した者は、たといその建物を他に譲渡したとしても、引き続き当該登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできない。
判例
事案:①土地所有権に基づく物権的請求権を行使する場合において、当該請求の相手方として誰を選択するべきかが問題となった。
 ②他人の土地上の建物を取得し、自らの意思に基づいてその所有権取得の登記を経由した者が、当該建物を他に譲渡したものの、引き続き当該登記名義を保有しているという場合において、土地所有者に対し、建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることができるかが問題となった。

判旨:①「土地所有権に基づく物上請求権を行使して建物収去・土地明渡しを請求するには、現実に建物を所有することによってその土地を占拠し、土地所有権を侵害している者を相手方とすべきである。したがって、未登記建物の所有者が未登記のままこれを第三者に譲渡した場合には、これにより確定的に所有権を失うことになるから、その後、その意思に基づかずに譲渡人名義に所有権取得の登記がされても、右譲渡人は、土地所有者による建物収去・土地明渡しの請求につき、建物の所有権の喪失により土地を占有していないことを主張することができるものというべきであり(最高裁昭和31年(オ)第119号同35年6月17日第二小法廷判決・民集14巻8号1396頁参照)、また、建物の所有名義人が実際には建物を所有したことがなく、単に自己名義の所有権取得の登記を有するにすぎない場合も、土地所有者に対し、建物収去・土地明渡しの義務を負わないものというべきである(最高裁昭和44年(オ)第1215号同47年12月7日第一小法廷判決・民集26巻10号1829頁参照)。」
 ②「もっとも、他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとい建物を他に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、右譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないものと解するのが相当である。けだし、建物は土地を離れては存立し得ず、建物の所有は必然的に土地の占有を伴うものであるから、土地所有者としては、地上建物の所有権の帰属につき重大な利害関係を有するのであって、土地所有者が建物譲渡人に対して所有権に基づき建物収去・土地明渡しを請求する場合の両者の関係は、土地所有者が地上建物の譲渡による所有権の喪失を否定してその帰属を争う点で、あたかも建物についての物権変動における対抗関係にも似た関係というべく、建物所有者は、自らの意思に基づいて自己所有の登記を経由し、これを保有する以上、右土地所有者との関係においては、建物所有権の喪失を主張できないというべきであるからである。もし、これを、登記に関わりなく建物の「実質的所有者」をもって建物収去・土地明渡しの義務者を決すべきものとするならば、土地所有者は、その探求の困難を強いられることになり、また、相手方において、たやすく建物の所有権の移転を主張して明渡しの義務を免れることが可能になるという不合理を生ずるおそれがある。他方、建物所有者が真実その所有権を他に譲渡したのであれば、その旨の登記を行うことは通常はさほど困難なこととはいえず、不動産取引に関する社会の慣行にも合致するから、登記を自己名義にしておきながら自らの所有権の喪失を主張し、その建物の収去義務を否定することは、信義にもとり、公平の見地に照らして許されないものといわなければならない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H18 司法 第10問 4)
建物を所有することによって土地を不法占有している者がいる場合、土地の所有者は建物の所有者を相手に訴えを起こさなければならず、建物の登記名義人がだれかは被告を選ぶ基準とはならない。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「土地所有権に基づく物上請求権を行使して建物収去・土地明渡しを請求するには、現実に建物を所有することによってその土地を占拠し、土地所有権を侵害している者を相手方とすべきである。」と判示している。したがって、建物を所有することによって土地を不法占有している者がいる場合、土地の所有者は建物の所有者を相手に訴えを起こすことができる。
しかし、同判例は、「他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとい建物を他に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、右譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、建物の登記名義人を相手方として訴えを起こすことができる場合もあるといえる。よって、土地の所有者は建物の所有者を相手に訴えを起こさなければならないわけではなく、建物の登記名義人がだれかは被告を選ぶ基準となり得る場合があるといえる。


