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民法 相続放棄と177条における「第三者」 最二小判昭和42年1月20日
概要
相続人は、相続の放棄をした場合には相続開始時に遡って相続開始がなかったと同じ地位に立ち、当該相続放棄の効力は、登記等の有無を問わず、何人に対してもその効力を生ずる。
判例
事案:共同相続人の一人が相続放棄をしたものの、相続不動産につき当該相続放棄をした者も含めて共同相続をした旨の登記がなされ、当該登記を前提として、当該相続放棄をした者の持分について仮差押えをした旨の登記がされた場合において、当該相続不動産を遺産分割により単独で相続した者が、当該仮差押えをした者に対して当該相続不動産の所有権を対抗するためには、登記を備えることが必要かが問題となった。
判旨:「民法939条1項(昭和37年法律第40号による改正前のもの)「放棄は、相続開始の時にさかのぼつてその効果を生ずる。」の規定は、相続放棄者に対する関係では、右改正後の現行規定「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初から相続人とならなかつたものとみなす。」と同趣旨と解すべきであり、民法が承認、放棄をなすべき期間(同法915条)を定めたのは、相続人に権利義務を無条件に承継することを強制しないこととして、相続人の利益を保護しようとしたものであり、同条所定期間内に家庭裁判所に放棄の申述をすると(同法938条)、相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」
判旨:「民法939条1項(昭和37年法律第40号による改正前のもの)「放棄は、相続開始の時にさかのぼつてその効果を生ずる。」の規定は、相続放棄者に対する関係では、右改正後の現行規定「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初から相続人とならなかつたものとみなす。」と同趣旨と解すべきであり、民法が承認、放棄をなすべき期間(同法915条)を定めたのは、相続人に権利義務を無条件に承継することを強制しないこととして、相続人の利益を保護しようとしたものであり、同条所定期間内に家庭裁判所に放棄の申述をすると(同法938条)、相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」
過去問・解説
(H21 司法 第11問 オ)
Aは被相続人Bの相続について相続放棄をしたが、相続財産である未登記の甲不動産について、Aの債権者Cが代位によって法定相続分に従って所有権保存登記をした上、Aの持分に対する仮差押えをし、その旨の登記がされた。この場合、Aによる相続放棄は、Cに対して効力を生じない。
Aは被相続人Bの相続について相続放棄をしたが、相続財産である未登記の甲不動産について、Aの債権者Cが代位によって法定相続分に従って所有権保存登記をした上、Aの持分に対する仮差押えをし、その旨の登記がされた。この場合、Aによる相続放棄は、Cに対して効力を生じない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭42.1.20)は、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Aによる相続放棄は、Cに対しても効力を生ずる。
判例(最判昭42.1.20)は、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Aによる相続放棄は、Cに対しても効力を生ずる。
(H25 司法 第10問 ウ)
甲土地を含む財産をABCが共同で相続し、その後Aのみが相続を放棄した場合、BCがBCのみの共有持分登記をする前に、Aの債権者DがAも共同相続したものとして代位によりAの共有持分登記をした上、Aの持分を差し押さえたときは、BCは、Dに対し、甲土地がBCのみの共有であることを主張することができない。
甲土地を含む財産をABCが共同で相続し、その後Aのみが相続を放棄した場合、BCがBCのみの共有持分登記をする前に、Aの債権者DがAも共同相続したものとして代位によりAの共有持分登記をした上、Aの持分を差し押さえたときは、BCは、Dに対し、甲土地がBCのみの共有であることを主張することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭42.1.20)は、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Aがした相続放棄は、登記なくしてAの持分を差し押さえたAの債権者Dに対しても効力を生ずる。よって、BCは、Dに対し、甲土地がBCのみの共有であることを主張することができる。
判例(最判昭42.1.20)は、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Aがした相続放棄は、登記なくしてAの持分を差し押さえたAの債権者Dに対しても効力を生ずる。よって、BCは、Dに対し、甲土地がBCのみの共有であることを主張することができる。
(H25 予備 第5問 ア)
被相続人Aの法定相続人としてBCがいる場合において、Bが相続放棄した後に、Bの債権者Dが、相続財産である未登記建物につきBも共同相続したものとして代位による所有権保存登記をした上、その建物のBの持分について差押えをしたときは、Cは、Dに対し、登記をしなくても相続による当該建物の取得を対抗することができる。
