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共有(共有物の使用・変更・管理 249条~252条の2) - 解答モード
共有者がいる場合の抹消登記手続 最三小判昭和33年7月22日
概要
判例
判旨:「ある不動産の共有権者の1人が、その持分に基き、当該不動産につき登記簿上所有名義者たるものに対して、その登記の抹消を求めることは、妨害排除の請求に外ならず、いわゆる保存行為に属するものというべきであるから、民法における組合財産の性質を前記の如く解するにおいては、その持分権者の1人は単独で右不動産に対する所有権移転登記の全部の抹消を求めることができる筈である。(昭和29年(オ)4号同31年5月10日第1小法廷判決参照。この判決は共同相続財産に関するものであるが、民法における組合財産の性質が前記のとおりであるとするならば、その理は組合財産についても同様と解される。)」
共有者の損害賠償請求権の範囲 最三小判昭和51年9月7日
概要
判例
判旨:「共有にかかる土地が不法に占有されたことを理由として、共有者の全員又はその一部の者から右不法占有者に対してその損害賠償を求める場合には、右共有者は、それぞれその共有持分の割合に応じて請求をすべきものであり、その割合を超えて請求をすることは許されないものといわなければならない。」
過去問・解説
(H27 予備 第5問 1)
AとBは甲土地を各2分の1の割合で共有している。Aは、甲土地の不法占拠者に対し単独で不法行為に基づく損害賠償を請求することができるが、Aの請求することができる損害賠償の額は、Aの持分割合に相当する額に限られる。
(R4 共通 第10問 ア)
A、B及びCは甲土地を各3分の1の割合で共有している。甲土地がDによって不法に占有されている場合には、Aは、Dに対し、甲土地の不法占有によりA、B及びCが被った損害の全部の賠償を請求することができる。
樹木全部の伐採と共有物の変更 大判昭和2年6月6日
概要
判例
判旨:「物ノ共有者ハ各其ノ持分ニ応シ目的物ノ使用収益ヲ為スコトヲ得レトモ他ノ共有者ノ同意アルニ非レハ之ニ変更ヲ加フルコトヲ得サルト同時ニ共有ノ目的物カ山林ナル場合ニ於テ其ノ林木ヲ原判示ノ如キ程度ニ伐採スルカ如キハ啻ニ山林ヲ需用ニ供シ若クハ其ノ果実ヲ収得スルニ止ラス山林其ノモノヲ毀損スルモノナレハ是レ即チ共有物ニ変更ヲ加フルモノニ外ナラスシテ其ノ使用若クハ収益ヲ以テ目スヘキモノニアラサルカ故ニ設令被告人ニシテ本件山林ノ共有者ナリトスルモ他ノ共有者ノ同意ナキ限原判示ノ如キ伐採ヲ為スノ権利ヲ有セサルコト勿論ナリトス。」
過去問・解説
(H20 司法 第11問 2)
A、B及びCは各3分の1の持分で甲土地を共有している。甲土地が山林である場合、AとBが合意すれば、開発のために甲土地上の樹木全部を伐採することができる。
共有持分権に基づく物権的請求権 最三小判平成10年3月24日
概要
判例
判旨:「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができるだけでなく、共有物を原状に復することが不能であるなどの特段の事情がある場合を除き、右行為により生じた結果を除去して共有物を原状に復させることを求めることもできると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H24 共通 第11問 4)
畑として使用されてきた土地をA、B及びCが持分3分の1ずつで共有していたところ、第三者が、Aの承諾を得て、その土地を造成して宅地にしようとした。この場合、Cは、単独で、その第三者に対し、共有持分権に基づく物権的請求権の行使として、土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平10.3.24)は、「共有者の一部が他の共有者の同意を得ることなく共有物を物理的に損傷しあるいはこれを改変するなど共有物に変更を加える行為をしている場合には、他の共有者は、各自の共有持分権に基づいて、右行為の全部の禁止を求めることができる」と判示しており、この判例の理解は、共有者ではない第三者が、共有者の一部からのみの同意に基づいて、共有物に変更を加える行為をしている場合にも妥当すると解されている。
本肢においては、第三者は、Aの承諾を得るのみで、他の共有者B及びCの承諾を得ずに、共有物である土地に変更を加えようとしているのであるから、Cは、単独で、その第三者に対し、共有持分権に基づく物権的請求権の行使として、土地全体について造成行為の禁止を求めることができる。
(H27 司法 第9問 イ)
Aが3分の1、Bが3分の2の持分で甲土地を共有している。Aに無断でBが甲土地を農地から宅地にする造成工事を行い、甲土地の形状を変更している場合、Aは、Bに対し、その工事の差止めを求めることができる。
(R4 共通 第10問 イ)
A、B及びCが甲土地を各3分の1の割合で共有している。AがB及びCの同意を得ずに農地である甲土地の宅地造成工事を完了した場合には、原状回復ができるときであっても、Bは、甲土地の原状回復を請求することができない。
共有者がいる場合の土地全部の明渡し請求 大判大正7年4月19日
概要
判例
判旨:「被上告人ハ本訴ニ於テ本件土地ノ共有者ノ1人トシテ上告人ニ対シ其不法占有ニ因ル妨害ヲ排除シ之カ明渡ヲ請求スルモノニシテ共有地ノ所有権確認ノ訴ヲ起シタルニアラス斯ル請求ハ各共有者単独ニテ之ヲ為スコトヲ得ル。」
過去問・解説
共有者がいる場合における建物収去土地明渡の成否 大判大正10年7月18日
概要
判例
判旨:「然レトモ共有権ニ妨害ヲ加ウル者アル場合ニ於テハ各共有者ハ之カ排除ヲ求ムルコトヲ得ヘク共有者全員ヨリ之ヲ求ムルコトヲ要セサルモノトス蓋シ其妨害ノ排除ヲ求ムルハ保存行為ニ属スレハナリ。」
過去問・解説
(H18 司法 第26問 3)
ABが共有する土地について、その土地上に建物を所有して土地の占有を侵害するCに対し建物収去土地明渡を求める訴えを提起する場合、Aは、単独で当該訴えを提起することができる。
共同相続人と使用貸借の解除 最二小判昭和29年3月12日
概要
判例
判旨:「亡AとB間の本件家屋の貸借は使用貸借であると認定し、そしてAの死亡による共同相続人が為す右使用貸借の解除は、民法252条本文の管理行為に該当し、したがつて共有者(共同相続人)の過半数決を要する…。」
過去問・解説
(H18 司法 第26問 4)
ABが持分各2分の1の割合で共有している建物を目的とする使用貸借契約について、Aは、単独でこれを解除することはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭29.3.12)は、被相続人が、生前、その所有する財産について他人との間で使用貸借契約を締結していた場合において、被相続人死亡後、共同相続人が当該使用貸借契約を解除する行為は、252条1項本文の管理行為に当たり、その可否は共同相続人の持分の価格に従い、過半数で決せられる旨判示している。この判例の理解に基づけば、共有物についての使用貸借契約を解除するには、共有者の持分の価格に従い、過半数で決することが必要となる。
したがって、ABが持分各2分の1の割合で共有している建物を目的とする使用貸借契約について、Aは、単独では過半数の持分を有しないため、単独でこれを解除することはできない。
共有者がいる場合の抹消登記手続 最一小判昭和31年5月10日
概要
判例
判旨:「ある不動産の共有権者の1人がその持分に基づき当該不動産につき登記簿上所有名義者たるものに対してその登記の抹消を求めることは、妨害排除の請求に外ならずいわゆる保存行為に属するものというべく、従つて、共同相続人の1人が単独で本件不動産に対する所有権移転登記の全部の抹消を求めうる…。」
過去問・解説
(H25 共通 第12問 エ)
ABが共有する土地につき、Cが無権限で自己への所有権移転登記をした場合、Aは、単独で、Cに対し、抹消登記手続を請求することができる。
(R1 共通 第10問 イ)
A、B及びCは各3分の1の割合で甲建物を共有している。DがA、B及びCに無断でD名義の所有権移転登記をした場合、Aは、B及びCの同意を得ることなく単独で、Dに対してその所有権移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
共有者がいる場合の賃貸借契約の解除 最三小判昭和39年2月25日
概要
判例
判旨:「共有者が共有物を目的とする貸借契約を解除することは民法252条にいう「共有物ノ管理ニ関スル事項」に該当し、右貸借契約の解除については民法544条1項の規定の適用が排除される…。」
過去問・解説
(H20 司法 第11問 3)
A、B及びCは各3分の1の持分で甲土地を共有している。A、B及びCが共同して甲土地を第三者に賃貸している場合、第三者がその賃料の支払を怠ったときの賃貸借契約の解除は、AとBとですることができる。
(H22 司法 第10問 ア)
共有者全員が賃貸人となり共有物を目的とする賃貸借契約が締結された場合、その賃貸借契約を解除するには、共有者全員が解除権を行使しなければならない。
(H25 共通 第12問 ウ)
共有物について賃貸借契約を締結することは、過半数の持分を有する共有者によって可能であるが、賃貸借契約の解除は、共有者全員によってされる必要がある。
共有物の持分の価格が半数をこえる者が共有物を単独で占有する他の共有者に対して共有物の明渡請求をすることができるか 最一小判昭和41年5月19日
概要
判例
判旨:「共同相続に基づく共有者の1人であつて、その持分の価格が共有物の価格の過半数に満たない者(以下単に少数持分権者という)は、他の共有者の協議を経ないで当然に共有物(本件建物)を単独で占有する権原を有するものでないことは、原判決の説示するとおりであるが、他方、他のすべての相続人らがその共有持分を合計すると、その価格が共有物の価格の過半数をこえるからといつて(以下このような共有持分権者を多数持分権者という)、共有物を現に占有する前記少数持分権者に対し、当然にその明渡を請求することができるものではない。けだし、このような場合、右の少数持分権者は自己の持分によつて、共有物を使用収益する権原を有し、これに基づいて共有物を占有するものと認められるからである。従つて、この場合、多数持分権者が少数持分権者に対して共有物の明渡を求めることができるためには、その明渡を求める理由を主張し立証しなければならないのである。」
過去問・解説
(H19 司法 第34問 3)
遺産である不動産を単独で占有する相続人に対して、他の相続人は、自己の持分の価額が過半数であることを理由に、その明渡しを請求することができる。
(H20 司法 第11問 5)
A、B及びCは各3分の1の持分で甲土地を共有している。Aが単独で甲土地全部を占有している場合でも、B及びCは、その共有持分が過半数を超えることを理由としては、Aに対して甲土地の明渡しを請求することはできない。
(H27 司法 第9問 オ)
Aが3分の1、Bが3分の2の持分で甲土地を共有している。AがBに無断で甲土地全体を単独で占有している場合であっても、Bは、自分の共有持分が過半数を超えることを理由として、Aに対し、甲土地全体の明渡しを求めることはできない。
