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総則(不在者の財産の管理及び失踪の宣告 25条~32条) - 解答モード
家庭裁判所が選任した不在者財産管理人の上訴権限が問題となった事案 最二小判昭和47年9月1日
概要
判例
判旨:「家庭裁判所の選任した不在者財産管理人が民法103条所定の権限内の行為をするには、その行為が訴または上訴の提起という訴訟行為であっても、同法28条所定の家庭裁判所の許可を要しないものと解すべきところ、被上告人の提起した本訴建物収去土地明渡等の請求を認容する第1審判決に対し控訴を提起し、その控訴を不適法として却下した第2審判決に対し上告を提起することおよび右訴訟行為をさせるため訴訟代理人を選任することは、いずれも上告人の財産の現状を維持する行為として同法103条1号にいう保存行為に該当するものであるから、本件不在者財産管理人および同人の選任した訴訟代理人は、同法28条所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、本件第1、2審判決に対する上訴を提起する権限を有するものというべきである。」
過去問・解説
(H26 司法 第3問 ウ)
家庭裁判所が選任した不在者の財産の管理人は、不在者を被告とする土地明渡請求訴訟の第1審において不在者が敗訴した場合、家庭裁判所の許可を得ないで控訴をすることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭47.9.1)は、「家庭裁判所の選任した不在者財産管理人が民法103条所定の権限内の行為をするには、その行為が訴または上訴の提起という訴訟行為であっても、同法28条所定の家庭裁判所の許可を要しない」と判示し、さらに「本訴建物収去土地明渡等の請求を認容する第1審判決に対し控訴を提起…することは、いずれも上告人の財産の現状を維持する行為として同法103条1号にいう保存行為に該当するものであるから、本件不在者財産管理人および同人の選任した訴訟代理人は、同法28条所定の家庭裁判所の許可を得ることなしに、本件第1…審判決に対する上訴を提起する権限を有するものというべきである。」と判示している。したがって、家庭裁判所が選任した不在者の財産の管理人は、不在者を被告とする土地明渡請求訴訟の第1審において不在者が敗訴した場合、28条の家庭裁判所の許可を得ないで控訴をすることができる。
失踪宣告後その取消前の契約の効力 大判昭和13年2月7日
概要
判例
判旨:「失踪宣告後其ノ取消前ニ失踪者ノ生存スルコトヲ知ラス即チ善意ヲ以テ為シタル行為ニ限リ其ノ効力ヲ変セサルモノナリト雖右行為カ契約其ノ他多数当事者間ニ於テ為サレタルモノナル場合ニ於テハ行為当事者全員ノ善意ヲ要スルモノト解ス…。」
過去問・解説
(H29 共通 第3問 エ)
Aの生死が7年間明らかでなかったことから、Aについて失踪宣告がされ、Aが死亡したものとみなされた後に、Aの子であるBがA所有の甲土地を遺産分割により取得した。その後、Bは、Cに甲土地を売却したが、その売却後にAの生存が判明し、Aの失踪宣告は取り消された。その売買契約の時点で、Aの生存についてBが善意であっても、Cが悪意であるときは、Cは、甲土地の所有権を取得することができない。
(R3 共通 第1問 ウ)
失踪宣告を受けて死亡したものとみなされたAから甲土地を相続したBが、Cに甲土地を売却した後に、Aの失踪宣告が取り消された。この場合において、CがAの生存につき善意であったときは、Bがこれにつき悪意であったとしても、その取消しは、BC間の売買契約による甲土地の所有権の移転に影響を及ぼさない。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭13.2.7)は、失踪宣告後、その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさないと定めた32条1項後段の適用が認められるためには、当該行為が契約である場合には、契約当事者全員が善意である必要がある旨判示している。したがって、本肢においては、Aの失踪宣告後その取消し前にした甲土地の売買契約の当事者であるB及びCの双方が、Aの生存について善意である場合に限り、32条1項後段が適用される。しかし、BがAの生存について悪意であることから、同項後段が適用されない。
失踪宣告によって甲土地を相続したBは、失踪宣告の取消によって甲土地の所有権を失う(32条2項本文)ため、BC間の売買契約は他人物売買(561条)となり、BがAから甲土地の所有権を取得しない限り、Cが甲土地の所有権を取得することはできない。よって、Aの失踪宣告の取消は、BC間の売買契約による甲土地の所有権の移転に影響を及ぼす。