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民法 一番抵当権設定当時は土地と建物の所有者が異なっていたが、二番抵当権が設定された当時は双方の所有者が同一となった場合における法定地上権 最二小判平成2年1月22日

概要
土地について一番抵当権が設定された当時土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合には、土地と地上建物を同一人が所有するに至った後に後順位抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競落されたことにより一番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しない。
判例
事案:土地を目的とする一番抵当権設定当時は土地と地上建物の所有者が異なっていたが、後順位抵当権設定当時は同一人の所有に帰していた場合に、法定地上権が成立するかが問題となった。

判旨:「土地について一番抵当権が設定された当時土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合には、土地と地上建物を同一人が所有するに至った後に後順位抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競落されたことにより一番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しないものと解するのが相当である。けだし、民法388条は、同一人の所有に属する土地及びその地上建物のいずれか又は双方に 設定された抵当権が実行され、土地と建物の所有者を異にするに至った場合、土地について建物のための用益権がないことにより建物の維持存続が不可能となることによる社会経済上の損失を防止するため、地上建物のために地上権が設定されたものとみなすことにより地上建物の存続を図ろうとするものであるが、土地について 一番抵当権が設定された当時土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていない場合には、一番抵当権者は、法定地上権の負担のないものとして、土地の担保価値を把握するのであるから、後に土地と地上建物が同一人に帰属し、後順位抵当権が設定されたことによって法定地上権が成立するものとすると、一番抵当権者が把握した担保価値を損なわせることになるからである。」
過去問・解説
(R4 司法 第15問 ウ)
A所有の甲土地を賃借してその土地上にBが乙建物を所有していたところ、Aが甲土地に第1順位の抵当権を設定した後、甲土地をBに譲渡し、次いでBが甲土地に第2順位の抵当権を設定した。その後、第2順位の抵当権が実行され、Cが甲土地を取得したときは、法定地上権が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判平2.1.22)は、本肢と同種の事案において、「土地について一番抵当権が設定された当時土地と地上建物の所有者が異なり、法定地上権成立の要件が充足されていなかった場合には、土地と地上建物を同一人が所有するに至った後に後順位抵当権が設定されたとしても、その後に抵当権が実行され、土地が競落されたことにより一番抵当権が消滅するときには、地上建物のための法定地上権は成立しないものと解するのが相当である。」と判示している。したがって、本肢においても、第2順位の抵当権が実行され、Cが甲土地を取得したとしても、法定地上権は成立しない。
総合メモ
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