全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第7問 2)
Aは、占有権原なく土地上に建物を建築して自己名義で所有権保存登記をした後、これをBに売り渡したが、所有権移転登記がされる前に、土地所有者であるCから建物収去土地明渡の請求を受けた。その場合において、Aは、Bに所有権移転登記をしていない以上は、その請求を拒むことができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとい建物を他に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、右譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、占有権原なく土地上に建物を建築して自己名義で所有権保存登記をしたAは、これをBに売り渡しているとしても、Bに所有権移転登記をしていない以上は、土地所有者であるCからの建物収去土地明渡の請求を拒むことができない。


全体の正答率 : 100.0%

(H26 予備 第4問 ウ)
Aは、B所有の甲土地上に、勝手に乙建物を建築して所有権保存登記をした上、乙建物をCに売却した。その後、Bが、Aに対し、甲土地の所有権に基づき乙建物の収去を請求した場合、Aは、乙建物についてAからCへの所有権移転登記をする前であっても、乙建物の所有権を失ったことを理由としてBの請求を拒むことができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとい建物を他に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、右譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、B所有の甲土地上に、勝手に乙建物を建築して所有権保存登記をしたAは、乙土地をCに売却しているとしても、乙建物についてAからCへの所有権移転登記をする前は、乙建物の所有権を失ったことを理由としてBの請求を拒むことができない。


全体の正答率 : 100.0%

(H28 共通 第6問 1)
A所有の甲土地上に権原なく乙建物を所有しているBがCに乙建物を売却した場合において、CがBからの乙建物の所有権移転登記を経由していないときは、Aは、Cに対し、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを求めることができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「土地所有権に基づく物上請求権を行使して建物収去・土地明渡しを請求するには、現実に建物を所有することによってその土地を占拠し、土地所有権を侵害している者を相手方とすべきである。」と判示している。Cは、甲土地上に権原なく乙建物を所有しているBから、乙建物を買い受けているから、現実に乙建物を所有することによって甲土地を占拠し、甲土地所有権を侵害している者であるといえる。したがって、Aは、Cに対し、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを求めることができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H28 共通 第6問 2)
A所有の甲土地上に権原なく乙建物を所有しているBがCに乙建物を売却し、CがBからの乙建物の所有権移転登記を経由した後、CがDに乙建物を売却した場合には、DがCからの乙建物の所有権移転登記を経由していないときであっても、Aは、Cに対し、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを求めることができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとい建物を他に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、右譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、BがCに乙建物を売却し、CがBからの乙建物の所有権移転登記を経由した場合には、たとえCがDに乙建物を売却したとしても、Cは、引き続き当該登記名義を保有する限り、乙建物収去・甲土地明渡しの義務を免れることはできない。よって、DがCからの乙建物の所有権移転登記を経由していないときは、Aは、Cに対し、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを求めることができる。


全体の正答率 : 100.0%

(R2 予備 第3問 ア)
Aが所有する甲土地上に、Bが無権原で乙建物を所有している。Bは、自ら乙建物の所有権保存登記をした後、乙建物をCに売却してその所有権を移転した。この場合において、BからCへの乙建物の所有権移転登記がされていないときは、Aは、Bに対し、所有権に基づき乙建物の収去及び甲土地の明渡しを請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「他人の土地上の建物の所有権を取得した者が自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合には、たとい建物を他に譲渡したとしても、引き続き右登記名義を保有する限り、土地所有者に対し、右譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできないものと解するのが相当である。」と判示している。本肢においては、Aが所有する甲土地上に、Bが無権原で乙建物を所有しており、かつ、Bは、自ら乙建物の所有権保存登記をしている。そうすると、たとえ乙建物をCに売却してその所有権を移転したとしても、Bは、引き続き当該登記名義を保有する限り、乙建物収去・甲土地明渡しの義務を免れることはできない。したがって、BからCへの乙建物の所有権移転登記がされていないときは、Aは、Bに対し、所有権に基づき乙建物の収去及び甲土地の明渡しを請求することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(R3 共通 第6問 ウ)
Aは、Bが所有する甲土地上に何の権原もなく乙建物を建築し、その所有権保存登記がされた。その後、Aが乙建物をCに売却して所有権を移転した場合、Cヘの所有権移転登記がされていなくても、Bは、Cに対して所有権に基づき乙建物の収去を請求することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.2.8)は、「土地所有権に基づく物上請求権を行使して建物収去・土地明渡しを請求するには、現実に建物を所有することによってその土地を占拠し、土地所有権を侵害している者を相手方とすべきである。」と判示している。Aは、Bが所有する甲土地上に何の権原もなく乙建物を建築し、その後、乙建物をCに売却して所有権を移転している。そうすると、Cは、現実に乙建物を所有することによって甲土地を占拠し、甲土地所有権を侵害している者であるといえる。したがって、Bは、Cに対して所有権に基づき乙建物の収去を請求することができる。

