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民法 第562条

条文
第562条(買主の追完請求権)
① 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
② 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。
過去問・解説
(H26 司法 第25問 3)
利息付きの消費貸借において、物に欠陥があったときは、貸主は、欠陥がない物をもってこれに代えなければならない。

(正答)  

(解説)
551条は、贈与者の担保責任について、1項において「贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。」と規定した上で、2項において「負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。」と規定している。そして、591条1項は、「第551条の規定は、前条第1項の特約のない消費貸借について準用する。」と規定しているから、無利息の消費貸借契約における貸主は、消費貸借の目的である物を消費貸借の目的として特定した時の状態で引き渡すことを約したものと推定される(590条1項による551条2項準用)。
これに対し、利息付の消費貸借契約における貸主は、契約に適合した種類・品質・数量の物を引き渡すべき義務を負う(559条、562条1項参照)。したがって、利息付きの消費貸借において、物に欠陥があったときは、借主は、「引き渡された目的物が…品質…に関して契約の内容に適合しないものである」ことを理由に、貸主に対し、「目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求する」ことができる。

(R3 共通 第23問 ウ)
AB間の売買契約において、売主Aが買主Bに対して引き渡した目的物の数量が不足しており、契約の内容に適合しない場合において、数量の不足がBの責めに帰すべき事由によって生じた場合には、不足分の引渡しが可能であっても、Bは不足分の引渡しを請求することができない。

(正答)  

(解説)
562条2項は、買主の追完請求権の発生障害事由として、「前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。」と規定している。
したがって、数量の不足が買主Bの責めに帰すべき事由によって生じた場合には、不足分の引渡しが可能であっても、買主Bは不足分の引渡しを請求することができない。

(R5 共通 第25問 ア)
売買契約に基づき買主Aが売主Bから引渡しを受けた動産甲の品質が契約の内容に適合しないものである場合においてBは、Aから甲の修補の請求を受けた場合であっても、Aに不相当な負担を課するものでないときは、代替物の引渡しによる履行の追完をすることができる。

(正答)  

(解説)
562条1項は、本文において「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。」と規定する一方で、但書において「ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。」と規定している。
売買契約に基づき買主Aが売主Bから引渡しを受けた動産甲の品質が契約の内容に適合しないものである場合においてBは、Aから甲の修補の請求を受けた場合であっても、Aに不相当な負担を課するものでないときは、562条1項但書に基づいて、代替物の引渡しによる履行の追完をすることができる。

(R5 共通 第25問 ウ)
売買契約に基づき買主Aが売主Bから引渡しを受けた動産甲の品質が契約の内容に適合しないものである場合において、不適合がAの責めに帰すべき事由によるものであるときは、Aは、Bに対し、甲の修補と代金の減額のいずれの請求もすることができない。

(正答)  

(解説)
562条2項は、買主の追完請求権の発生障害事由として、「前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。」と規定している。また、563条3項は、買主の代金減額請求権の発生障害事由として、「前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。」と規定している。
したがって、動産甲の品質に関する契約不適合がAの責めに帰すべき事由によるものであるときは、Aは、Bに対し、甲の修補と代金の減額のいずれの請求もすることができない。
総合メモ
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