(H29 共通 第10問 ア)
A、B及びCの3名が各3分の1の割合による持分を有する建物がある。Aが単独でその建物を占有している場合、Bは、Aに対し、その建物の明渡しを請求することができる。
共有者との協議を経ないで第三者に共有物を貸した場合における当該共有物の引渡請求 最二小判昭和63年5月20日
概要
判例
判旨:「共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかつた共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかつた共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 予備 第4問 オ)
共有物の共有者の1人が他の共有者との協議を経ないで第三者に共有物を貸した場合、第三者によるその占有を承認しなかった他の共有者は、当該共有物を占有している第三者に対し、当然には当該共有物の引渡しを求めることができない。
(H25 共通 第12問 オ)
ABが各2分の1の持分で甲土地を共有している場合に、Bは、AB間の協議に基づかずにAの承認を受けて甲土地を占有するCに対し、単独で、甲土地の明渡しを求めることはできない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭63.5.20)は、「共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかつた共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかつた共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、Bは、AB間の協議に基づかずにAの承認を受けて甲土地を占有するCに対し、単独で、甲土地の明渡しを求めることはできない。
(H27 司法 第9問 エ)
Aが3分の1、Bが3分の2の持分で甲土地を共有している。甲土地の利用方法についてAとBが協議したが意見が一致せず、Aに無断でBがCと甲土地の賃貸借契約を締結し、Cが甲土地を占有している場合、Aは、Cに対し、甲土地全体の明渡しを求めることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭63.5.20)は、「共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかつた共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかつた共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、Aに無断でBがCと甲土地の賃貸借契約を締結し、Cが甲土地を占有している場合においても、Aは、Cに対し、当然には甲土地全体の明渡しを求めることができない。
(R1 共通 第10問 エ)
A、B及びCが各3分の1の割合で甲建物を共有している。AがB及びCに無断で甲建物をEに引き渡し、無償で使用させている場合、Bは、Cの同意を得ることなく単独で、Eに対して甲建物の明渡しを請求することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭63.5.20)は、「共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかつた共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかつた共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。」と判示している。したがって、AがB及びCに無断で甲建物をEに引き渡し、無償で使用させている場合においても、Bは、Eに対して甲建物の明渡しを請求することができない。
共有者がいる場合における持分権移転登記 最二小判平成15年7月11日
概要
判例
判旨:「不動産の共有者の1人は、その持分権に基づき、共有不動産に対して加えられた妨害を排除することができるところ、不実の持分移転登記がされている場合には、その登記によって共有不動産に対する妨害状態が生じているということができるから、共有不動産について全く実体上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる(最高裁昭和29年(オ)第4号同31年5月10日第一小法廷判決・民集10巻5号487頁、最高裁昭和31年(オ)第103号同33年7月22日第三小法廷判決・民集12巻12号1805頁。なお,最高裁昭和56年(オ)第817号同59年4月24日第三小法廷判決・裁判集民事141号603頁は本件とは事案を異にする。)。」
過去問・解説
(H20 司法 第11問 4)
A、B及びCは各3分の1の持分で甲土地を共有している。Aは、Cの持分について第三者への不実の持分移転登記がされている場合には、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
(H29 共通 第10問 ウ)
A、B及びCの3名が共同相続し、その遺産分割の前に、法定相続分に応じた持分の割合により相続登記がされた土地につき、CからDに不実の持分権移転登記がされた場合、Aは、Dに対し、当該持分権移転登記の抹消登記手続を求めることができる。