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民法 借地上の建物に譲渡担保権が設定されている場合における土地賃貸借契約の解除 最一小判平成9年7月17日 - 解答モード

概要
借地上の建物につき借地人から譲渡担保権の設定を受けた者が、建物の引渡しを受けて使用又は収益をする場合には、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、譲渡担保権設定者による受戻権の行使が可能であるとしても、借地について612条1項にいう賃借権の譲渡又は転貸がされたものと解するのが相当であり、他に信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情がない限り同条2項により賃貸借契約の解除ができる。
判例
事案:借地上の建物につき借地人から譲渡担保権の設定を受けた者が、建物の引渡しを受けて使用又は収益をする場合において、借地の貸主が借地の賃貸借契約を612条2項に基づいて解除することができるか問題となった。

判旨:「地上建物につき譲渡担保権が設定された場合であっても、譲渡担保権者が建物の引渡しを受けて使用又は収益をするときは、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、譲渡担保権設定者による受戻権の行使が可能であるとしても、建物の敷地について民法612条にいう賃借権の譲渡又は転貸がされたものと解するのが相当であり、他に賃貸人に対する信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情のない限り、賃貸人は同条2項により土地賃貸借契約を解除することができるものというべきである。けだし、(1)民法612条は、賃貸借契約における当事者間の信頼関係を重視して、賃借人が第三者に賃借物の使用又は収益をさせるためには賃貸人の承諾を要するものとしているのであって、賃借人が賃借物を無断で第三者に現実に使用又は収益させることが、正に契約当事者間の信頼関係を破壊する行為となるものと解するのが相当であり、(2)譲渡担保権設定者が従前どおり建物を使用している場合には、賃借物たる敷地の現実の使用方法、占有状態に変更はないから、当事者間の信頼関係が破壊されるということはできないが、(3)譲渡担保権者が建物の使用収益をする場合には、敷地の使用主体が替わることによって、その使用方法、占有状態に変更を来し、当事者間の信頼関係が破壊されるものといわざるを得ないからである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 50.0%

(H21 司法 第16問 オ)
Aは、その所有する不動産を目的として、Aの債権者であるBのために譲渡担保権を設定し、所有権移転登記をした。目的不動産が、Aが第三者から賃借する土地上の建物であり、Bが当該建物の引渡しを受けて現実に使用収益をする場合であっても、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、Aによる受戻権の行使が可能な状態にあれば、敷地について賃借権の譲渡又は転貸は生じていないから、土地賃貸人は、賃借権の無断譲渡又は無断転貸を理由として土地賃貸借契約の解除をすることができない。

(正答)

(解説)
判例(最判平9.7.17)は、本肢と同種の事案において、「地上建物につき譲渡担保権が設定された場合であっても、譲渡担保権者が建物の引渡しを受けて使用又は収益をするときは、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、譲渡担保権設定者による受戻権の行使が可能であるとしても、建物の敷地について民法612条にいう賃借権の譲渡又は転貸がされたものと解するのが相当であり、他に賃貸人に対する信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情のない限り、賃貸人は同条2項により土地賃貸借契約を解除することができるものというべきである。」と判示している。したがって、Aの債権者であるBのために設定された譲渡担保権の目的不動産が、Aが第三者から賃借する土地上の建物であり、Bが当該建物の引渡しを受けて現実に使用収益をする場合は、いまだ譲渡担保権が実行されておらず、Aによる受戻権の行使が可能な状態にあるとしても、敷地について賃借権の譲渡又は転貸が生じているといえるから、他に賃貸人に対する信頼関係を破壊すると認めるに足りない特段の事情のない限り、土地賃貸人は、賃借権の無断譲渡又は無断転貸を理由として土地賃貸借契約の解除をすることができる。

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