被相続人Aの法定相続人としてBCがいる場合において、Bが相続放棄した後に、Bの債権者Dが、相続財産である未登記建物につきBも共同相続したものとして代位による所有権保存登記をした上、その建物のBの持分について差押えをしたときは、Cは、Dに対し、登記をしなくても相続による当該建物の取得を対抗することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭42.1.20)は、本肢と同種の事案において、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Bの相続放棄は、相続財産である未登記建物につきBも共同相続したものとして代位による所有権保存登記をした上、その建物のBの持分について差押えをした債権者Dに対しても、登記なくして効力を生ずる。よって、Dのした差押えは無効となり、Cは、Dに対し、登記をしなくても相続による当該建物の取得を対抗することができる。
判例(最判昭42.1.20)は、本肢と同種の事案において、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Bの相続放棄は、相続財産である未登記建物につきBも共同相続したものとして代位による所有権保存登記をした上、その建物のBの持分について差押えをした債権者Dに対しても、登記なくして効力を生ずる。よって、Dのした差押えは無効となり、Cは、Dに対し、登記をしなくても相続による当該建物の取得を対抗することができる。
(H28 司法 第8問 ア)
甲土地を所有するAには、その妻Bとの間に子C及びDがいる。この場合において、Aが死亡したとする。Cが相続放棄をした後に、甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で、甲土地の4分の1の持分をEに売却し、CからEへの持分移転登記を経由した場合、Eは、B及びDに対し、甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。
甲土地を所有するAには、その妻Bとの間に子C及びDがいる。この場合において、Aが死亡したとする。Cが相続放棄をした後に、甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で、甲土地の4分の1の持分をEに売却し、CからEへの持分移転登記を経由した場合、Eは、B及びDに対し、甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭42.1.20)は、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。Cは相続放棄をしているから、Cから法定相続分に応じた持分に当たる甲土地の4分の1をEに売却し、CからEへの持分移転登記を経由したとしても、Eは当該持分を取得することはできず、甲土地について全くの無権利者である。したがって、Eは、B及びDに対し、甲土地について4分の1の持分を主張することができない。
判例(最判昭42.1.20)は、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。Cは相続放棄をしているから、Cから法定相続分に応じた持分に当たる甲土地の4分の1をEに売却し、CからEへの持分移転登記を経由したとしても、Eは当該持分を取得することはできず、甲土地について全くの無権利者である。したがって、Eは、B及びDに対し、甲土地について4分の1の持分を主張することができない。
(R1 司法 第6問 ウ)
甲土地を所有するAが遺言をしないで死亡し、2人の子BCのうちBが相続放棄をしてCが唯一の相続人となった場合において、Bの債権者Dが甲土地についてBも共同相続したものとしてBのその持分を差し押さえ、その旨の登記がされたときは、Cは、Dに対し、登記をしなくても単独相続による甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
甲土地を所有するAが遺言をしないで死亡し、2人の子BCのうちBが相続放棄をしてCが唯一の相続人となった場合において、Bの債権者Dが甲土地についてBも共同相続したものとしてBのその持分を差し押さえ、その旨の登記がされたときは、Cは、Dに対し、登記をしなくても単独相続による甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭42.1.20)は、本肢と同種の事案において、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Bの相続放棄は、相続財産である甲土地についてBも共同相続した者としてBのその持分を差し押さえ、その旨の登記をしたBの債権者Dに対しても、登記なくして効力を生ずる。よって、Dのした当該差押え及びそれに基づく登記は無効となり、Cは、Dに対し、登記をしなくても単独相続による甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
判例(最判昭42.1.20)は、本肢と同種の事案において、「相続人は相続開始時に遡ぼつて相続開始がなかつたと同じ地位におかれることとなり、この効力は絶対的で、何人に対しても、登記等なくしてその効力を生ずると解すべきである。」と判示している。したがって、Bの相続放棄は、相続財産である甲土地についてBも共同相続した者としてBのその持分を差し押さえ、その旨の登記をしたBの債権者Dに対しても、登記なくして効力を生ずる。よって、Dのした当該差押え及びそれに基づく登記は無効となり、Cは、Dに対し、登記をしなくても単独相続による甲土地の所有権の取得を対抗することができる。