現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

民法 再度の取得時効の完成と第三者 最二小判平成24年3月16日 - 解答モード

概要
不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、当該不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し、その期間の経過後に取得時効を授用したときは、当該占有者が当該抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、当該占有者が、当該不動産を時効取得する結果、当該抵当権は消滅する。
判例
事案:不動産所有権の取得時効完成後に、当該不動産に抵当権が設定され、その旨の登記がなされた場合において、再度取得時効のために必要な期間が経過し、取得時効を援用したときは、当該抵当権が消滅するかが問題となった。

判旨:「不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者は、上記不動産を時効取得し、その結果、上記抵当権は消滅すると解するのが相当である。その理由は、以下のとおりである。
 ア 取得時効の完成後、所有権移転登記がされないうちに、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了したならば、占有者がその後にいかに長期間占有を継続しても抵当権の負担のない所有権を取得することができないと解することは、長期間にわたる継続的な占有を占有の態様に応じて保護すべきものとする時効制度の趣旨に鑑みれば、是認し難いというべきである。
 イ 不動産の取得時効の完成後所有権移転登記を了する前に、第三者に上記不動産が譲渡され、その旨の登記がされた場合において、占有者が、上記登記後に、なお引き続き時効取得に要する期間占有を継続したときは、占有者は、上記第三者に対し、登記なくして時効取得を対抗し得るものと解されるところ(最高裁昭和34年(オ)第779号同36年7月20日第1小法廷判決・民集15巻7号1903頁)、不動産の取得時効の完成後所有権移転登記を了する前に、第三者が上記不動産につき抵当権の設定を受け、その登記がされた場合には、占有者は、自らが時効取得した不動産につき抵当権による制限を受け、これが実行されると自らの所有権の取得自体を買受人に対抗することができない地位に立たされるのであって、上記登記がされた時から占有者と抵当権者との間に上記のような権利の対立関係が生ずるものと解され、かかる事態は、上記不動産が第三者に譲渡され、その旨の登記がされた場合に比肩するということができる。また、上記判例によれば、取得時効の完成後に所有権を得た第三者は、占有者が引き続き占有を継続した場合に、所有権を失うことがあり、それと比べて、取得時効の完成後に抵当権の設定を受けた第三者が上記の場合に保護されることとなるのは、不均衡である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H30 司法 第10問 オ)
BがA所有のA名義の甲土地を占有し、取得時効が完成した後、CがAから甲土地について抵当権の設定を受けて抵当権設定登記がされた場合において、Bがその抵当権の設定の事実を知らずにその後引き続き時効取得に必要な期間甲土地を占有し、その期間経過後に取得時効を援用したときは、Bは、Cに対し、抵当権の消滅を主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平24.3.16)は、本肢と同種の事案において、「不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者は、上記不動産を時効取得し、その結果、上記抵当権は消滅すると解するのが相当である。」と判示している。したがって、Bは、Cに対し、抵当権の消滅を主張することができる。


全体の正答率 : 50.0%

(R3 共通 第13問 エ)
AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後、所有権移転登記がされることのないまま、甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間、甲土地の占有を継続し、その期間の経過後に取得時効を援用した場合は、AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても、Cの抵当権は消滅する。

(正答)

(解説)
判例(最判平24.3.16)は、「不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者は、上記不動産を時効取得し、その結果、上記抵当権は消滅すると解するのが相当である。」と判示している。本肢においては、AがCの抵当権の存在を容認していたという事情が存するところ、当該事情は、同判例にいう「占有者が…抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情」に当たる。したがって、Aが、土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた後引き続き時効取得に必要とされる期間、甲土地の占有を継続し、その期間の経過後に取得時効を援用した場合においても、Cの抵当権は消滅しない。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例