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民法 抵当権の抹消登記の第三者対抗力 最二小判昭和42年9月1日 - 解答モード
概要
抵当権者から委任をうけた者の過誤による申請によって抵当権設定登記が抹消された場合には、当該抵当権の第三者対抗力は消滅する。
判例
事案:抵当権者から委任を受けた者が、過誤によって抵当権設定登記を抹消してしまった場合において、当該抵当権の第三者対抗力が消滅するかが問題となった。
判旨:「登記が初めから全然ない場合と、一旦正当にされた登記がのちに抹消された場合とでは、第三者対抗力の点において区別して考うべきである(大正12年7月7日大審院判決・民集2巻448頁参照)。しかし、本件においては、登記権利者である被上告人が委任した司法書士の錯誤による申請によつて登記が抹消されたのであつて、登記官吏の過誤によつて抹消された場合や、登記権利者以外の者が擅にした申請によつて抹消された場合と同一に論じるのは相当ではない。けだし、後者の二つの場合には登記権利者に関係なく不法に抹消されたのであるが、本件においては、登記権利者がみずから委任した司法書士の申請によつて抹消されたのであるから、他の二つの場合と同視することはできないからである。そして、本件のごとく登記権利者の代理人の申請によつて登記が抹消された場合には、たとえ代理人に錯誤があつたとしても、取引の安全保護のために、第三者対抗力を喪失すると解すべきである(昭和15年6月29日大審院判決・民集19巻1118頁参照)。」
判旨:「登記が初めから全然ない場合と、一旦正当にされた登記がのちに抹消された場合とでは、第三者対抗力の点において区別して考うべきである(大正12年7月7日大審院判決・民集2巻448頁参照)。しかし、本件においては、登記権利者である被上告人が委任した司法書士の錯誤による申請によつて登記が抹消されたのであつて、登記官吏の過誤によつて抹消された場合や、登記権利者以外の者が擅にした申請によつて抹消された場合と同一に論じるのは相当ではない。けだし、後者の二つの場合には登記権利者に関係なく不法に抹消されたのであるが、本件においては、登記権利者がみずから委任した司法書士の申請によつて抹消されたのであるから、他の二つの場合と同視することはできないからである。そして、本件のごとく登記権利者の代理人の申請によつて登記が抹消された場合には、たとえ代理人に錯誤があつたとしても、取引の安全保護のために、第三者対抗力を喪失すると解すべきである(昭和15年6月29日大審院判決・民集19巻1118頁参照)。」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%
(H29 司法 第7問 イ)
A所有の甲土地及び乙土地に抵当権を有するBは、甲土地の抵当権設定の登記の抹消をするつもりで、誤って乙土地の抵当権設定の登記の抹消を申請し、その旨の登記がされた。判例の趣旨に照らすと、この場合でも、Bは、乙土地の抵当権設定の登記の抹消後に上記事情を知らずに乙土地に抵当権の設定を受けたCに対し、Bの抵当権が優先することを主張することができる。