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短答判例

被担保債権である現存の債権および条件付債権を現存の貸金債権としてなされた抵当権設定登記の効力 最二小判昭和33年5月9日

概要
将来発生する可能性のある条件付債権を被担保債権とする抵当権の設定は有効である。また、実際の被担保債権と登記上の被担保債権の表示とが一致していなくても、当事者がその設定した抵当権を登記する意思で登記手続した場合には、表示の不一致のみを理由に当該登記が当然に無効になるものではない。
判例
事案:現存する債権及び将来発生する可能性のある条件付債権を被担保債権として抵当権が設定されたにもかかわらず、現存の貸金債権を被担保債権とするように抵当権設定登記がされた場合に、①将来発生する可能性のある債権を被担保債権とする抵当権の設定が有効であるか、②抵当権設定者が被担保債権の実体と登記上の表示との不一致を理由として抵当権設定登記の抹消を請求することができるかが問題となった。  
  
判旨:①「当事者間の合意によつて、…将来発生の可能性のある条件付債権を担保するため抵当権を設定することも、有効と解すべきであ…る。」  
 ②「事実と登記の間に不一致が存する」場合について、「かかる場合でも当事者が真実その設定した抵当権を登記する意思で登記手続を終えた以上、この登記を以て当然に無効のものと解すべきものではなく、抵当権設定者は抵当権者に対し該登記が事実に吻合しないことを理由として、その抹消を請求することはできないものと云わねばならない。」
過去問・解説
全体の正答率 : 60.7%

(H19 司法 第15問 ア)
将来発生するかどうか不確実な債権について根抵当権でない抵当権の設定登記がなされた場合、抵当権設定者は、被担保債権の不存在を理由として、抵当権者に対して、抵当権設定登記の抹消を求めることができる。

(正答)✕

(解説)
判例(最判昭33.5.9)は、将来発生する可能性のある条件付債権を被担保債権として、抵当権を設定することも許される旨判示している。したがって、将来発生するかどうか不確実な債権について根抵当権でない抵当権の設定登記がなされた場合においても、当該抵当権は有効であるから、抵当権設定者は、被担保債権の不存在を理由として、抵当権者に対して、抵当権設定登記の抹消を求めることができない。


全体の正答率 : 74.1%

(H26 共通 第14問 ア)
保証人の求償権は、主たる債務者が弁済しないときに保証人が弁済することによって生じる将来の債権であるから、保証人の求償権を被担保債権として抵当権を設定することはできない。

(正答)✕

(解説)
判例(最判昭33.5.9)は、将来発生する可能性のある条件付債権を被担保債権として、抵当権を設定することも許される旨判示している。したがって、保証人の求償権を被担保債権として抵当権を設定することもできる。


全体の正答率 : 93.7%

(R1 共通 第14問 オ)
後日発生すべき貸付金債権を担保するために抵当権を設定する契約がされ、その旨の登記がされた後にその貸付金債権が生じた場合、抵当権はその債権を有効に担保する。

(正答)〇

(解説)
判例(最判昭33.5.9)は、将来発生する可能性のある条件付債権を被担保債権として、抵当権を設定することも許される旨判示している。したがって、後日発生すべき貸付金債権を担保するために抵当権を設定する契約がされ、その旨の登記がされた場合、当該抵当権は有効であるから、その後にその貸付金債権が生じた場合、抵当権はその債権を有効に担保する。


全体の正答率 : 50%

(R8 共通 第15問 ア)
現存の債権及び将来発生する可能性のある条件付債権を、現存の貸金債権であるように表示して抵当権設定登記をした場合であっても、当事者が真実その設定した抵当権を登記する意思で登記手続をしたときは、その抵当権の設定は有効である。 

(正答)〇

(解説)
判例(最判昭33.5.9)は、将来発生する可能性のある条件付債権を被担保債権として、抵当権を設定することも許される旨判示している。また、同判例は、被担保債権の大部分が将来成立すべき条件付債権であるのに、現存の貸金債権であるように表示して抵当権設定登記をした場合について、「かかる場合でも当事者が真実その設定した抵当権を登記する意思で登記手続を終えた以上、この登記を以て当然に無効のものと解すべきものではなく」と判示している。

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