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短答判例

通則

国外で犯罪の幇助行為をした者の可罰性 最一小決平成6年12月9日

概要
日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、1条1項の「日本国内において罪を犯した」者に当たる。
判例
事案:甲が、乙らによる覚醒剤の日本への輸入を幇助するため、日本国外で覚醒剤を調達して乙に手渡した事案において、日本国外で幇助行為をした甲に日本の刑罰法規を適用できるかが問題となった。

判旨:「原判決の認定するところによれば、被告人は、石崎敏らが日本国外から日本国内に覚せい剤を輸入し、覚せい剤取締法違反、関税法違反の各罪を犯した際、陳國良とともに、日本国外で右覚せい剤を調達して石崎に手渡し、同人らの右各犯行を容易にしてこれを幇助したというのである。右のように、日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法1条1項の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たると解すべきであるから、同法8条、1条1項により、被告人の前記各幇助行為につき原判示の各刑罰法規を適用した原判決は、正当である。」
過去問・解説
全体の正答率 : 66.6%

(R8 共通 第15問 イ)
日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法第1条第1項の「日本国内において罪を犯した」者に当たるから、日本国民ではない甲が、日本国民である乙が日本国内でAを殺害するために使うことを知りながら、日本国外である某国のホテル内で、乙にナイフを貸与し、その後、乙が日本国内でそのナイフを使用してAを殺害した場合、甲に刑法が適用される。

(正答)〇

(解説)
判例(最決平6.12.9)は、「日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法1条1項の『日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者』に当たる」と判示している。
甲は、日本国外で乙にナイフを貸与しているが、正犯である乙は、日本国内でそのナイフを使用してAを殺害している。
したがって、甲は、「日本国内において罪を犯した」者に当たり、刑法が適用される。

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継続犯と刑罰法規の変更 最一小判昭和27年9月25日

概要
所持罪のような継続犯については、1個の罪が成立しその継続中に刑罰法規に変更があっても、6条による新旧両法対照の問題は起こらず、常に新法が適用される。
判例
事案:被告人に対する銃砲刀剣類等所持取締令違反被告事件の上告審において、所持罪のような継続犯について、1個の罪が成立し継続中、その刑罰法規に変更があった場合、刑法6条による新旧両法対照の問題が起こるか、それとも常に新法を適用処断するのが相当であるかが問題となった。

判旨:「所持罪のような継続犯については、1個の罪が成立し継続中、たといその刑罰法規に変更があっても、刑法6条による新旧両法対照の問題はおこらず、常に新法を適用処断するを相当とする。」
過去問・解説
全体の正答率 : 41%

(H21 司法 第16問 ア)
甲が乙を監禁中、監禁罪の法定刑を重くする改正法が施行された。新法が適用される。

(正答)〇

(解説)
判例(最判昭27.9.25)は、「所持罪のような継続犯については、1個の罪が成立しその継続中、たといその刑罰法規に変更があっても…常に新法を適用処断する。」としている。
したがって、甲が乙を監禁中に監禁罪の法定刑を重くする改正法が施行された場合には、監禁罪が継続犯であることから、甲には旧法ではなく改正法が適用される。

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