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隣地所有者に対する妨害排除請求 大判昭和12年11月19日

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概要
所有権に基づく妨害排除請求権を行使するにおいては、相手方に、妨害状態が発生したことについての故意又は過失が存することは必要ない。
判例
事案:所有権に基づく妨害排除請求権を行使する場合において、相手方に、妨害状態が発生したことについての故意又は過失が必要かが問題となった。

判旨:「凡ソ所有権ノ円満ナル状態カ他ヨリ侵害セラレタルトキハ所有権ノ効力トシテ其ノ侵害ノ排除ヲ請求シ得ヘキト共ニ所有権ノ円満ナル状態カ他ヨリ侵害セラルル虞アルニ至リタルトキハ又所有権ノ効力トシテ所有権ノ円満ナル状態ヲ保全スル為現ニ此ノ危険ヲ生セシメツツアル者ニ対シ其ノ危険ノ防止ヲ請求シ得ルモノト解セサルヘカラス然リ而シテ土地ノ所有者ハ法令ノ範囲内ニ於テ完全ニ土地ヲ支配スル権能ヲ有スル者ナレトモ其ノ土地ヲ占有保管スルニ付テハ特別ノ法令ニ基ク事由ナキ限リ隣地所有者ニ侵害又ハ侵害ノ危険ヲ与ヘサル様相当ノ注意ヲ為スヲ必要トスルモノニシテ其ノ所有ニカカル土地ノ現状ニ基キ隣地所有者ノ権利ヲ侵害シ若クハ侵害ノ危険ヲ発生セシメタル場合ニ在リテハ該侵害又ハ危険カ不可抗力ニ基因スル場合若クハ被害者自ラ右侵害ヲ認容スヘキ義務ヲ負フ場合ノ外該侵害又ハ危険カ自己ノ行為ニ基キタルト否トヲ問ハス又自己ニ故意過失ノ有無ヲ問ハス此ノ侵害ヲ除去シ又ハ侵害ノ危険ヲ防止スヘキ義務ヲ負担スルモノト解スルヲ相当トス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H24 共通 第11問 5)
AがBに対して所有権に基づく妨害排除請求権を行使するには、Bに事理を弁識する能力があることは必要でないが、妨害状態が発生したことについてBに故意又は過失があることが必要である。

(正答)

(解説)
判例(大判昭12.11.19)は、所有権に基づく妨害排除請求権を行使するにおいては、相手方に、妨害状態が発生したことについての故意又は過失が存することは必要ない旨判示している。したがって、AがBに対して所有権に基づく妨害排除請求権を行使するには、妨害状態が発生したことについてBに故意又は過失があることは必要ない。


全体の正答率 : 100.0%

(R2 司法 第6問 エ)
Aが、A所有の甲土地に洪水のため流されてきた自動車の所有者であるBに対し、所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車を撤去するよう求めた場合、Bは、所有権侵害について故意過失がないことを主張立証しても、Aの請求を拒むことはできない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭12.11.19)は、所有権に基づく妨害排除請求権を行使するにおいては、相手方に、妨害状態が発生したことについての故意又は過失が存することは必要ない旨判示している。したがって、Bは、所有権侵害について故意過失がないことを主張立証しても、Aの請求を拒むことはできない。

