現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
民法 連帯債務者1人による全額弁済と弁済者代位 大判昭和11年8月7日
概要
連帯債務者の1人が弁済をしたときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対して有する求償権の範囲内で、弁済による代位により取得した連帯債務に係る債権を行使することができる。
判例
事案:連帯債務者のうちの1人が、他の連帯債務者に先立って債務全額を弁済した事案において、他の連帯債務者に対する求償権の範囲が問題となった。
判旨:「連帯債務者ノ一人カ弁済ヲ為シタルトキハ他ノ債務者ニ対シ其ノ負担部分ニ付求償権ヲ有シ其ノ求償権ノ範囲内ニ於テ債権者ニ代位シ従テ此ノ範囲内ニ於テ債権者カ他ノ債務者ニ対シ有シタル債権及担保権ハ弁済ニ因リ消滅スルコトナク当該債務者ニ移転スルモノトス這ハ民法第四百四十二条第五百条第五百一条ノ規定ニ依リ明ナリ而シテ連帯債務者ノ一人ト債権者トノ間ニ混同アリタルトキハ其ノ債務者ハ弁済ヲ為シタルモノト看做ステフ同法第四百三十八条ハ何事ヲ意味スルヤト云フニ他無シ抑モ債権者ヨリ当該債務者ニ対スル債権ノ消滅スル原因ハ取リモ直サス混同以上ニモ以下ニモアラサルコトハ此ノ場合ニ限リ之ヲ明定スルノ要ナシ同法第五百二十条ノ原則ニ譲レハ足ル而モ特ニ『弁済ヲ為シタルモノト看做ス』ト云フ所以ノモノ畢竟債権者ト他ノ連帯債務者間ノ関係並連帯債務者相互間ノ関係ニ於テハ則チ之ヲ弁済ノ場合ト同一視セムトスル法意ニ非スシテ何ンソヤ何者債権者ト当該債務者トノ関係ニ於テハ消滅ハ即消滅ナリ已ニ混同ニ因リテ消滅シタルモノヲ更ニ弁済ニ因リテ消滅スト云フカ如キハ殆ント無意味ノ甚シキモノナレハナリ是故ニ混同ノ場合ニ在リテハ当該債務者ニ於テ弁済ヲ為シタル場合ト一般債権者ノ債権ハ他ノ連帯債務者トノ関係ニ於テモ亦消滅スルト共ニ当該債務者ノ求償権ノ範囲内ニ於テ他ノ債務者ニ対スル債権者ノ債権及担保権ハ当該債務者即債権者ニ移転ス詳言スレハ移転スルモノト看做サル是自明ノ理ナリ」
判旨:「連帯債務者ノ一人カ弁済ヲ為シタルトキハ他ノ債務者ニ対シ其ノ負担部分ニ付求償権ヲ有シ其ノ求償権ノ範囲内ニ於テ債権者ニ代位シ従テ此ノ範囲内ニ於テ債権者カ他ノ債務者ニ対シ有シタル債権及担保権ハ弁済ニ因リ消滅スルコトナク当該債務者ニ移転スルモノトス這ハ民法第四百四十二条第五百条第五百一条ノ規定ニ依リ明ナリ而シテ連帯債務者ノ一人ト債権者トノ間ニ混同アリタルトキハ其ノ債務者ハ弁済ヲ為シタルモノト看做ステフ同法第四百三十八条ハ何事ヲ意味スルヤト云フニ他無シ抑モ債権者ヨリ当該債務者ニ対スル債権ノ消滅スル原因ハ取リモ直サス混同以上ニモ以下ニモアラサルコトハ此ノ場合ニ限リ之ヲ明定スルノ要ナシ同法第五百二十条ノ原則ニ譲レハ足ル而モ特ニ『弁済ヲ為シタルモノト看做ス』ト云フ所以ノモノ畢竟債権者ト他ノ連帯債務者間ノ関係並連帯債務者相互間ノ関係ニ於テハ則チ之ヲ弁済ノ場合ト同一視セムトスル法意ニ非スシテ何ンソヤ何者債権者ト当該債務者トノ関係ニ於テハ消滅ハ即消滅ナリ已ニ混同ニ因リテ消滅シタルモノヲ更ニ弁済ニ因リテ消滅スト云フカ如キハ殆ント無意味ノ甚シキモノナレハナリ是故ニ混同ノ場合ニ在リテハ当該債務者ニ於テ弁済ヲ為シタル場合ト一般債権者ノ債権ハ他ノ連帯債務者トノ関係ニ於テモ亦消滅スルト共ニ当該債務者ノ求償権ノ範囲内ニ於テ他ノ債務者ニ対スル債権者ノ債権及担保権ハ当該債務者即債権者ニ移転ス詳言スレハ移転スルモノト看做サル是自明ノ理ナリ」
過去問・解説
(R7 司法 第22問 ウ)
連帯債務者の1人が弁済をしたときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対して有する求償権の範囲内で、弁済による代位により取得した連帯債務に係る債権を行使することができる。
連帯債務者の1人が弁済をしたときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対して有する求償権の範囲内で、弁済による代位により取得した連帯債務に係る債権を行使することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(大判昭11.8.7)は、連帯債務者の1人が弁済をしたときは、他の債務者に対し、その負担部分について求償権を有し、その求償権の範囲内において債権者に代位することができるため、債権者が他の債務者に対して有している債権及び担保権は弁済により消滅せず、弁済をした連帯債務者に移転する旨判示している。
したがって、連帯債務者の1人が弁済をしたときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対して有する求償権の範囲内で、弁済による代位により取得した連帯債務に係る債権を行使することができる。
判例(大判昭11.8.7)は、連帯債務者の1人が弁済をしたときは、他の債務者に対し、その負担部分について求償権を有し、その求償権の範囲内において債権者に代位することができるため、債権者が他の債務者に対して有している債権及び担保権は弁済により消滅せず、弁済をした連帯債務者に移転する旨判示している。
したがって、連帯債務者の1人が弁済をしたときは、その連帯債務者は、他の連帯債務者に対して有する求償権の範囲内で、弁済による代位により取得した連帯債務に係る債権を行使することができる。