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民法 自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為と遺留分侵害請求 最一小判平成14年11月5日
概要
死亡保険金請求権は、指定された保険金受取人が自己の固有の権利として取得するものであるから、自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為がなされても、当該変更を受けた受取人は、遺留分侵害額請求(1046条)に規定する「受遺者」又は「受贈者」に当たらず、これに準ずるものということもできない。
判例
事案:自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為がなされた場合において、当該変更を受けた者が、遺留分侵害額請求の規定(1046条)にいう「受遺者」又は「受贈者」に当たるか、若しくはこれに準ずるものといえるかが問題となった。
判旨:「自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為は、民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく、これに準ずるものということもできないと解するのが相当である。けだし、死亡保険金請求権は、指定された保険金受取人が自己の固有の権利として取得するのであって、保険契約者又は被保険者から承継取得するものではなく、これらの者の相続財産を構成するものではないというべきであり(最高裁昭和36年(オ)第1028号同40年2月2日第三小法廷判決・民集19巻1号1頁参照)、また、死亡保険金請求権は、被保険者の死亡時に初めて発生するものであり、保険契約者の払い込んだ保険料と等価の関係に立つものではなく、被保険者の稼働能力に代わる給付でもないのであって、死亡保険金請求権が実質的に保険契約者又は被保険者の財産に属していたものとみることもできないからである。」
判旨:「自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為は、民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく、これに準ずるものということもできないと解するのが相当である。けだし、死亡保険金請求権は、指定された保険金受取人が自己の固有の権利として取得するのであって、保険契約者又は被保険者から承継取得するものではなく、これらの者の相続財産を構成するものではないというべきであり(最高裁昭和36年(オ)第1028号同40年2月2日第三小法廷判決・民集19巻1号1頁参照)、また、死亡保険金請求権は、被保険者の死亡時に初めて発生するものであり、保険契約者の払い込んだ保険料と等価の関係に立つものではなく、被保険者の稼働能力に代わる給付でもないのであって、死亡保険金請求権が実質的に保険契約者又は被保険者の財産に属していたものとみることもできないからである。」
過去問・解説
(H29 共通 第35問 2)
自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が、死亡の半年前に死亡保険金の受取人を相続人の1人に変更した場合、遺留分権利者は、その変更行為が遺留分侵害に当たるとして遺留分侵害額支払請求をすることができる。
自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が、死亡の半年前に死亡保険金の受取人を相続人の1人に変更した場合、遺留分権利者は、その変更行為が遺留分侵害に当たるとして遺留分侵害額支払請求をすることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平14.11.5)は、改正前民法下における遺留分減殺請求について、「自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為は、民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく、これに準ずるものということもできないと解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における遺留分侵害額請求(1046条)についても同様に解されている。したがって、自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が、死亡の半年前に死亡保険金の受取人を相続人の1人に変更した場合であっても、遺留分権利者は、その変更行為が遺留分侵害に当たるとして遺留分侵害額支払請求をすることはできない。
判例(最判平14.11.5)は、改正前民法下における遺留分減殺請求について、「自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が死亡保険金の受取人を変更する行為は、民法1031条に規定する遺贈又は贈与に当たるものではなく、これに準ずるものということもできないと解するのが相当である。」と判示しており、改正民法下における遺留分侵害額請求(1046条)についても同様に解されている。したがって、自己を被保険者とする生命保険契約の契約者が、死亡の半年前に死亡保険金の受取人を相続人の1人に変更した場合であっても、遺留分権利者は、その変更行為が遺留分侵害に当たるとして遺留分侵害額支払請求をすることはできない。