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民法 保証人及び物上保証人が要る場合の代位 最一小判平成9年12月18日
概要
501条3項4号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名としてその頭数を数える。
判例
事案:担保権の設定された物件が弁済までの間に共同相続により共有となった場合において、501条3項4号の物上保証人の数の数え方に変動が生じるかが問題となった。
判旨:「民法501条5号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名として右頭数を数えるべきものと解するのが相当である。けだし、弁済による代位は、弁済がされたことによって初めて生ずる法律関係であるところ、弁済の時点においては、各相続人がそれぞれ相続によって自己の取得した共有持分を担保に供しているのであるから、各相続人それぞれが民法501条5号の物上保証人に当たるというべきであるからである。当初から共有に属していた物件について全共有者が共有持分を担保に供した場合には、共有者ごとに頭数を数えるべきことは明らかであり、この場合と、単独所有であった物件に担保権が設定された後に弁済までの間に相続又は持分譲渡等により共有になった場合とで、頭数を別異に解することは、法律関係を複雑にするだけで、必ずしも合理的でない。確かに、相続という偶然の事情により頭数が変化することは当事者の意思ないし期待に反する場合がないではないが、このように頭数が変化する事態は、保証人の増加、担保物件の滅失等によっても起こり得ることであり、弁済時における人数と解することにより法律関係の簡明を期するのが相当である。」
判旨:「民法501条5号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名として右頭数を数えるべきものと解するのが相当である。けだし、弁済による代位は、弁済がされたことによって初めて生ずる法律関係であるところ、弁済の時点においては、各相続人がそれぞれ相続によって自己の取得した共有持分を担保に供しているのであるから、各相続人それぞれが民法501条5号の物上保証人に当たるというべきであるからである。当初から共有に属していた物件について全共有者が共有持分を担保に供した場合には、共有者ごとに頭数を数えるべきことは明らかであり、この場合と、単独所有であった物件に担保権が設定された後に弁済までの間に相続又は持分譲渡等により共有になった場合とで、頭数を別異に解することは、法律関係を複雑にするだけで、必ずしも合理的でない。確かに、相続という偶然の事情により頭数が変化することは当事者の意思ないし期待に反する場合がないではないが、このように頭数が変化する事態は、保証人の増加、担保物件の滅失等によっても起こり得ることであり、弁済時における人数と解することにより法律関係の簡明を期するのが相当である。」
過去問・解説
(H23 司法 第22問 ウ)
1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が1人ずついたところ、連帯保証人が債権者に弁済をする前に、物上保証の目的不動産が3人の共同相続人により相続され共有となった場合、その後連帯保証人が全額弁済をすると、この者が法定代位する債権額の合計は750万円である。
1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が1人ずついたところ、連帯保証人が債権者に弁済をする前に、物上保証の目的不動産が3人の共同相続人により相続され共有となった場合、その後連帯保証人が全額弁済をすると、この者が法定代位する債権額の合計は750万円である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平9.12.18)は、「民法501条5号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名として右頭数を数えるべきものと解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における501条3項4号の解釈においても同様に解されている。そして、同号本文は、「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。」と規定している。
本肢においては、1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が1人ずついたところ、連帯保証人が債権者に弁済をする前に、物上保証の目的不動産が3人の共同相続人により相続され共有となっているから、保証人が1人、物上保証人が3人の計4人を頭数として、代位の割合を計算することとなる。そうすると、その後連帯保証人が全額弁済をすると、当該保証人は、主たる債務額1000万円の4分の3の割合に当たる750万円について、債権者に代位することができるといえる。したがって、この者が法定代位する債権額の合計は750万円である。
判例(最判平9.12.18)は、「民法501条5号には、保証人と物上保証人の間における弁済による代位の割合は頭数によるべきことが規定されているところ、単独所有であった物件に担保権が設定された後、これが弁済までの間に共同相続により共有となった場合には、弁済の時における物件の共有持分権者をそれぞれ1名として右頭数を数えるべきものと解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における501条3項4号の解釈においても同様に解されている。そして、同号本文は、「保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。」と規定している。
本肢においては、1000万円の主たる債務に対する連帯保証人と物上保証人が1人ずついたところ、連帯保証人が債権者に弁済をする前に、物上保証の目的不動産が3人の共同相続人により相続され共有となっているから、保証人が1人、物上保証人が3人の計4人を頭数として、代位の割合を計算することとなる。そうすると、その後連帯保証人が全額弁済をすると、当該保証人は、主たる債務額1000万円の4分の3の割合に当たる750万円について、債権者に代位することができるといえる。したがって、この者が法定代位する債権額の合計は750万円である。