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詐欺の罪(特殊な詐欺) - 解答モード

詐欺罪の成否(詐欺賭博) 最一小決昭和43年10月24日

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概要
いわゆる詐欺賭博の方法により、賭客となった者を欺罔し、寺銭及び賭銭名義のもとに、金員を支払うべき債務を負担させたときは、246条2項の詐欺罪が成立する。
判例
事案:賭客となった者を欺罔し、寺銭及び賭銭名義のもとに、金員を支払うべき債務を負担させたという事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:「刑法246条2項の罪が成立する旨の原判決判示は正当である。」
過去問・解説

(H23 共通 第3問 1)
甲は、乙とトランプ賭博を行った際、乙の手札の内容が分かるよう不正な細工を施したトランプカードを用いて乙を負けさせ、乙に100万円の支払債務を負担させた。この場合、甲に詐欺罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭43.10.24)は、「刑法第246条第2項の罪は人を欺罔し、これを錯誤に陥れて財産上不法の利益を得又は他人をしてこれを得させることにより成立するものにして右に所謂不法とはその利益を取得する手段が不法である場合と解すべく、右利得のよって生ずる法律行為が私法上有効なると否とは詐欺罪の成立に影響がないものと解する…。」とした原審(東京高判昭42.11.22)の判断を正当としている。
甲は、賭博で不正な細工を施したトランプカードを用いて乙を負けさせ乙に100万円の支払債務を負担させているから、甲には、2項詐欺による詐欺罪が成立する。

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詐欺罪の成否(三角詐欺) 最二小決平成15年12月9日

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概要
甲が乙から儀式料名下に金員を詐取するに当たり、甲の意を受けた乙において、甲から商品を購入したように仮装して信販業者丙との間で立替払契約を締結し、同契約に基づき商品購入代金として丙から甲に金員を交付させる方法により儀式料を支払った場合には、甲及び乙の丙に対する行為が詐欺罪を構成するかどうかにかかわらず、甲の乙に対する行為は詐欺罪を構成する。
判例
事案:甲が乙から儀式料名下に金員を詐取するに当たり、甲の意を受けた乙において、甲から商品を購入したように仮装して信販業者丙との間で立替払契約を締結し、同契約に基づき商品購入代金として丙から甲に金員を交付させる方法により儀式料を支払ったという事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:「被告人は、他の1名と共謀の上、病気などの悩みを抱えている被害者らに対し、真実は、被害者らの病気などの原因がいわゆる霊障などではなく、『釜焚き』と称する儀式には直接かつ確実に病気などを治癒させる効果がないにもかかわらず、病気などの原因が霊障であり、釜焚きの儀式には上記の効果があるかのように装い、虚偽の事実を申し向けてその旨誤信させ、釜焚き料名下に金員を要求した。
 そして、被告人らは、釜焚き料を直ちに支払うことができない被害者らに対し、被害者らが被告人らの経営する薬局から商品を購入したように仮装し、その購入代金につき信販業者とクレジット契約(立替払契約)を締結し、これに基づいて信販業者に立替払をさせる方法により、釜焚き料を支払うように勧めた。これに応じた被害者らが上記薬局からの商品売買を仮装の上クレジット契約を締結し、これに基づいて信販業者が被告人らの管理する普通預金口座へ代金相当額を振込送金した。
 …被告人らは、被害者らを欺き、釜焚き料名下に金員をだまし取るため、被害者らに上記クレジット契約に基づき信販業者をして立替払をさせて金員を交付させたものと認めるのが相当である。この場合、被告人ら及び被害者らが商品売買を仮装して信販業者をして立替金を交付させた行為が信販業者に対する別個の詐欺罪を構成するか否かは、本件詐欺罪の成否を左右するものではない。
 したがって、被告人に対し本件詐欺罪の成立を認めた原判断は、正当である。」
過去問・解説

(H23 共通 第3問 5)
甲は、乙に対し、乙の居宅は耐震補強工事をしないと地震の際に危険である旨嘘を言い、その旨乙を誤信させて必要のない工事契約を締結させたが、乙には資金がなかったことから、乙が甲の妻丙が経営する家具店から家具を購入したように仮装して、その購入代金について乙と信販会社との間で立替払契約を締結させ、これに基づき、同信販会社から丙名義の預金口座に工事代金相当額の振込みを受けた。甲に詐欺罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決平15.12.9)は、いわゆる三角詐欺の事案において、「被告人らは、被害者らを欺き、釜焚き料名下に金員をだまし取るため、被害者らに上記クレジット契約に基づき信販業者をして立替払をさせて金員を交付させたものと認めるのが相当である。この場合、被告人ら及び被害者らが商品売買を仮装して信販業者をして立替金を交付させた行為が信販業者に対する別個の詐欺罪を構成するか否かは、本件詐欺罪の成否を左右するものではない。」として、詐欺罪が成立することを示している。
したがって、信販会社をして丙名義の口座へ振り込ませた行為について、甲に詐欺罪が成立する。