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所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有 大判昭和13年1月28日

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概要
占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる。
判例
事案:占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人に対して、当該土地の所有者が、物権的請求権を行使することができるかが問題となった。

判旨:「賃貸人ハ賃借人ヲシテ賃貸借ノ目的物ノ使用収益ヲ為サシムル為之ヲ賃借人ニ引渡シタル後ニ於テモ之ニ対スル占有ヲ失フモノニアラス蓋目的物ノ引渡ヲ受ケタル賃借人ハ賃貸借ノ目的タル使用収益ヲ為ス為ニ之ヲ所持スルモノ即「自己ノ為ニスル意思ヲ以テ物ヲ所持スル」者ナルト同時ニ賃貸借関係ニ基キ賃貸人ノ為ニ善良ナル管理者ノ注意ヲ用ヒテ目的物ヲ保管シ賃貸借終了ノ場合ニ於テハ之ヲ賃貸人ニ返還スヘキ義務ヲ負ヘル者ナレハ賃借人ノ占有ニカカル賃貸借ノ目的物ハ常ニ賃借人ヲ介シテ賃貸人ノ事実上ノ支配ノ中ニアリ即賃貸人ノ間接占有ノ下ニ有リト云フヘキヲ以テナリ従テ他人ノ物ヲ占有スヘキ権限ナキニ拘ラス之ヲ第三者ニ賃貸シテ引渡ヲ了シ同人ヲシテ使用収益セシメツツアル賃貸人ハ他人ノ物ヲ不法ニ占有スル者即他人ノ所有権ヲ侵害スル者ニ外ナラス物ノ所有者ハ右ノ賃貸人ニ対シ所有権ニ基キ所有権侵害ヲ止ムヘキコトヲ要求スル権能アルコト明白ナリトス(当院昭和4年(オ)第1809号昭和5年5月3日言渡判決参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H21 司法 第7問 1)
所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有は、直接占有でなければならず、間接占有であってはならない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭13.1.28)は、占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる旨判示している。したがって、所有権に基づく返還請求権を行使する相手方の占有は、間接占有であってもよい。


全体の正答率 : 100.0%

(H24 共通 第11問 3)
Aは、B所有の土地に何らの権原なく建物を建て、この建物をCに賃貸した。この場合、建物を占有しているのはCであるから、Bは、Aに対して、建物を収去して土地を明け渡すことを請求することはできない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭13.1.28)は、占有権原なく土地上に建物を建築し、当該建物を賃貸して賃借人に使用収益させている賃貸人は、間接占有者として、他人の土地の所有権を侵害している者に他ならないから、当該土地の所有者は、当該賃貸人に対して、物権的請求権を行使することができる旨判示している。したがって、Aが、B所有の土地に何らの権原なく建物を建て、この建物をCに賃貸した場合においても、Aは、当該建物の間接占有者として、B所有の土地の所有権を侵害している者に他ならず、Bは、Aに対して、建物を収去して土地を明け渡すことを請求することができる。

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登記と囲繞地通行権 最二小判昭和47年4月14日

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概要
袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。
判例
事案:袋地の所有権を取得した者が、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して囲繞地通行権を主張することができるかどうかが問題となった。

