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盗品等に関する罪(盗品等有償譲受け罪) - 解答モード
盗品等有償譲受け罪の成否 大判大正12年1月25日
概要
盗品等関与罪は、盗品であることを知って売買交換等の有償行為によりこれを受領することによって成立するものであり、単に売買を約束するも受領の事実がない者に、盗品等関与罪は成立しない。
判例
事案:盗品であることを知りながら売買の約束をしたが、実際に売買は行わなかったという事案において、盗品等関与罪の成否が問題となった。
判旨:「贓物故買罪ハ贓物タル情ヲ知テ売買交換等ノ有償行為ニ依リ之ヲ受領スルニ因テ成立スルモノニシテ単ニ売買ヲ約スルモ受領ノ事実之ニ伴ハサルモノハ其ノ罪ヲ構成セス」
判旨:「贓物故買罪ハ贓物タル情ヲ知テ売買交換等ノ有償行為ニ依リ之ヲ受領スルニ因テ成立スルモノニシテ単ニ売買ヲ約スルモ受領ノ事実之ニ伴ハサルモノハ其ノ罪ヲ構成セス」
過去問・解説
(H27 司法 第12問 1)
盗品等無償譲受け罪が成立するためには、無償譲受けについて契約を締結しただけでは足りず、盗品等が現実に移転されることが必要であるが、盗品等有償譲受け罪は、有償譲受けについて契約を締結しただけで成立する。
盗品等有償譲受け罪の成立時期 広島高判昭和25年4月19日
概要
盗品等関与罪に関する規定は盗品が移転して被害者が其の物の回復をすることが困難になるのを防止することを目的としているので、盗品等有償買受け罪が成立するには単に売買等の有償譲渡の契約をし、又は代金等を支払っただけでは足らず、盗品を受領することを要するものと解すべきである。
判例
事案:盗品等関与罪の事案において、代金を支払った時点で盗品等有償譲受け罪が成立するかが問題となった。
判旨:「賍物罪に関する規定は賍物が移轉して被害者が其の物の回復をすることが困難になるのを防止することを以って、目的として居るので、賍物故買罪が成立するには單に賣買等の有償譲渡の契約をし、又は代金等を支拂った丈では足らず、賍物を受領することを要するものと解すべきである…。」
判旨:「賍物罪に関する規定は賍物が移轉して被害者が其の物の回復をすることが困難になるのを防止することを以って、目的として居るので、賍物故買罪が成立するには單に賣買等の有償譲渡の契約をし、又は代金等を支拂った丈では足らず、賍物を受領することを要するものと解すべきである…。」
盗品等有償譲受け罪と未必の故意 最三小判昭和23年3月16日
概要
盗品等有償譲受け罪は盗品等であることを知りながらこれを買受けることによって成立するものであるが、その故意が成立するためには必ずしも買受けるべき物が盗品等であることを確定的に知っていることを必要としない。盗品等であるかも知れないと思いながらしかもあえてこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである。
判例
事案:盗難された衣類の売買に関する事案において、盗品等有償譲受け罪が成立するための故意は盗品等であると確定的な認識が必要であるかが問題となった。
判旨:「賍物故買罪は賍物であることを知りながらこれを買受けることによって成立するものであるがその故意が成立する為めには必ずしも買受くべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかも敢てこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである故にたとえ買受人が売渡人から賍物であることを明に告げられた事実が無くても苟くも買受物品の性質、数量、売渡人の属性、態度等諸般の事情から『或は賍物ではないか』との疑を持ちながらこれを買受けた事実が認められれば賍物故買罪が成立するものと見て差支ない…『賍物ではないか』との推量をなさしむるに足る事情であるから被告人がこれ等の事情によって『盗んで来たものではなかろうかと思った』旨供述して居る以上此供述により前記未必の故意を認定するのは相当である…。」
判旨:「賍物故買罪は賍物であることを知りながらこれを買受けることによって成立するものであるがその故意が成立する為めには必ずしも買受くべき物が賍物であることを確定的に知って居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかも敢てこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである故にたとえ買受人が売渡人から賍物であることを明に告げられた事実が無くても苟くも買受物品の性質、数量、売渡人の属性、態度等諸般の事情から『或は賍物ではないか』との疑を持ちながらこれを買受けた事実が認められれば賍物故買罪が成立するものと見て差支ない…『賍物ではないか』との推量をなさしむるに足る事情であるから被告人がこれ等の事情によって『盗んで来たものではなかろうかと思った』旨供述して居る以上此供述により前記未必の故意を認定するのは相当である…。」
過去問・解説
(H23 共通 第18問 1)
甲は、乙が第三者から盗んできた物を、盗品かもしれないと認識していたが、値段が安いのでそれでも構わないと思って有償で譲り受けた。この場合、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。
(H25 予備 第7問 3)
甲は、乙から、乙が窃取してきた貴金属類を、乙が盗んできたものかもしれないと思いながら、あえて買い取った。甲には盗品等有償譲受け罪の故意が認められる。
(R1 司法 第11問 3)
甲は、乙が第三者から窃取した指輪を、もしかしたら盗品かもしれないと思いながら、あえて有償で乙から譲り受けた後、同指輪に乙と同じイニシャルが刻み込まれていることに気付き、盗品ではないと確信するに至った。この場合、甲には、盗品等有償譲受け罪が成立する。
(R5 司法 第1問 オ)
甲は、乙が窃取したバッグを、これが盗品かもしれないがそれでも構わないと思って購入した。この場合、甲に盗品等有償譲受け罪が成立する。
盗品等有償譲受け罪の客体に対する故意 最大判昭和24年10月5日
概要
盗品に関する罪の成立に必要な盗品たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであって、その物が何人のいかなる犯行によつて不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。
判例
事案:盗品に関する罪の成立に必要な盗品たることの知情の程度が争われた事案において、盗品等関与罪の成立に必要な盗品の認識の程度が問題となった。
判旨:「贓物に関する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであって、その物が何人のいかなる犯行によって不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。」
判旨:「贓物に関する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであって、その物が何人のいかなる犯行によって不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。」
過去問・解説
(H27 司法 第12問 3)
盗品等有償譲受け罪の客体に対する故意は、財産罪に当たる行為によって領得された物であることの認識があれば足り、いかなる財産罪に当たるかの認識までは不要である。