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借地借家法 - 解答モード

条文
借地借家法第2条(定義)
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 

 一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。 
 二 借地権者 借地権を有する者をいう。 
 三 借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している者をいう。 
 四 転借地権 建物の所有を目的とする土地の賃借権で借地権者が設定しているものをいう。 
 五 転借地権者 転借地権を有する者をいう。
過去問・解説

(H24 司法 第13問 2)
借地借家法にいう借地権には、建物の所有を目的とする地上権も含まれる。

(正答)  

(解説)
借地借家法2条1号は、借地権について、「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」と規定している。
したがって、借地借家法にいう借地権には、建物の所有を目的とする地上権も含まれる。

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条文
借地借家法第3条(借地権の存続期間)
 借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
過去問・解説

(H18 司法 第24問 イ)
建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、期間の定めがないときは、賃貸人は、正当の事由があれば、賃借人に1年前に解約申入れをすることにより、契約を終了させることができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法3条は、「借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」と規定しており、期間の定めのない借地権は認められておらず、借地契約において存続期間を定めなかった場合には、同条により存続期間が30年となる。したがって、期間の定めのない賃貸借の解約の申入れに関する民法617条は適用されない。よって、建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、期間の定めがないときは、借地借家法3条により存続期間が30年となるから、賃貸人は、正当の事由の有無にかかわらず、賃借人に1年前に解約申入れをすることにより、契約を終了させることができない。


(H19 司法 第25問 1)
建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、期間の定めがないときは、賃貸人は、1年前の解約申入れにより、契約を終了させることができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法3条は、「借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」と規定しており、期間の定めのない借地権は認められておらず、借地契約において存続期間を定めなかった場合には、同条により存続期間が30年となる。したがって、期間の定めのない賃貸借の解約の申入れに関する民法617条は適用されない。
よって、建物の所有を目的とする土地の賃貸借契約において、期間の定めがないときは、借地借家法3条により存続期間が30年となるから、賃貸人は、正当の事由の有無にかかわらず、賃借人に1年前に解約申入れをすることにより、契約を終了させることができない。

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条文
借地借家法第4条(借地権の更新後の期間)
 当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から10年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、20年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
過去問・解説

(H19 司法 第25問 2)
当事者が土地の賃貸借契約を締結した後に、この契約を最初に更新する場合にあっては、その期間は更新の日から10年とされるが、当事者がこれより長い期間を定めることは妨げられない。

(正答)  

(解説)
借地借家法4条は、「当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から10年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、20年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。」と定めている。
本肢は、最初の更新の場合における借地権の存続期間を「20年」ではなく「10年」としている点において、誤っている。

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条文
借地借家法第6条(借地契約の更新拒絶の要件)
 前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
過去問・解説

(H18 司法 第24問 エ)
土地の賃貸人が借地契約の更新拒絶をするためには、正当の事由がなければならないほか、契約期間の満了の1年前から6か月前までの間に賃借人に対して更新をしない旨の通知をしなければならない。

(正答)  

(解説)
借地借家法6条は、「前条の異議は、…正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。」と規定するにとどまり、契約期間の満了の1年前から6か月前までの間に賃借人に対して更新をしない旨の通知をすることまでは要求していない。

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条文
借地借家法第7条(建物の再築による借地権の期間の延長)
① 借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。)があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続する。ただし、残存期間がこれより長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間による。 
② 借地権者が借地権設定者に対し残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知した場合において、借地権設定者がその通知を受けた後2月以内に異議を述べなかったときは、その建物を築造するにつき前項の借地権設定者の承諾があったものとみなす。ただし、契約の更新の後(同項の規定により借地権の存続期間が延長された場合にあっては、借地権の当初の存続期間が満了すべき日の後。次条及び第18条において同じ。)に通知があった場合においては、この限りでない。 
③ 転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第1項の規定を適用する。
過去問・解説

(H21 司法 第28問 2)
土地の賃貸借契約の存続期間が満了する前に当該土地上の建物が滅失し、再築をしないで賃借人が土地の使用を継続する場合、賃貸人が遅滞なく異議を述べないと契約が更新したものとみなされる。

(正答)  

