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民法 転借人の失火によって当該建物が焼失した場合における転貸人の責任 大判昭和4年6月19日

概要
転貸借について原賃貸人が承諾をした場合においても、転借人の故意又は過失で建物に損害が発生したときは、転貸人は原賃貸人に対して責任を負う
判例
事案:転貸借について原賃貸人が承諾をした場合において、転借人の故意又は過失で建物に損害が発生したとき、転貸人が原賃貸人に対して責任を負うか問題となった。

判旨:「転貸借契約ソノモノノ当然有効ナルハ猶他人ノ物ノ売買契約ソノモノノ有効ナルト撰フトコロナシト雖転貸借契約ノ履行トシテ賃借人即転貸人カ転借人ヲシテ現実ニ物ヲ使用セシムルコトハ賃貸人ノ承諾無キ限リ濫ニ之ヲ為スヲ得ス何者凡ソ賃貸借ナルモノハ賃借人ソノ人ニ対スル信用ニ基キテ成立スルモノナルカ故ニ賃借人ニ於テ擅ニ他人ヲシテ賃借物ヲ使用セシムルコトハ此ノ契約ノ本質上之ヲ認ム可カラサルヲ以テナリ故ニ此ノ承諾ナルモノハ申込ニ対スル承諾トハ全然其ノ趣ヲ異ニシ一ノ許諾即許可ノ義ニ外ナラス之レアレハ即賃借人カ他人ヲシテ目的物ヲ使用セシムルコトカ適法ト為リ賃貸人ニ於テハ又民法第612条ノ解除権ヲ有セサルニ至ルニ過キス之ニ依リテ以テ賃貸人ト転借人トノ間ニ何等ノ賃借関係モ成立スルニ非ス(唯法律上或種ノ請求権即例ヘハ賃貸借終了ノ場合ニ於ケル返還請求権カ直接ニ発生スルニ止ル)又右ノ承諾ニ依リ賃貸人ト賃借人間ノ契約関係ニモ毫末ノ影響ヲ及ホスコト無ク賃貸借ハ依然トシテ存続スルヲ以テ従テ又賃借人ニ於テ善良ナル管理者ノ注意ヲ用ヰテ目的物ヲ保管スヘキ義務ノ如キモ亦何等渝ルトコロアルヲ見ス則チ爾リト雖現実ニ物ヲ使用シツツアル者ハ転借人ソノ人ナルヲ以テ其ノ故意若ハ過失ニ依リ物ヲ滅失毀損シタルトキハ縦令転貸借ニ付賃貸人ノ承諾アリ又転貸人ソノ人ニ於テ何等責ムヘキ事情無キ場合ト雖転貸人トシテ其ノ責ニ任セサルヲ得ス。」
過去問・解説
(H23 司法 第17問 2)
建物の転貸借において、転借人の失火によって当該建物が焼失した場合、転貸借について賃貸人の承諾があれば、転貸人は、賃貸人に対する損害賠償義務を負わない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭4.6.19)は、転貸借について原賃貸人が承諾をした場合においても、転借人の故意又は過失で建物に損害が発生したときは、転貸人は原賃貸人に対して責任を負う旨判示している。したがって、建物の転貸借において、転借人の失火によって当該建物が焼失した場合、転貸借について賃貸人の承諾があっても、転貸人は、賃貸人に対する損害賠償義務を負う。

(H27 司法 第25問 オ)
Aは、Bとの間で、Aが所有する2階建ての甲建物を月額50万円の賃料で賃貸する旨の契約を締結し、甲建物をBに引き渡した。その後、Bは、Aの承諾を得て、Cとの間で、甲建物を月額50万円の賃料で転貸する旨の契約を締結し、甲建物をCに引き渡した。それからしばらくして甲建物の屋根の不具合により雨漏りが発生し、Cは、甲建物の2階部分を使用することができなくなった。判例によれば、甲建物の屋根の不具合がCの責めに帰すべき事由によって生じた場合、Aは、Bに対し、甲建物の屋根の不具合により生じた損害の賠償を請求することができない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭4.6.19)は、本肢と同種の事案において、転貸借について原賃貸人が承諾をした場合においても、転借人の故意又は過失で建物に損害が発生したときは、転貸人は原賃貸人に対して責任を負う旨判示している。したがって、甲建物の屋根の不具合が転借人であるCの責めに帰すべき事由によって生じた場合であっても、原賃貸人Aは、転貸人Bに対し、甲建物の屋根の不具合により生じた損害の賠償を請求することができる。
総合メモ
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