判旨:「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないしこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。なんとなれば、民法209条ないし238条は、いずれも、相隣接する不動産相互間の利用の調整を目的とする規定であつて、同法210条において袋地の所有者が囲繞地を通行することができるとされているのも、相隣関係にある所有権共存の1態様として、囲繞地の所有者に一定の範囲の通行受忍義務を課し、袋地の効用を完からしめようとしているためである。このような趣旨に照らすと、袋地の所有者が囲繞地の所有者らに対して囲繞地通行権を主張する場合は、不動産取引の安全保護をはかるための公示制度とは関係がないと解するのが相当であり、したがつて、実体上袋地の所有権を取得した者は、対抗要件を具備することなく、囲繞地所有者らに対し囲繞地通行権を主張しうるものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H21 司法 第10問 4)
判例によれば、袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)を買い受けた者は、所有権移転登記をしなければ、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)の所有者に対し、公道に至るため囲繞地を通行する権利を有することを主張することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H23 司法 第7問 1)
Aは、Bから袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)を購入したが、当該袋地についての所有権移転登記を経ないうちは、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)を所有しているCに対し、公道に至るため、その囲繞地の通行権を主張することができない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、Aは、Bから購入した袋地についての所有権移転登記を経なくても、囲繞地を所有しているCに対し、公道に至るため、その囲繞地の通行権を主張することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H28 司法 第10問 イ)
袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者及び囲繞地につき利用権を有する者に対して、公道に至るため囲繞地を通行する権利を主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないしこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R4 司法 第9問 エ)
袋地(他の土地に囲まれて公道に通じない土地)である甲土地の所有者Aは、公道に至るために囲繞地(袋地を囲んでいる他の土地)であるB所有の乙土地を通行する権利を有している。Aが甲土地をCから買い受けてその所有者となっていた場合には、Aは、その所有権移転登記がなくても、乙土地を通行することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭47.4.14)は、「袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者…に対して、囲繞地通行権を主張することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、Aが甲土地をCから買い受けてその所有者となっていた場合には、Aは、その所有権移転登記がなくても、乙土地を通行することができる。

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囲繞地通行権と承継 最三小判平成2年11月20日

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概要
213条の規定に基づいて生じた囲繞地通行権は、通行の対象となる土地に特定承継が生じた場合にも消滅しない。
判例
事案:213条の規定に基づいて生じた囲繞地通行権が、通行の対象となる土地に特定承継が生じた場合に消滅するかどうかが問題となった。

判旨:「共有物の分割又は土地の一部譲渡によって公路に通じない土地(以下「袋地」と いう。)を生じた場合には、袋地の所有者は、民法213条に基づき、これを囲繞する土地のうち、他の分割者の所有地又は土地の一部の譲渡人若しくは譲受人の所有地(以下、これらの囲繞地を「残余地」という。)についてのみ通行権を有するが、同条の規定する囲繞地通行権は、残余地について特定承継が生じた場合にも消滅するものではなく、袋地所有者は、民法210条に基づき残余地以外の囲繞地を通行しうるものではないと解するのが相当である。けだし、民法209条以下の相隣関係に関する規定は、土地の利用の調整を目的とするものであって、対人的な関係を定めたものではなく、同法213条の規定する囲繞地通行権も、袋地に付着した物権的権利で、残余地自体に課せられた物権的負担と解すべきものであるからである。残余地の所有者がこれを第三者に譲渡することによって囲繞地通行権が消滅すると解するのは、袋地所有者が自己の関知しない偶然の事情によってその法的保護を奪われるという不合理な結果をもたらし、他方、残余地以外の囲繞地を通行しうるものと解するのは、その所有者に不測の不利益が及ぶことになって、妥当でない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H28 司法 第10問 ア)
共有物の分割によって袋地(他人の土地に囲まれて公道に通じない土地)が生じた場合、当該袋地の所有者は、囲繞地(袋地を囲んでいる土地)のうち、他の分割者の所有地についてのみ無償の通行権を有するが、その通行権は、他の分割者の所有地について売買がされた場合には消滅する。

(正答)

(解説)
判例(最判平2.11.20)は、213条の規定に基づいて生じた囲繞地通行権は、通行の対象となる土地に特定承継が生じた場合にも消滅しない旨判示している。したがって、共有物の分割によって袋地が生じた場合、当該袋地の所有者は、213条により、囲繞地のうち、他の分割者の所有地についてのみ無償の通行権を有するところ、その通行権は、他の分割者の所有地について売買がされた場合にも消滅しない。