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不法原因給付と詐欺罪 大判明治42年6月21日

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概要
人を欺罔して財物を騙取したる以上、その給付が不法の原因に基づくため被害者において民法上救済を求めることができない場合であっても、詐欺罪の成立を妨げるものではない。
判例
事案:偽札1000円の代金として150円を騙取したという事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:人ヲ欺罔シテ財物ヲ騙取シタル以上ハ縦令其給付カ不法ノ原因ニ出テタル為メ被害者ニ於テ民法上救済ヲ求ムルコト能ハサル場合ト雖モ詐欺取財罪ノ成立ヲ妨クルモノニ非ス
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説

(H22 司法 第11問 エ)
甲は、偽札を作る意思がないのに、乙に対し、一緒に偽札を作ることを持ちかけた上、偽札を作る機材の購入資金にすると嘘を言って資金の提供を求め、その旨誤信した乙から同資金として現金の交付を受けた。甲に詐欺既遂罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判明42.6.21)は、本肢と同種の事案において、不法原因給付として被害者に返還請求権がない場合にも詐欺罪が成立することを示している。
乙が資金を提供したのは、通貨偽造資金の提供という不法の原因に基づくものの、嘘を言って資金の提供を求め現金の交付を受けているから、甲に詐欺既遂罪が成立する。


(H24 共通 第6問 オ)
甲は、偽札を作る意思がないのに、乙に対し、一緒に偽札を作ることを持ちかけた上、偽札を作る機材の購入資金にすると嘘を言って資金の提供を求め、その旨誤信した乙から同資金として現金の交付を受けた。この場合、甲には、詐欺未遂罪も、詐欺既遂罪も成立しない。

(正答)

(解説)
判例(大判明42.6.21)は、本肢と同種の事案において、不法原因給付として被害者に返還請求権がない場合にも詐欺罪が成立することを示している。
乙が資金を提供したのは、通貨偽造資金の提供という不法の原因に基づくものの、嘘を言って資金の提供を求め現金の交付を受けているから、甲に詐欺既遂罪が成立する。

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不法原因給付と詐欺罪 最三小判昭和25年7月4日

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概要
欺罔手段によって相手方の財物に対する支配権を侵害した以上、相手方が闇取引のため財物を交付したのであっても、詐欺罪が成立する。
判例
事案:いわゆる闇取引における欺罔行為の事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:「論旨は闇取引については取引当事者の財産的利益は刑法の対象にはならないものであるから、原判決は刑法の放任した範囲に法の効力を及ぼした違法があると主張する。しかし詐欺罪の如く他人の財産権の侵害を本質とする犯罪が、処罰されたのは単に被害者の財産権の保護のみにあるのではなく、かかる違法な手段による行為は社会の秩序をみだす危険があるからである、そして社会秩序をみだす点においては所謂闇取引の際に行われた欺罔手段でも通常の取引の場合と何等異るところはない。従って、闇取引として経済統制法規によって処罰される行為であるとしても相手方を欺罔する方法即ち社会秩序をみだすような手段を以て相手方の占有する財物を交付せしめて財産権を侵害した以上被告人の行為が刑法の適用をまぬかるべき理由はないから論旨は採用できない。」
過去問・解説

(H18 司法 第17問 1)
覚せい剤を購入すると偽って買付資金名下に金員の交付を受けた場合、相手方には交付した資金の返還請求権がないので、詐欺罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.7.4)は、いわゆる闇取引の詐欺の事案において、「詐欺罪の如く他人の財産権の侵害を本質とする犯罪が、処罰されたのは単に被害者の財産権の保護のみにあるのではなく、かかる違法な手段による行為は社会の秩序をみだす危険があるからである、そして社会秩序をみだす点においては所謂闇取引の際に行われた欺罔手段でも通常の取引の場合と何等異るところはない。」として、詐欺罪の成立を認めている。
したがって、覚せい剤を購入する資金として金員の交付を受けた場合、不法原因給付であるとして返還請求権がないとしても、詐欺罪が成立する。

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