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民法 被相続人のなした仮装売買について移転登記抹消請求の代位行使 最三小判昭和30年12月26日
概要
推定相続人であるというだけでは、単に推定相続人たる期待権を有するだけであって、なんら被相続人に対し債権を有するものではないから、推定相続人は、当然には被相続人の権利を代位行使することができない。
判例
事案:被相続人が通謀虚偽表示によりその所有する不動産について他人に所有権移転登記をした場合において、推定相続人が被相続人の有する所有権移転登記抹消登記請求権を代位行使することができるかが問題となった。
判旨:「原審は、AがBに代位してBの有する本件登記抹消請求権を行使し得ると判断したのである。しかし、民法423条による債権者代位権は、債権者がその債権を保全するため債務者の権利を行使し得る権利であり、それは 、ひっきょう債権の一種の効力に外ならないのである。しかるにAは、単にBの推定相続人たる期待権を有するだけであって、なんらBに対し債権を有するものでないから、Aは当然にはなんら代位権を行使し得べきいわれはない。」
判旨:「原審は、AがBに代位してBの有する本件登記抹消請求権を行使し得ると判断したのである。しかし、民法423条による債権者代位権は、債権者がその債権を保全するため債務者の権利を行使し得る権利であり、それは 、ひっきょう債権の一種の効力に外ならないのである。しかるにAは、単にBの推定相続人たる期待権を有するだけであって、なんらBに対し債権を有するものでないから、Aは当然にはなんら代位権を行使し得べきいわれはない。」
過去問・解説
(H21 司法 第18問 5)
BがCを認知した場合、Bの推定相続人であるAは、Bに代位してその認知を取り消すことができる。
BがCを認知した場合、Bの推定相続人であるAは、Bに代位してその認知を取り消すことができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭30.12.26)は、推定相続人であるというだけでは、単に推定相続人たる期待権を有するだけであって、なんら被相続人に対し債権を有するものではないから、推定相続人は、当然には被相続人の権利を代位行使することができない旨判示している。したがって、BがCを認知した場合、Bの推定相続人であるAは、単にAの推定相続人であるにすぎず、なんらAに対し債権を有するものではない以上、Bに代位して、その有する権利を代位行使することはできない。
また、AがBに代位して、その有する権利を代位行使することができたとしても、423条1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。」と規定している。認知の取消権は、親族法上の一身専属権に当たるため、同項ただし書により、Bの推定相続人であるAは、Bに代位してその認知を取り消すことができない。
判例(最判昭30.12.26)は、推定相続人であるというだけでは、単に推定相続人たる期待権を有するだけであって、なんら被相続人に対し債権を有するものではないから、推定相続人は、当然には被相続人の権利を代位行使することができない旨判示している。したがって、BがCを認知した場合、Bの推定相続人であるAは、単にAの推定相続人であるにすぎず、なんらAに対し債権を有するものではない以上、Bに代位して、その有する権利を代位行使することはできない。
また、AがBに代位して、その有する権利を代位行使することができたとしても、423条1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。」と規定している。認知の取消権は、親族法上の一身専属権に当たるため、同項ただし書により、Bの推定相続人であるAは、Bに代位してその認知を取り消すことができない。