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土地使用の権原のないまかれた種から生育した苗の所有権の帰属 最三小判昭和31年6月19日

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概要
土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する。
判例
事案:土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権の帰属が問題となった。

判旨:「Aが本件土地に同年5月中播種しよつて同年6月下旬頃には2葉、3葉程度に生育していた甜瓜がAの所有であるがためには播種がAの権原に基くものでなければならない。しかるに、右のように、Aは播種当時から右小麦収穫のための外は本件土地を使用収益する権原を有しなかつたのであるから、Aは本件土地に生育した甜瓜苗について民法242条但書により所有権を保留すべきかぎりでなく、同条本文により右の苗は附合によつて本件土地所有者たるBの所有に帰したものと認めるべきものである(大審院大正10年6月1日判決 大判民録27輯10巻32頁、昭和6年10月30日判決、大判民集10巻982頁参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H22 司法 第9問 ア)
土地を使用する権原のない者が作物の種をまき、これを自ら育てた場合には、生育中の作物の所有権は、種をまいた者に帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.6.19)は、土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する旨判示している。したがって、土地を使用する権原のない者が作物の種をまき、これを自ら育てた場合においても、生育中の作物の所有権は、当該土地の所有者に帰属する。


全体の正答率 : 100.0%

(R1 司法 第8問 ア)
土地の使用収益の権原なく播種された種子が苗に生育した場合、その苗の所有権は、播種した者ではなく、その土地の所有者が取得する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.6.19)は、土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する旨判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 司法 第11問 ウ)
Aがその所有する種子をBの所有する土地に無権原でまいた場合において、種子が生育して苗となったときは、その苗の所有権は、Bに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭31.6.19)は、土地を使用収益する権原のない者によってまかれた種から生育した苗の所有権は、附合(242条本文)により、土地所有者に帰属する旨判示している。したがって、Aがその所有する種子をBの所有する土地に無権原でまいた場合において、種子が生育して苗となったときは、その苗の所有権は、当該土地の所有者であるBに帰属する。

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改築部分と付合 最三小判昭和44年7月25日

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概要
建物の賃借人が承諾を得て2階部分を増築した場合であっても、増築部分が取引上の独立性を有しない場合には、区分所有権は成立しない。
判例
事案:建物の賃借人が承諾を得て2階部分を増築した場合において、区分所有権が成立するかどうかが問題となった。

判旨:「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H19 司法 第7問 2)
建物の増築部分は、既存建物の従物である。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、…その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。したがって、建物の増築部分が、既存の建物の構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有しない場合には、当該増築部分は、既存建物に付合(242条本文)し、一個の物として扱われることとなるため、既存建物から独立した物であるとはいえない。
ここで、従物(87条1項)といえるためには、附属させた物が独立した物でなければならないところ、上記の通り、建物の増築部分は、既存建物から独立した物であるといえない場合があるから、建物の増築部分は、必ずしも既存建物の従物であるとはいえない。


全体の正答率 : 100.0%

(H22 司法 第9問 エ)
建物の賃借人は、賃貸人の承諾を得て建物に増築を行っても、増築部分が取引上の独立性を有しない場合には、当該増築部分の所有権を取得しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。


