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民法 債権者代位権の転用 大判昭和4年12月16日

概要
土地の賃借人は、第三者が土地を不法に占拠することにより使用収益が妨げられている場合には、賃貸人が無資力でなかったとしても、423条1項により、当該賃貸人が有する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使できる。
判例
事案:賃貸人の土地を第三者が不法に占拠している場合において、土地の賃借人が、賃貸人の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使できるか問題となった。

判旨:「債権者カ自己ノ債権ヲ保全スル為債務者ニ属スル権利ヲ行フコトヲ得ルハ民法第423条ノ規定スル所ナリ同条ハ債務者カ自己ノ有スル権利ヲ行使セサル為債権者ヲシテ其ノ債務者ニ対スル債権ノ十分ナル満足ヲ得サラシメタル場合ニ於ケル救済方法ヲ定メタルモノニシテ債権者ノ行フヘキ債務者ノ権利ニ付其ノ一身ニ専属スルモノノ外ハ何等ノ制限ヲ設ケス又債務者ノ無資力タルコトヲ必要トセサルヲ以テ同条ニ所謂債権ハ必スシモ金銭上ノ債権タルコトヲ要セス又所謂債務者ノ権利ハ一般債権者ノ共同担保トナルヘキモノタルニ限ラス或債権者ノ特定債権ヲ保全スル必要アル場合ニ於テモ同条ノ適用アルモノト解スルヲ相当トス(明治43年(オ)第百152号同年7月6日当院判決大正9年(ク)第110号同年10月13日当院決定参照)故ニ土地ノ賃借人カ賃貸人ニ対シ該土地ノ使用収益ヲ為サシムヘキ債権ヲ有スル場合ニ於テ第三者カ其ノ土地ヲ不法ニ占拠シ使用収益ヲ妨クルトキハ土地ノ賃借人ハ右ノ債権ヲ保全スル為第423条ニ依リ右賃貸人ノ有スル土地妨害排除ノ請求権ヲ行使スルコトヲ得ヘキモノトス。」
過去問・解説
(H21 司法 第18問 4)
AのBに対する債権がBの所有地の賃借権である場合、Aは、Bが無資力でなければ、その土地の不法占拠者Cに対する物権的請求権を代位行使することができない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭4.12.16)は、土地の賃借人は、第三者が土地を不法に占拠することにより使用収益が妨げられている場合には、賃貸人が無資力でなかったとしても、423条1項により、当該賃貸人が有する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使できる旨判示している。したがって、AのBに対する債権がBの所有地の賃借権である場合、Aは、Bが無資力でなくても、その土地の不法占拠者Cに対する物権的請求権を代位行使することができる。

(H29 司法 第17問 オ)
土地の所有者Aからその土地を賃借したBは、その土地を不法に占有するCがいる場合、賃借権について対抗要件を具備しているか否かにかかわらず、賃借権を保全するために、AのCに対する所有権に基づく返還請求権を代位行使することができる。

(正答)

(解説)
判例(大判昭4.12.16)は、土地の賃借人は、第三者が土地を不法に占拠することにより使用収益が妨げられている場合には、賃貸人が無資力でなかったとしても、423条1項により、当該賃貸人が有する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使できる旨判示している。そして、土地の不法占拠者は、単なる無権利者であるから、当該不法占拠者と土地の賃借人は対抗関係に立たず、当該賃借人が、土地賃貸人が有する所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使するためには、賃借権について対抗要件を具備する必要はない。したがって、土地の所有者Aからその土地を賃借したBは、その土地を不法に占有するCがいる場合、賃借権について対抗要件を具備しているか否かにかかわらず、賃借権を保全するために、AのCに対する所有権に基づく返還請求権を代位行使することができる。
総合メモ
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