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民法 第715条

条文
第715条(使用者等の責任)
① ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
② 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
③ 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
過去問・解説
(H18 司法 第3問 2)
使用者は、被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明した場合、責任を免れる。

(正答)

(解説)
715条1項は、本文において「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と規定する一方で、但書において「ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」と規定している。

(H25 司法 第30問 3)
Aの使用するBがその事業の執行について第三者Cに損害を与えた場合において、その損害を賠償する債務をAがCに対して弁済したときには、AのBに対する求償権は、発生しない。

(正答)

(解説)
715条3項は、「前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」と規定している。したがって、本肢の事例では、AのBに対する求償権が発生する。
なお、使用者の被用者に対する求償は、「諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」において認められる(最判昭51.7.8)。

(H27 司法 第28問 ウ)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うが、この責任は、被用者に賠償の資力があったとしても免れることができない。

(正答)

(解説)
715条1項は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定している。また、被用者の資力については規定がない。


715条1項但書は、使用者責任の成立が否定される抗弁事由として「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき」と規定しているが、被用者に賠償の資力があることは規定していない。したがって、使用者責任は、被用者に賠償の資力があったとしても成立する。

(R2 司法 第29問 オ)
使用者が被用者の加害行為につき使用者責任に基づいて第三者に損害賠償責任を負う場合、当該被用者は、加害行為につき故意又は重過失がない限り、当該第三者に対する損害賠償責任を負わない。

(正答)

(解説)
使用者責任は代位責任であるから、使用者責任の成立には「被用者」の行為がそれ自体として不法行為の成立要件を満たすことが必要となり、被用者の行為に関する不法行為の成否は709条以下の規定に従って判断される。

(R3 共通 第29問 ウ)
使用者が被用者の加害行為につき使用者責任に基づいて第三者に損害賠償をした場合であっても、使用者の被用者に対する求償権は生じない。

(正答)

(解説)
715条3項は、「前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。」と規定している。したがって、本肢の事例では、AのBに対する求償権が発生する。
なお、使用者の被用者に対する求償は、「諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」において認められる(最判昭51.7.8)。
総合メモ
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