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民法 内縁関係破棄の場合の不法行為の成否及び760条の準用 最二小判昭和33年4月11日
概要
①内縁を正当な理由なく破棄された者は、相手方に対し不法行為を理由として損害の賠償を求めることができる。
②婚姻費用の分担に関する760条の規定は、内縁に準用される。
②婚姻費用の分担に関する760条の規定は、内縁に準用される。
判例
事案:①内縁が正当な理由なく破棄された場合において、不法行為責任を肯定することができるかが問題となった。
②内縁関係に、婚姻費用の分担に関する760条が準用されるかが問題となった。
判旨:①「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。そして民法709条にいう「権利」は、厳密な意味で権利と云えなくても、法律上保護せらるべき利益があれば足りるとされるのであり(大審院大正14年(オ)第625号、同年11月28日判決、民事判例集4巻670頁、昭和6年(オ)第2771号、同7年10月6日判決、民事判例集11巻2023頁参照)、内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができるのである。されば、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならない。」
②「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきであること前記説明の如くである以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」
②内縁関係に、婚姻費用の分担に関する760条が準用されるかが問題となった。
判旨:①「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。そして民法709条にいう「権利」は、厳密な意味で権利と云えなくても、法律上保護せらるべき利益があれば足りるとされるのであり(大審院大正14年(オ)第625号、同年11月28日判決、民事判例集4巻670頁、昭和6年(オ)第2771号、同7年10月6日判決、民事判例集11巻2023頁参照)、内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができるのである。されば、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならない。」
②「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきであること前記説明の如くである以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」
過去問・解説
(H20 司法 第31問 3)
不法行為による生命侵害の場合、被害者Aの扶養を受けていた内縁配偶者Bは、Aに相続人(Aの兄弟)がいる場合であっても、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
不法行為による生命侵害の場合、被害者Aの扶養を受けていた内縁配偶者Bは、Aに相続人(Aの兄弟)がいる場合であっても、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間の扶助義務に関する規定(752条)が準用されるといえ、内縁当事者の一方が不法行為による生命侵害を受けた場合、内縁当事者の他方は、扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。これは、死亡した被害者である一方の内縁当事者に相続人がいる場合でも変わらない。したがって、本肢においても、Aは、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間の扶助義務に関する規定(752条)が準用されるといえ、内縁当事者の一方が不法行為による生命侵害を受けた場合、内縁当事者の他方は、扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。これは、死亡した被害者である一方の内縁当事者に相続人がいる場合でも変わらない。したがって、本肢においても、Aは、BがAから受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対し、その賠償を請求することができる。
(H20 司法 第31問 5)
内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができない。
内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができる。
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、内縁夫婦ABの一方Bと日常の家事に関する取引をした第三者は、BにAの代理権があることを主張して、Aにその取引に基づく債務の履行を請求することができる。
(H25 司法 第31問 ウ)
A男とB女は内縁関係にある。Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
A男とB女は内縁関係にある。Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、本肢と同種の事案において、「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきである…以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」と判示している。したがって、Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
判例(最判昭33.4.11)は、本肢と同種の事案において、「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきである…以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従つて、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。」と判示している。したがって、Bが内縁継続中に病気療養のためAと別居している場合において、その間にBが支出した医療費は、婚姻から生ずる費用に準じてABが分担する。
(R3 司法 第30問 オ)
A男とB女は内縁関係にある。Aが日常の家事に関して第三者と取引をした場合、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負わない。
A男とB女は内縁関係にある。Aが日常の家事に関して第三者と取引をした場合、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、男とB女が内縁関係にある場合において、Aが日常の家事に関して第三者と取引をしたとき、当該Aの取引の効果はBに帰属するから、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負う。
判例(最判昭33.4.11)は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と判示している。そうすると、内縁当事者間には、夫婦間における日常の家事に関する債務の連帯責任についての規定(761条)が準用される。
そして、判例(最判昭44.12.18)は、761条は、夫婦が相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定している旨判示している。したがって、男とB女が内縁関係にある場合において、Aが日常の家事に関して第三者と取引をしたとき、当該Aの取引の効果はBに帰属するから、Bは、その取引によって生じた債務について責任を負う。