全体の正答率 : 100.0%

(H30 共通 第11問 エ)
Aが所有する建物を賃借したBがAの同意を得て増築をした場合には、その増築部分について取引上の独立性がなくても、増築部分の所有権は、Bに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。したがって、Aが所有する建物を賃借したBがAの同意を得て増築をした場合において、その増築部分について取引上の独立性がなければ、増築部分の所有権は、BではなくAに帰属する。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 司法 第11問 イ)
Aがその所有する甲建物をBに賃貸した場合において、BがAの承諾を得て甲建物に増築をしたときは、その増築部分に取引上の独立性がなくても、その増築部分の所有権は、Bに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.25)は、建物の賃借人が、賃貸人の承諾を受けて建物の2階部分を増築した事案において、「第3建物は、既存の第2建物の上に増築された2階部分であり、その構造の一部を成すもので、それ自体では取引上の独立性を有せず、建物の区分所有権の対象たる部分にはあたらないといわなければならず、たとえAが第3建物を構築するについて右第2建物の一部の賃貸人Bの承諾を受けたとしても、民法242条但書の適用はないものと解するのが相当であり、その所有権は構築当初から第2建物の所有者Aに属したものといわなければならない。」と判示している。したがって、BがAの承諾を得て甲建物に増築をしたときにおいて、その増築部分に取引上の独立性がなければ、その増築部分の所有権は、Bではなく甲建物の所有者であるAに帰属する。

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付合か加工による所有権の帰属 最一小判昭和54年1月25日

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概要
建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての当該建物の所有権の帰属は、243条の規定によるのではなく、むしろ、246条2項の規定に基づいて決定すべきである。
判例
事案:建物の建築工事請負人が建築途上でいまだ独立宇野不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに対して、第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合において、当該建物所有権の帰属が問題となった。

判旨:「建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての右建物の所有権が何びとに帰属するかは、民法243条の規定によるのではなく、むしろ、同法246条2項の規定に基づいて決定すべきものと解する。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H30 共通 第11問 イ)
AがBに対して、完成した建物の所有権の帰属について特約をせずに、A所有の土地上に建物を建築することを注文したところ、Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した場合(その時点における時価400万円相当)において、Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げ(その時点における時価900万円相当)、かつ、AがCに代金を支払っていないときは、当該建物の所有権は、Cに帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.1.25)は、「建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての右建物の所有権が何びとに帰属するかは、民法243条の規定によるのではなく、むしろ、同法246条2項の規定に基づいて決定すべきものと解する。」と判示している。本肢においても、Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した場合において、Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げているため、当該建物の所有権がBとCのどちらに帰属するかは、246条2項の規定に基づいて決せられる。
ここで、同項は、「前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。」と規定している。本肢においては、Bが自ら材料を提供して建前を建築した段階で工事を中止した時点における時価が400万円相当であるのに対して、Aから残工事を請け負ったCが自ら材料を提供して当該建前を独立の不動産である建物に仕上げた時点における時価は900万円相当であり、Cが供した材料の価格と工作によって生じた価格を加えたものは、500万円相当であるといえる。そうすると、この額はBの材料の価格である400万円相当を超えるため、同項が適用され、当該建物の所有権は、「加工者」であるCに帰属する。


全体の正答率 : 100.0%

(R5 司法 第11問 ア)
甲から建物の建築を請け負った乙が、甲の所有する甲土地上に自ら材料を調達して建築工事を行った場合において、未だ独立の建物とはいえない建前の段階で工事を中断したときは、その建前の所有権は、甲に帰属する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭54.1.25)は、「建物の建築工事請負人が建築途上において未だ独立の不動産に至らない建前を築造したままの状態で放置していたのに、第三者がこれに材料を供して工事を施し、独立の不動産である建物に仕上げた場合においての右建物の所有権が何びとに帰属するかは、民法243条の規定によるのではなく、むしろ、同法246条2項の規定に基づいて決定すべきものと解する。」と判示している。この判例は、未だ独立の不動産に至らない建前を、独立の建物として完成させる行為が、加工(246条1項)に当たるとしているのであるから、未だ独立の不動産に至らない建前も、土地に付合せず、独立して所有権の対象となるという理解に基づいているといえる。そして、請負契約において、作成された目的物の所有権の帰属は、材料の供給者が誰であるかによって決せられると解されている。
したがって、甲から建物の建築を請け負った乙が、甲の所有する甲土地上に自ら材料を調達して建築工事を行った場合において、未だ独立の建物とはいえない建前の段階で工事を中断したときは、その建前の所有権は、乙に帰属する。

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