現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

民法 同時履行の抗弁権と履行の提供の継続及び引換給付判決 大判明治44年12月11日 - 解答モード

概要
①双務契約の一方当事者が1度履行の提供をしたにすぎないときには、当該一方当事者が再度履行の提供をしなければ、相手方は同時履行の抗弁権を主張することができる。
②双務契約の一方当事者が債務の履行を請求した場合において、相手方当事者の同時履行の抗弁が認められるときには、裁判所は、引換給付判決をするべきである。
判例
事案:①双務契約の一方当事者が一度履行の提供をした場合において、その後も相手方が同時履行の抗弁権を主張することができるかが問題となった。
 ②双務契約の一方当事者が債務の履行を請求した場合において、相手方当事者の同時履行の抗弁が認められるときには、裁判所が引換給付判決をするべきであるかが問題となった。

判旨:①「法律カ双務契約当事者ノ一方ニ同時履行ノ抗弁権ヲ付与シタル所以ハ当事者双方ニ公平ナル結果ヲ得セシメントスル趣旨ニシテ若シ此抗弁権ヲ与ヘサラン乎一方ハ相手方ノ請求ニ応シ完全ノ履行ヲ為ササルヘカラサルニ拘ハラス相手方ハ無資力等ノ為メ遂ニ其債務ノ履行ヲ為ササルカ如キ場合ヲ生シ頗ル不公平ニ陥ルコトアルヘキカ故ニ此不公平ヲ除去セントノ趣旨ニ外ナラス果シテ然ラハ契約当事者ノ一方ハ相手方ノ債務履行ナキ間ハ仮令相手方カ過去ニ於テ一度履行ノ提供ヲ為シタルコトアル場合ニ於テモ尚右ノ抗弁権ニ依リ自己ノ債務ノ履行ヲ拒絶シ得ヘキモノト為ササルヘカラス何トナレハ若シ過去ニ於テ一度債務ノ履行ノ提供アリタルトキハ其提供ノ効果トシテ債権者ヲシテ永久ニ同時履行ノ抗弁権ヲ喪失セシムルモノトセハ例ヘハ其相手方カ提供後ニ至リ其債務ヲ履行スル資力ヲ失ヒタル場合ノ如キハ其無資力者ノ相手方ハ独リ其債務ヲ履行セサルヘカラサルニ拘ハラス無資力者ハ遂ニ其債務ヲ履行セサルカ如キ場合ヲ生シ公平ヲ維持スル能ハサルニ至レハナリ加之債務ノ履行ノ提供ナルモノハ債務者カ自己ノ負担シタル範囲ノ行為ヲ完了スルヲ以テ債権者ノ受領シ得ヘキヤ否ヤヲ問フノ要ナキヲ以テ債権者カ天災其他ノ不可抗力ニ因リ弁済ヲ受クル能ハサル場合ニ於テモ尚債務ノ履行ノ提供ハ完全ニ行ハルルモノナリ而シテ債務履行ノ提供ハ効果トシテ其相手方ノ前記抗弁権ヲ喪失セシムルモノトセハ此場合ニ於テモ尚ホ債権者ハ同時履行ノ抗弁権ヲ喪失スルモノナリト論結セサルヘカラサルモ斯ノ如キハ頗ル不公平ニ陥ルモノニシテ全ク民法第533条ノ精神ニ違背スルモノト為ササルヲ得ス要スルニ一旦履行ノ提供ヲ為シタル者ト雖モ其後ニ至リ相手方ニ対シ其相手方ノ債務ノ履行ヲ強要スルニ当リ其相手方カ同時履行ノ抗弁ヲ提出シタルトキハ直チニ自己ノ債務ノ履行ヲ提供スルカ又ハ自己ノ債務ノ履行ト交換的ニ相手方ノ債務ノ履行ヲ求ムル趣旨ニ一定ノ申立ヲ更正スルカ何レカ其一ヲ為スニアラサルヨリハ其請求ハ到底排斥ヲ免レサルモノナリ…。」
 ②「同時履行ノ抗弁提出セラレタルトキハ起訴者ハ自己ノ債務ノ履行ト引換ニ非サレハ相手方ノ債務ノ履行ヲ求ムルコトヲ得サル筋合ナルカ故ニ単純ニ相手方ノ債務ノ履行ヲ目的トスル其請求ノ全部ハ之ヲ認容スルコトヲ得スト雖モ自己ノ債務ノ履行ト引換ニ相手方ヲシテ其債務ノ履行ヲ為サシムルコトハ其請求中ニ包含セラルルモノト認メ得ヘキヲ以テ裁判所ハ此ノ如キ場合ニ於テハ起訴者ノ請求ヲ全部排斥スルコトナク双方債務ノ履行ヲ引換ニテ相手方ニ其履行ヲ命スル所ノ裁判ヲ為スヲ至当トス。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100.0%