(解説)
借地借家法は、借地権消滅後の土地の使用継続による法定更新に関する規定(6条)や、建物の再築による借地権の期間の延長に関する規定(7条)はあるが、本肢の事例にはいずれも適用されない。
したがって、土地の賃貸借契約の存続期間が満了する前に当該土地上の建物が滅失し、再築をしないで賃借人が土地の使用を継続する場合、賃貸人が遅滞なく異議を述べないと契約が更新したものとみなされるとはいえない。

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条文
借地借家法第10条(借地権の対抗力)
① 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。 
② 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から2年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
過去問・解説

(H18 司法 第18問 2)
AがBに土地を賃貸し、Bが同土地上に建物を建築して所有する場合において、AがCに同土地を譲渡したときの法律関係について、Bは、建物の所有権の登記をしているが土地の賃貸借の登記はしていなかった。この場合、所有権移転登記を経たCのBに対する建物収去土地明渡請求は認められる。

(正答)  

(解説)
借地借家法10条1項は、「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。」と定めている。
Bは、建物の所有権の登記をしているから、同条1項により借地権の対抗要件を具備している。したがって、Bは、第三者であるCに対し、借地権を対抗することができるから、所有権移転登記を経たCのBに対する建物収去土地明渡請求は認められない。

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条文
借地借家法第13条(建物買取請求権)
① 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。 
② 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。 
③ 前2項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。
過去問・解説

(H21 司法 第28問 5)
住宅の所有を目的とする存続期間30年の借地権について存続期間が満了し、契約の更新がないときは、賃借人は、賃貸人に対し当該借地上に権原により建築した建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法13条1項は、「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。」と定めている。

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条文
借地借家法第19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
① 借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。 
② 裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
過去問・解説

(H24 共通 第26問 ウ)
建物所有を目的とする土地賃貸借の賃借人が、その土地上に建築した建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が土地の転借をしても原賃貸借の賃貸人に不利となるおそれがないにもかかわらず、当該賃貸人がその転貸を承諾しないときは、裁判所は、原賃貸借の賃借人の申立てにより、承諾に代わる許可を与えることができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法19条1項前段は、「借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。」と定めている。


(R4 司法 第37問 エ)
建物所有を目的としてAから土地を賃借したBが、その土地上に建築した建物を土地賃借権とともにCに譲渡しようとする場合において、Cがその賃借権を取得してもAに不利となるおそれがないにもかかわらず、Aが賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、Bの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法19条1項前段は、「借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。」と定めている。

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条文
借地借家法第22条(定期借地権)
① 存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第1項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。 
② 前項前段の特約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第38条第2項及び第39条第3項において同じ。)によってされたときは、その特約は、書面によってされたものとみなして、前項後段の規定を適用する。
過去問・解説

(R3 司法 第37問 ア)
住宅の所有を目的として締結された定期借地権の設定契約は、公正証書によらなければその効力を生じない。

(正答)  

(解説)
借地借家法22条は、一般定期借地権の設定契約について、「その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。」と規定しており、要式性を「公正証書」に限定していない。

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条文
借地借家法第26条(建物賃貸借契約の更新等)
① 建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。 
② 前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。 
③ 建物の転貸借がされている場合においては、建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなして、建物の賃借人と賃貸人との間について前項の規定を適用する。
過去問・解説

(H19 司法 第25問 3)
期間の定めがある建物の賃貸借契約が法定更新された場合には、従前の契約と同一の条件及び期間で契約を更新したものとみなされる。

(正答)  

(解説)
借地借家法26条1項は、建物賃貸借契約の法定更新後の契約条件について、本文において「従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」と規定する一方で、但書において「ただし、その期間は、定めがないものとする。」と規定している。
したがって、期間の定めがある建物の賃貸借契約が法定更新された場合には、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされるが、期間については「定めがないもの」となる。


(H21 司法 第28問 4)
期間の定めのある建物賃貸借契約の期間が満了した後、賃借人が使用を継続し、賃貸人が異議を述べなかったときは、賃貸借契約は従前と同じ期間で更新される。

(正答)  

(解説)
借地借家法26条1項は、建物賃貸借契約の法定更新後の契約条件について、本文において「従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」と規定する一方で、但書において「ただし、その期間は、定めがないものとする。」と規定している。
したがって、期間の定めがある建物の賃貸借契約が法定更新された場合には、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされるが、期間については「定めがないもの」となる。


