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民法 動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使 最三小決平成10年12月18日
概要
動産売買の先取特権者は、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対しては、原則として物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし、請負代金債権の全部又は一部を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、物上代位権を行使することができる。
判例
事案:動産売買の先取特権者が、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対して物上代位権を行使することができるかが問題となった。
判旨:「動産の買主がこれを用いて請負工事を行ったことによって取得する請負代金債権は、仕事の完成のために用いられた材料や労力等に対する対価をすべて包含するものであるから、当然にはその一部が右動産の転売による代金債権に相当するものということはできない。したがって、請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」
判旨:「動産の買主がこれを用いて請負工事を行ったことによって取得する請負代金債権は、仕事の完成のために用いられた材料や労力等に対する対価をすべて包含するものであるから、当然にはその一部が右動産の転売による代金債権に相当するものということはできない。したがって、請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 司法 第14問 3)
動産売買の先取特権者は、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対しては、原則として物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし、請負代金債権の全部又は一部を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、物上代位権を行使することができる。
動産売買の先取特権者は、買主が目的動産を用いて施工した請負工事の請負代金債権に対しては、原則として物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価値の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らし、請負代金債権の全部又は一部を動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、物上代位権を行使することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。
(R6 司法 第13問 ア)
動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然に動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然に動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然には動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができない。
判例(最決平10.12.18)は、「請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができると解するのが相当である。」と判示している。したがって、動産の売主Aは、買主Bがこれを用いて請負工事をしたときは、Bの注文者に対する報酬債権に対し、当然には動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができない。