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民法 建物の賃貸人が解約申入後に提供又は増額を申し出た立退料等の金員を参酌して当該解約申入れの正当事由を判断することの可否 最二小判平成3年3月22日

概要
建物の賃貸人が解約申入(借地借家法27条1項)後に立退料等の金員の提供を申し出た場合又は解約申入時に申し出ていた当該金員の増額を申し出た場合においても、当該提供又は増額に係る金員を参酌して当初の解約申入れの正当事由(同法28条)を判断することができる。
判例
事案:建物の賃貸人が解約申入(借地借家法27条1項)後に立退料等の金員の提供を申し出た場合又は解約申入時に申し出ていた当該金員の増額を申し出た場合において、当該提供または増額にかかる金員を参酌して、当初の解約申入れの正当事由(同法28条)の有無の判断をすることができるかが問題となった。

判旨:「建物の賃貸人が解約の申入れをした場合において、その申入時に借家法1条ノ2に規定する正当事由が存するときは、申入後6か月を経過することにより当該建物の賃貸借契約は終了するところ、賃貸人が解約申入後に立退料等の金員の提供を申し出た場合又は解約申入時に申し出ていた右金員の増額を申し出た場合においても、右の提供又は増額に係る金員を参酌して当初の解約申入れの正当事由を判断することができると解するのが相当である。けだし、立退料等の金員は、解約申入時における賃貸人及び賃借人双方の事情を比較衡量した結果、建物の明渡しに伴う利害得失を調整するために支払われるものである上、賃貸人は、解約の申入れをするに当たって、無条件に明渡しを求め得るものと考えている場合も少なくないこと、右金員の提供を申し出る場合にも、その額を具体的に判断して申し出ることも困難であること、裁判所が相当とする額の金員の支払により正当事由が具備されるならばこれを提供する用意がある旨の申出も認められていること、立退料等の金員として相当な額が具体的に判明するのは建物明渡請求訴訟の審理を通じてであること、さらに、右金員によって建物の明渡しに伴う賃貸人及び賃借人双方の利害得失が実際に調整されるのは、賃貸人が右金員の提供を申し出た時ではなく、建物の明渡しと引換えに賃借人が右金員の支払を受ける時であることなどにかんがみれば、解約申入後にされた立退料等の金員の提供又は増額の申出であっても、これを当初の解約の申入れの正当事由を判断するに当たって参酌するのが合理的であるからである。」
過去問・解説
(H21 司法 第28問 3)
借地借家法の適用を受ける不動産賃貸借契約について、判例によれば、賃貸人が期間の定めのない建物賃貸借契約について解約申入れを行い、その後、解約申入れの時に申し出ていた立退料等の金員の増額を申し出た場合においても、この増額に係る金員を参酌して当該解約申入れの正当事由を判断することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判平3.3.22)は、建物の賃貸人が解約申入(借地借家法27条1項)後に立退料等の金員の提供を申し出た場合又は解約申入時に申し出ていた当該金員の増額を申し出た場合においても、当該提供又は増額に係る金員を参酌して当初の解約申入れの正当事由(同法28条)を判断することができる旨判示している。
総合メモ
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