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民法 解約手付と主張立証責任 最一小判昭和29年1月21日

概要
売買の手付は、特別の意思表示がない限り、いわゆる解約手付(557条1項)と推定され、これと異なる効力を有する手付であることを主張しようとするものは、当該特別の意思表示が存在することを主張立証しなければならない。
判例
事案:売買の手付が、いわゆる解約手付(557条1項)と推定されるのかが問題となった。

判旨:「売買の当事者間に手附が授受された場合において、特別の意思表示がない限り、民法557条に定めている効力、すなわちいわゆる解約手附としての効力を有するものと認むべきである。これと異る効力を有する手附であることを主張せんとする者は、前記特別の意思表示の存することを主張・立証すべき責任があると解するのが相当である。」
過去問・解説
(H20 司法 第21問 イ)
売主Xと買主Yとの間の売買契約において手付が交付された。Yが手付を放棄して売買契約を解除したと訴訟において主張するためには、YがXとの間で売買契約に付随して解約手付の趣旨で手付金を交付する合意をしたことを主張する必要がある。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.1.21)は、「売買の当事者間に手附が授受された場合において、特別の意思表示がない限り、民法557条に定めている効力、すなわちいわゆる解約手附としての効力を有するものと認むべきである。これと異る効力を有する手附であることを主張せんとする者は、前記特別の意思表示の存することを主張・立証すべき責任があると解するのが相当である。」と判示している。したがって、売主Xと買主Yとの間の売買契約において手付が交付されれば、当該手付はいわゆる解約手付(557条1項)と推定されるから、Yが手付を放棄して売買契約を解除したと訴訟において主張するためには、YがXとの間で売買契約に付随して解約手付の趣旨で手付金を交付する合意をしたことを主張する必要はない。

(H20 司法 第21問 エ)
売主Xと買主Yとの間の売買契約において手付が交付された。Xが手付による解除の抗弁を訴訟において主張する場合、Yは、XとYが解除権の留保をしない旨の合意をしたこと、又は、X若しくはYがXの解除の意思表示に先立ち履行に着手したことを再抗弁とすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.1.21)は、「売買の当事者間に手附が授受された場合において、特別の意思表示がない限り、民法557条に定めている効力、すなわちいわゆる解約手附としての効力を有するものと認むべきである。これと異る効力を有する手附であることを主張せんとする者は、前記特別の意思表示の存することを主張・立証すべき責任があると解するのが相当である。」と判示している。したがって、Xが手付による解除の抗弁を訴訟において主張する場合、Yは、XとYが解除権の留保をしない旨の合意をしたことを再抗弁とすることができる。よって、本肢前段は正しい。
一方、557条1項は、「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。」と規定している。したがって、Yが再抗弁とすることができるのは、Y自身が解除の意思表示に先立ち履行に着手したことに限られ、Xが解除の意思表示に先立ち履行に着手したことを再抗弁とすることはできない。よって、本肢後段は誤っている。

(R4 司法 第24問 ア)
売買契約において交付された手付は、解約手付と推定される。

(正答)

(解説)
判例(最判昭29.1.21)は、「売買の当事者間に手附が授受された場合において、特別の意思表示がない限り、民法557条に定めている効力、すなわちいわゆる解約手附としての効力を有するものと認むべきである。」と判示している。
総合メモ
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