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民法 保証人・物上保証人の両資格を兼ねる者と弁済による代位の割合 最一小判昭和61年11月27日
概要
複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合とする。
判例
事案:複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合を算定するにあたって、二重の資格を持つものを1人として扱うか、2人として扱うかが問題となった。
判旨:「民法501条但書4号、5号の規定は、保証人又は物上保証人が複数存在する場合における弁済による代位に関し、右代位者相互間の利害を公平かつ合理的に調整するについて、代位者の通常の意思ないし期待によって代位の割合を決定するとの原則に基づき、代位の割合の決定基準として、担保物の価格に応じた割合と頭数による平等の割合を定めているが、右規定は、物上保証人相互間、保証人相互間、そして保証人及び物上保証人が存在する場合における保証人全員と物上保証人全員との間の代位の割合は定めているものの、代位者の中に保証人及び物上保証人の二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合の決定基準については直接定めていない。したがつて、右の場合における代位の割合の決定基準については、二重の資格をもつ者を含む代位者の通常の意思ないし期待なるものを捉えることができるのであれば、右規定の原則に基づき、その意思ないし期待に適合する決定基準を求めるべきであるが、それができないときは、右規定の基本的な趣旨・目的である公平の理念にたち返って、代位者の頭数による平等の割合をもつて決定基準とするほかはないものといわざるをえない。しかして、右の場合に、二重の資格をもつ者は他の代位者との関係では保証人の資格と物上保証人の資格による負担を独立して負う、すなわち、二重の資格をもつ者は代位者の頭数のうえでは2人である、として代位の割合を決定すべきであると考えるのが代位者の通常の意思ないし期待でないことは、取引の通念に照らして明らかであり、また、仮に二重の資格をもつ者を頭数のうえであくまで1人と扱い、かつ、その者の担保物の価格を精確に反映させて代位の割合を決定すべきであると考えるのが代位者の通常の意思ないし期待であるとしても、右の2つの要請を同時に満足させる簡明にしてかつ実効性ある基準を見い出すこともできない。そうすると、複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、民法501条但書4号、5号の基本的な趣旨・目的である公平の理念に基づいて、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合であると解するのが相当である。」
判旨:「民法501条但書4号、5号の規定は、保証人又は物上保証人が複数存在する場合における弁済による代位に関し、右代位者相互間の利害を公平かつ合理的に調整するについて、代位者の通常の意思ないし期待によって代位の割合を決定するとの原則に基づき、代位の割合の決定基準として、担保物の価格に応じた割合と頭数による平等の割合を定めているが、右規定は、物上保証人相互間、保証人相互間、そして保証人及び物上保証人が存在する場合における保証人全員と物上保証人全員との間の代位の割合は定めているものの、代位者の中に保証人及び物上保証人の二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合の決定基準については直接定めていない。したがつて、右の場合における代位の割合の決定基準については、二重の資格をもつ者を含む代位者の通常の意思ないし期待なるものを捉えることができるのであれば、右規定の原則に基づき、その意思ないし期待に適合する決定基準を求めるべきであるが、それができないときは、右規定の基本的な趣旨・目的である公平の理念にたち返って、代位者の頭数による平等の割合をもつて決定基準とするほかはないものといわざるをえない。しかして、右の場合に、二重の資格をもつ者は他の代位者との関係では保証人の資格と物上保証人の資格による負担を独立して負う、すなわち、二重の資格をもつ者は代位者の頭数のうえでは2人である、として代位の割合を決定すべきであると考えるのが代位者の通常の意思ないし期待でないことは、取引の通念に照らして明らかであり、また、仮に二重の資格をもつ者を頭数のうえであくまで1人と扱い、かつ、その者の担保物の価格を精確に反映させて代位の割合を決定すべきであると考えるのが代位者の通常の意思ないし期待であるとしても、右の2つの要請を同時に満足させる簡明にしてかつ実効性ある基準を見い出すこともできない。そうすると、複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、民法501条但書4号、5号の基本的な趣旨・目的である公平の理念に基づいて、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合であると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 司法 第22問 イ)
900万円の主たる債務について2人の連帯保証人がおり、そのうちの1人が物上保証人を兼ねている場合、連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると、この者が代位する債権額は600万円である。
900万円の主たる債務について2人の連帯保証人がおり、そのうちの1人が物上保証人を兼ねている場合、連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると、この者が代位する債権額は600万円である。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭61.11.27)は、「複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、501条但書4号、5号の基本的な趣旨・目的である公平の理念に基づいて、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合であると解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における501条3項4号の解釈においても同様に解されている。そして、同号本文は、「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。」と規定している。
本肢においては、900万円の主たる債務について2人の連帯保証人がおり、そのうちの1人が物上保証人を兼ねている場合、保証人と物上保証人を兼ねている者も、1人として扱われることとなるから、保証人と物上保証人の数は、2人ということになる。そうすると、連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると、全員の頭数に応じた平等の割合で代位の割合が決せられるから、この者が代位する債権額は、2分の1の範囲に当たる450万円であるといえる。
判例(最判昭61.11.27)は、「複数の保証人及び物上保証人の中に二重の資格をもつ者が含まれる場合における代位の割合は、501条但書4号、5号の基本的な趣旨・目的である公平の理念に基づいて、二重の資格をもつ者も1人と扱い、全員の頭数に応じた平等の割合であると解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における501条3項4号の解釈においても同様に解されている。そして、同号本文は、「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。」と規定している。
本肢においては、900万円の主たる債務について2人の連帯保証人がおり、そのうちの1人が物上保証人を兼ねている場合、保証人と物上保証人を兼ねている者も、1人として扱われることとなるから、保証人と物上保証人の数は、2人ということになる。そうすると、連帯保証債務のみを負担している者が全額弁済をすると、全員の頭数に応じた平等の割合で代位の割合が決せられるから、この者が代位する債権額は、2分の1の範囲に当たる450万円であるといえる。