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民法 贈与と遺贈が競合した場合 最三小判昭和46年11月16日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「思うに、被相続人が、生前、その所有にかかる不動産を推定相続人の一人に贈与したが、その登記未了の間に、他の推定相続人に右不動産の特定遺贈をし、その後相続の開始があつた場合、右贈与および遺贈による物権変動の優劣は、対抗要件たる登記の具備の有無をもつて決すると解するのが相当であり、この場合、受贈者および受遺者が、相続人として、被相続人の権利義務を包括的に承継し、受贈者が遺贈の履行義務を、受遺者が贈与契約上の履行義務を承継することがあつても、このことは右の理を左右するに足りない。」
過去問・解説
(H25 予備 第5問 イ)
被相続人Aが、子BCのうち、Bに対してはA所有の不動産を贈与し、Cに対してはこれを遺贈する旨の遺言をし、その後に相続が開始した場合、Bは、Cに対し、登記をしなければ贈与による所有権の取得を対抗することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.11.16)は、「被相続人が、生前、その所有にかかる不動産を推定相続人の一人に贈与したが、その登記未了の間に、他の推定相続人に右不動産の特定遺贈をし、その後相続の開始があつた場合、右贈与および遺贈による物権変動の優劣は、対抗要件たる登記の具備の有無をもつて決すると解するのが相当であり、この場合、受贈者および受遺者が、相続人として、被相続人の権利義務を包括的に承継し、受贈者が遺贈の履行義務を、受遺者が贈与契約上の履行義務を承継することがあつても、このことは右の理を左右するに足りない。」と判示している。したがって、被相続人Aから、同人の生前に同人所有の不動産の贈与を受けたBと、同不動産を遺贈する旨の遺言をされたCとの優劣は、対抗要件たる登記の具備をもって決することとなる。よって、Bは、Cに対し、登記をしなければ贈与による所有権の取得を対抗することができない。
(R2 司法 第33問 エ)
Aが所有する甲不動産をBに生前贈与したが、所有権移転登記未了のうちにCに遺贈する旨の遺言をし、Aの死亡後にAからCへの遺贈を原因とする所有権移転登記がされた場合、CがAの相続人であっても、Bは、Cに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.11.16)は、「被相続人が、生前、その所有にかかる不動産を推定相続人の一人に贈与したが、その登記未了の間に、他の推定相続人に右不動産の特定遺贈をし、その後相続の開始があつた場合、右贈与および遺贈による物権変動の優劣は、対抗要件たる登記の具備の有無をもつて決すると解するのが相当であり、この場合、受贈者および受遺者が、相続人として、被相続人の権利義務を包括的に承継し、受贈者が遺贈の履行義務を、受遺者が贈与契約上の履行義務を承継することがあつても、このことは右の理を左右するに足りない。」と判示している。この判例の理解は、被相続人が生前その所有にかかる不動産を贈与した相手が、推定相続人ではない第三者であった場合にも妥当すると解される。そうすると、甲不動産をAの生前に贈与されたBと、甲不動産を遺贈する旨の遺言をされたCとの優劣は、対抗関係たる登記の具備をもって決することとなる。したがって、Aの死亡後にAからCへの遺贈を原因とする所有権移転登記がされた場合、CがAの相続人であっても、Bは、Cに対し、甲不動産の所有権の取得を対抗することができない。