現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください
毀棄及び隠匿の罪(建造物等損壊罪(及び同致死傷罪)) - 解答モード
建造物損壊罪における建造物の範囲 最一小決平成19年3月20日
概要
判例
判旨:「本件ドアは、5階建て市営住宅1階にある居室の出入口に設置された、厚さ約3.5cm、高さ約200cm、幅約87cmの金属製開き戸であり、同ドアは、上記建物に固着された外枠の内側に3個のちょうつがいで接合され、外枠と同ドアとは構造上家屋の外壁と接続しており、一体的な外観を呈しているところ、被告人は、所携の金属バットで、同ドアを叩いて凹損させるなどし、その塗装修繕工事費用の見積金額は2万5000円であったというのである。
…建造物に取り付けられた物が建造物損壊罪の客体に当たるか否かは、当該物と建造物との接合の程度のほか、当該物の建造物における機能上の重要性をも総合考慮して決すべきものであるところ、上記1の事実関係によれば、本件ドアは、住居の玄関ドアとして外壁と接続し、外界とのしゃ断、防犯、防風、防音等の重要な役割を果たしているから、建造物損壊罪の客体に当たるものと認められ、適切な工具を使用すれば損壊せずに同ドアの取り外しが可能であるとしても、この結論は左右されない。そうすると、建造物損壊罪の成立を認めた原判断は、結論において正当である。」
過去問・解説
(R3 共通 第20問 ウ)
甲がB組事務所の玄関ドアを凹損させた行為については、同ドアが工具を使用すれば容易に取り外せる構造であった場合、建造物損壊罪は成立しない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平19.3.20)は、「建造物に取り付けられた物が建造物損壊罪の客体に当たるか否かは、当該物と建造物との接合の程度のほか、当該物の建造物における機能上の重要性をも総合考慮して決すべきものであるところ、…本件ドアは、住居の玄関ドアとして外壁と接続し、外界とのしゃ断、防犯、防風、防音等の重要な役割を果たしているから、建造物損壊罪の客体に当たるものと認められ、適切な工具を使用すれば損壊せずに同ドアの取り外しが可能であるとしても、この結論は左右されない。」としている。
したがって、玄関ドアが工具を使用すれば容易に取り外せる構造であっても、機能上の重要性によっては甲に建造物損壊罪が成立しうる。
器物損壊罪における「損壊」 最二小判昭和25年4月21日
概要
判例
判旨:「刑法261条に謂う損壊とは物質的に物の全部一部を害し又は物の本来の効用を失わしむる行為を言うものであるが、A炭鉱が本件ガソリンを埋設貯蔵したのは盗難及び火災予防のためであるから…、上示原判示認定程度の殿棄行為は右貯蔵施設本来の効用を喪失するに至らしめたものであることは明白である。又所論原状回復の難易如何は本罪の成立に影響あるものではないのである。」
過去問・解説
(H28 司法 第12問 ア)
Aの知人Bは、料理が趣味であり、自宅のパソコンに料理のレシピのデータを保存していた。Aは、Bと口論をした際、Bが大事にしている同データを壊してやろうと思い、同パソコンをたたき壊した。同パソコンを壊したAの行為について、電子計算機損壊等業務妨害罪は成立せず、器物損壊罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大10.10.24)は、「刑法第233條ニ所謂業務ハ公務ヲ除ク外精神的ナルト經濟的ナルトヲ問ハス汎ク職業其他繼續シテ從事スルコトヲ要スヘキ事務又ハ事業ヲ總稱スルモノナル」として、業務妨害罪にいう業務とは、職業その他継続して従事することを要すべき事務又は事業を意味することを示している。
また、別の判例(最判昭25.4.21)は、器物破損の事案において、「261条に謂う損壊とは物質的に物の全部一部を害し又は物の本来の効用を失わしむる行為を言う…。」としている。
趣味で料理のデータを保存する行為は、職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務に当たらず、業務に含まれないから業務妨害罪は成立しない。
したがって、AがBのパソコンを壊した行為には、電子計算機損壊等業務妨害罪は成立せず、器物損壊罪が成立する。