(H19 司法 第22問 オ)
Aは、Bに対し甲動産を売却したが、Bが代金を支払わないので、Aは、その支払を求めて訴えを提起した。Bによる同時履行の抗弁の主張が認められる場合、Bは、Aに対し、Aから甲動産の引渡しを受けるのと引換えに代金を支払うべき旨が、判決主文に記載されなければならない。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.12.11)は、双務契約の一方当事者が債務の履行を請求した場合において、相手方当事者の同時履行の抗弁が認められるときには、裁判所は、引換給付判決をするべきである旨判示している。したがって、Bによる同時履行の抗弁の主張が認められる場合、Bは、Aに対し、Aから甲動産の引渡しを受けるのと引換えに代金を支払うべき旨が、判決主文に記載されなければならない。


全体の正答率 : 100.0%

(H20 司法 第10問 オ)
甲土地を所有するAが甲土地を占有するBに対し所有権に基づき甲土地の明渡しを請求する訴訟において、甲土地の造成工事をしたBは、この工事に基づく請負代金債権の弁済がない事実を主張立証すれば、請求棄却の判決を得ることができる。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.12.11)は、双務契約の一方当事者が1度履行の提供をしたにすぎないときには、当該一方当事者が再度履行の提供をしなければ、相手方は同時履行の抗弁権を主張することができる旨判示している。本肢においては、甲土地を所有するAが甲土地を占有するBに対し所有権に基づき甲土地の明渡しを請求する訴訟において、甲土地の造成工事をしたBは、この工事に基づく請負代金債権の弁済がない事実を主張立証すると、同時履行の抗弁権の成立が認められることとなる。そうすると、引換給付判決がなされることとなり、請求棄却判決を得ることはできない。


全体の正答率 : 100.0%

(H26 司法 第16問 エ)
売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが、買主がその受領を拒んだ場合には、その1週間後に売主が買主に対してワインの代金の支払を求めてきたときであっても、買主は、ワインの引渡しとの同時履行の抗弁を主張することができない。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.12.11)は、双務契約の一方当事者が1度履行の提供をしたにすぎないときには、当該一方当事者が再度履行の提供をしなければ、相手方は同時履行の抗弁権を主張することができる旨判示している。したがって、売主が債務の本旨に従って買主の住所にワインを持参したが、買主がその受領を拒んだ場合であっても、その1週間後に売主が買主に対してワインの代金の支払を求めてきたとき、買主は、ワインの引渡しとの同時履行の抗弁を主張することができる。


全体の正答率 : 100.0%

(H27 予備 第11問 エ)
AがA所有の宝石を代金100万円でBに売却した際、その宝石の代金債務と宝石の引渡債務の履行期を同一とすることがAB間で合意された。AがBに対して宝石代金の支払を求める訴えを提起した場合、Bの同時履行の抗弁が認められるときは、Aの請求は全部棄却される。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.12.11)は、双務契約の一方当事者が債務の履行を請求した場合において、相手方当事者の同時履行の抗弁が認められるときには、裁判所は、引換給付判決をするべきである旨判示している。したがって、AがBに対して宝石代金の支払を求める訴えを提起した場合において、Bの同時履行の抗弁が認められるときは、Aの請求は全部棄却されず、引換給付判決がなされる。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例