(H26 予備 第11問 オ)
期間の定めがある場合において、賃貸人が期間の満了の1年前から6月前までの間に賃借人に対して更新をしない旨の通知をしたときには、その契約が更新されることはない。

(正答)  

(解説)
借地借家法26条は、1項本文において「建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。」と規定する一方で、2項において「前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。」と定めている。
したがって、期間の定めがある場合において、賃貸人が期間の満了の1年前から6月前までの間に賃借人に対して更新をしない旨の通知をしたときには、同法26条1項による法定更新は認められないが、「建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったとき」は、同法26条2項による法定更新が認められる。

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条文
借地借家法第27条(解約による建物賃貸借の終了)
① 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する。 
② 前条第2項及び第3項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。
過去問・解説

(H18 司法 第24問 ア)
期間を3年間とする事務所用貸室の賃貸借契約において、賃貸人又は賃借人は期間中いつでも2か月前の予告により契約を解約することができるとの条項がある場合でも、賃貸人は、正当の事由の有無にかかわらず、この条項に従って契約を解約することはできない。

(正答)  

(解説)
借地借家法27条1項は、「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する。」と規定しており、借地借家法30条は、「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。」と規定している。
本肢の事例では、期間を3年間とする事務所用貸室の賃貸借契約において、賃貸人又は賃借人は期間中いつでも2か月前の予告により契約を解約することができるとの条項は、同法27条1項「規定に反する特約で建物の賃借人に不利なもの」であるから、無効である。したがって、賃貸人は、正当の事由の有無にかかわらず、この条項に従って契約を解約することはできない。


(H19 司法 第25問 4)
期間の定めがない建物の賃貸借契約において、賃貸人は、正当の事由があるか否かにかかわらず、6か月前の解約申入れにより、契約を終了させることができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法27条1項は、「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する。」と規定しており、借地借家法28条は、「建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは…正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」と規定している。
したがって、期間の定めがない建物の賃貸借契約において、賃貸人は、正当の事由がなければ、6か月前の解約申入れにより、契約を終了させることができない。

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条文
借地借家法第32条(借賃増減請求権)
① 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
② 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
③ 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。
過去問・解説

(R6 司法 第27問 イ)
建物賃貸借契約に賃料自動増額特約が定められていたときは、賃借人は、賃貸人に対し賃料減額請求権を行使することができない。

(正答)  

(解説)
借地借家法32条1項は、本文において「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。」と規定している。もっとも、建物賃貸借契約に賃料自動増額特約が定められていることは、「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合」に当たらないから、賃料減額請求権を行使を妨げるものではない。

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条文
借地借家法第36条(居住用建物の賃貸借の承継)
① 居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後1月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。 
② 前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項の規定により建物の賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。
過去問・解説

(R3 司法 第30問 ア)
内縁関係にあるA男とB女が、Bの賃借したアパートで同居していた場合において、Bが死亡してBに相続人がいないときは、Aは、そのアパートの賃借人の権利義務を承継する。

(正答)  

(解説)
借地借家法36条1項本文は、「居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。」と定めている。
したがって、内縁関係にあるA男とB女が、Bの賃借したアパートで同居していた場合において、Bが死亡してBに相続人がいないときは、Aは、そのアパートの賃借人の権利義務を承継する。

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条文
借地借家法第38条(定期建物賃貸)
① 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。 
② 前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。 
③ 第1項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。 
④ 建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。 
⑤ 建物の賃貸人が第3項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。 
⑥ 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。 
⑦ 第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。 
⑧ 前2項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。 
⑨ 第32条の規定は、第1項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。
過去問・解説

(H18 司法 第24問 オ)
正当の事由の有無にかかわらず契約の更新がないこととする建物賃貸借契約の類型も認められている。

(正答)  

(解説)
借地借家法38条1項前段は、「期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。」と定めている。したがって、定期建物貸借においては、正当の事由の有無にかかわらず契約の更新がないこととする建物賃貸借契約の類型も認められている。


(H19 司法 第25問 5)
期間の定めがある建物の賃貸借契約をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。

(正答)  

(解説)
借地借家法38条1項前段は、「期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。」と定めている。

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