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詐欺の罪(結果) - 解答モード

詐欺罪における財産的処分行為 大判明治43年10月7日

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概要
依頼者が文盲であることに乗じ、行使の目的をもってその意思に反する文書を作成し、依頼者を欺きこれに署名捺印をさせた場合、私文書偽造罪に該当し、詐欺罪は成立しない。
判例
事案:依頼者が文盲であることに乗じ、行使の目的をもってその意思に反する文書を作成し、依頼者を欺きこれに署名捺印をさせたという事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

要旨:依頼者ノ文盲ナルニ乗シ行使ノ目的ヲ以テ其意思ニ反スル文書ヲ作成シ依頼者ヲ欺キ之ニ署名捺印セシメタル所為ハ刑法第百五十九条第一項ニ該当シ詐欺罪ヲ以テ問擬スヘキモノニ非ス
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説

(H18 司法 第17問 2)
署名欄を空白にした借用証書を作成して他の文書とともに署名を求め、相手方に借用証書と気付かせずにその署名欄に署名させた場合、相手方に債務を負担させたことになるので、詐欺罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判明43.10.7)は、本肢と同種の事案において、被害者を欺いてその意思に反する文書を作成させた場合、詐欺罪ではなく私文書偽造罪が成立することを示している。
したがって、相手方に借用証書と気付かせずにその署名欄に署名させた場合、詐欺罪ではなく、有印私文書偽造罪が成立する。

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価格相当の商品の提供と詐欺罪の成否 最二小決昭和34年9月28日

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概要
たとえ相当価格の商品を提供したとしても、事実を告知するときは相手方が金員を交付しないような場合において、ことさら商品の効能などにつき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させ、金員の交付を受けた場合は、詐欺罪が成立する。
判例
事案:事実を告知すると相手方が金員を交付しないような場合に、事実を告知せずに価格相当の商品の提供をしたという事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:「たとえ相当価格の商品を提供したとしても、事実を告知するときは相手方が金員を交付しないような場合において、ことさら商品の効能などにつき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させ、金員の交付を受けた場合は、詐欺罪が成立する。そして本件の各ドル・バイブレーターが所論のようにD型で、その小売価格が2100円であったとしても、原判決の是認した第一審判決が確定した事実によると、被告人は判示a外16名に対し判示のごとき虚構の事実を申し向けて誤信させ、同人らから右各ドル・バイブレーターの売買、保証金などの名義のもとに判示各現金の交付を受けたというのであるから、被告人の本件各所為が詐欺罪を構成するとした原判示は正当に帰する。」
過去問・解説

(H18 司法 第17問 5)
減量に効果があると偽って健康食品を購入させ代金名下に金員の交付を受けた場合、減量効果が全くなくても、販売価格が適正妥当であれば相手方に経済的損失がないので、詐欺罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭34.9.28)は、「たとえ相当価格の商品を提供したとしても、事実を告知するときは相手方が金員を交付しないような場合において、ことさら商品の効能などにつき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させ、金員の交付を受けた場合は、詐欺罪が成立する。」としている。
したがって、商品の効能などにつき相手方を誤信させ、金員の交付を受けた場合は、たとえ商品の販売価格が適正妥当であっても詐欺罪が成立しうる。


(H28 共通 第16問 3)
甲は、視力回復の効果が全くない飲料について、その効果が絶大で入手困難なものと偽って、信じた客にこれを販売し、その代金として現金の交付を受けたが、その販売価格は適正、妥当なものであった。この場合、甲には詐欺罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭34.9.28)は、「たとえ相当価格の商品を提供したとしても、事実を告知するときは相手方が金員を交付しないような場合において、ことさら商品の効能などにつき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させ、金員の交付を受けた場合は、詐欺罪が成立する。」としている。
したがって、視力回復の効果が全くないにもかかわらずこの効果を絶大と偽り、錯誤に陥った客から代金の交付を受けた場合、商品の販売価格が適正妥当であったとしても、甲に詐欺罪が成立する。

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財産上不法の利益 最一小判昭和30年7月7日

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概要
246条2項の詐欺罪において、財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をさせることを要し、単に逃走して事実上支払をしなかっただけで足りるものではない。
判例
事案:無銭宿泊、無線飲食をした事案において、246条2項の詐欺罪の成立には相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をさせることを要するかが問題となった。

判旨:「刑法246条2項にいわゆる『財産上不法の利益を得』とは、同法236条2項のそれとはその趣を異にし、すべて相手方の意思によって財産上不法の利益を得る場合をいうものである。従って、詐欺罪で得た財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をなさしめることを要するものであって、単に逃走して事実上支払をしなかっただけで足りるものではないと解すべきである。…宿泊、飲食等をしたときに刑法246条の詐欺罪が既遂に達したと判示したものと認めることができる。」
過去問・解説

(H28 司法 第13問 ア)
判例の立場に従って検討し、詐欺罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、所持金がなかったことから代金を支払わずに食事をしようと考え、飲食店に行って料理を注文し、これを食べた後、代金を請求した店員に対し、財布を忘れたので自宅に取りに帰ると嘘を言ったが、店員にその嘘を見破られた。

(正答)1

(解説)
判例(最決昭30.7.7)は、「詐欺罪で得た財産上不法の利益が、債務の支払を免れたことであるとするには、相手方たる債権者を欺罔して債務免除の意思表示をなさしめることを要するものであって、単に逃走して事実上支払をしなかっただけで足りるものではない…。」とした上で、「宿泊、飲食等をしたときに刑法246条の詐欺罪が既遂に達したと判示したものと認めることができる。」として、店員に料理を注文し、飲食した時点で1項詐欺罪の既遂に達することを示している。
したがって、飲食店に行って料理を注文し、飲食物の交付を受けた時点で、甲には詐欺既遂罪が成立する。

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