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民法 売買契約解除の前提としての催告が信義則に反し無効とされた事例 最一小判昭和43年5月30日
概要
売買契約が行われ、目的物である土地の引渡しがなされた後に、売主が、買主不知の間に、当該土地に第三者のため根抵当権及び地上権の設定登記をした場合において、売主が残代金の支払を催告し、その不払を理由に土地の売買契約を解除したときは、当該催告は信義則に反し無効となり、解除は認められない。
判例
事案:売買契約が行われ、目的物である土地の引渡しがなされた後に、売主が、買主不知の間に、当該土地に第三者のため根抵当権及び地上権の設定登記をした場合において、売主が残代金の支払を催告した上で、その不払を理由にした同売買契約の解除が有効であるかが問題となった。
判旨:「被上告人Aらの被相続人Bは売買により本件土地等の所有権を取得し、その引渡をも受けたものである旨、および右のような状況にある土地につき、B不知の間に、上告人CはDのため根抵当権および地上権の設定登記をし、その後に本件売買の残代金の催告をしたものである旨の原審の認定は、挙示の証拠により是認できる。かかる事実関係の下においては、契約当事者は信義則に従い、相手方が契約所期の目的を達するよう努める義務があるものであるから、本件土地が右のような状態にある場合においては、Bが上告人Cの催告に応じて残代金を支払っても、右根抵当権および地上権が設定されているため、将来所有権を失う等不則の損害を蒙るおそれがあるので、本件契約解除の前提たる前記催告は、信義則に反する無効のものというべきである…。」
判旨:「被上告人Aらの被相続人Bは売買により本件土地等の所有権を取得し、その引渡をも受けたものである旨、および右のような状況にある土地につき、B不知の間に、上告人CはDのため根抵当権および地上権の設定登記をし、その後に本件売買の残代金の催告をしたものである旨の原審の認定は、挙示の証拠により是認できる。かかる事実関係の下においては、契約当事者は信義則に従い、相手方が契約所期の目的を達するよう努める義務があるものであるから、本件土地が右のような状態にある場合においては、Bが上告人Cの催告に応じて残代金を支払っても、右根抵当権および地上権が設定されているため、将来所有権を失う等不則の損害を蒙るおそれがあるので、本件契約解除の前提たる前記催告は、信義則に反する無効のものというべきである…。」
過去問・解説
(H25 司法 第1問 1)
土地の売買契約により、買主が所有権を取得し、その引渡しを受けた後に、売主がその土地に第三者のため地上権の設定登記をした場合には、売主が買主に対して残代金の支払を催告し、その不払を理由に売買契約を解除する旨の意思表示は公序良俗に違反するから、解除の効力は生じない。
土地の売買契約により、買主が所有権を取得し、その引渡しを受けた後に、売主がその土地に第三者のため地上権の設定登記をした場合には、売主が買主に対して残代金の支払を催告し、その不払を理由に売買契約を解除する旨の意思表示は公序良俗に違反するから、解除の効力は生じない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭43.5.30)は、本肢と同種の事案において、買主が売買契約によって土地の所有権を取得し、その引渡を受けた後に、売主が、買主不知の間に、当該土地に第三者のため根抵当権及び地上権の設定登記をした場合に、売主が残代金の支払を催告し、その不払を理由に土地の売買契約を解除したときは、当該催告は信義則に反し無効であり、解除は認められない旨判示している。このように、同判例は、公序良俗(90条)違反ではなく、信義則を根拠として催告を無効とし、解除は認められないとしている。
判例(最判昭43.5.30)は、本肢と同種の事案において、買主が売買契約によって土地の所有権を取得し、その引渡を受けた後に、売主が、買主不知の間に、当該土地に第三者のため根抵当権及び地上権の設定登記をした場合に、売主が残代金の支払を催告し、その不払を理由に土地の売買契約を解除したときは、当該催告は信義則に反し無効であり、解除は認められない旨判示している。このように、同判例は、公序良俗(90条)違反ではなく、信義則を根拠として催告を無効とし、解除は認められないとしている。