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民法 婚姻関係が終了していることと嫡出の推定を受ける子に対する親子関係不存在確認の訴えの許否 最三小判平成12年3月14日

概要
772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が当該子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、当該子は実質的には772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから、夫は、親子関係不存在確認の訴えにより、当該子との間の父子関係の存否を争うことができる。
判例
事案:772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が右子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合において、夫が当該子との間の父子関係を争うための手段として、親子関係不存在確認の訴えによることができるかが問題となった。

判旨:「民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が右子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、右子は実質的には民法772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから、同法774条以下の規定にかかわらず、夫は右子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当である(最高裁昭和43年(オ)第1184号同44年5月29日第一小法廷判決・民集23巻6号1064頁、最高裁平成7年(オ)第2178号同10年8月31日第二小法廷判決・裁判集民事189号497頁参照)。」
過去問・解説
(H30 司法 第30問 ウ)
夫が長期間服役しており、妻が夫の子を懐胎することが不可能であったと認められる時期に妻が懐胎した子について、夫が父子関係を争う場合には、嫡出否認の訴えによらなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.3.14)は、「民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について、妻が右子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ、又は遠隔地に居住して、夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には、右子は実質的には民法772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから、同法774条以下の規定にかかわらず、夫は右子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当である…。」と判示している。本肢においても、夫が長期間服役しており、妻が夫の子を懐胎することが不可能であったと認められる時期に妻が懐胎した子は、772条の推定を受けない嫡出子に当たるということができる。したがって、その子について、夫が父子関係を争う場合には、嫡出否認の訴え(774条)ではなく、親子関係不存在確認の訴えによることができる。
総合メモ
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