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有価証券偽造の罪(実行行為) - 解答モード
小切手の金額欄改ざんと変造 最三小判昭和36年9月26日
概要
判例
判旨:「行使の目的をもってほしいままに右判示の如く他人振出名義の小切手の金額欄の金額数字を改ざんする所為は小切手の変造であって有価証券変造罪に当るものと解すべきである…。」
過去問・解説
(H29 司法 第4問 4)
甲は、行使の目的で、他人が振り出した額面10万円の小切手の金額欄に「0」を加え、額面100万円の小切手に改ざんした。甲には有価証券変造罪が成立する。
偽造有価証券を情を知っている他人に交付した場合の偽造有価証券行使罪が成否 大判昭和2年6月28日
概要
判例
判旨:「行使ノ目的ヲ以テ偽造変造ノ有価証券又ハ虚偽ノ記入ヲ為シタル有価証券ヲ人ニ交付スル罪ハ其ノ証券ヲ行使ノ目的ヲ以テ情ヲ知レル他人ニ交付スルニ因リテ成立スルモノトス」
過去問・解説
(H26 共通 第6問 2)
偽造通貨、偽造有価証券又は偽造公文書を行使の目的で情を知る者に占有移転した場合には、各客体の交付罪が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(大判昭2.6.28)は、「行使ノ目的ヲ以テ偽造変造ノ有価証券又ハ虚偽ノ記入ヲ為シタル有価証券ヲ人ニ交付スル罪ハ其ノ証券ヲ行使ノ目的ヲ以テ情ヲ知レル他人ニ交付スルニ因リテ成立スルモノトス」として、偽造有価証券行使罪は、情を知る者に交付する場合に成立することを示している。
そして、偽造通貨交付罪の「交付」とは、偽造通貨をその情を知る者に引き渡すことをいう。
また、偽造有価証券交付罪における「交付」とは、偽造有価証券をその情を知る者に引き渡すことをいう。
他方、偽造公文書に交付罪は存在しないため、偽造公文書を行使の目的で情を知る者に占有移転した場合に、交付罪は成立しない。
「行使」の意義 大判明治44年3月31日
概要
②AがBをして流通させるためではなくてもその親族に呈示させるために手形を偽造して真正の手形としてこれを交付した行為は偽造手形の行使に他ならない。
判例
判旨:「偽造手形ノ行使ハ手形本来ノ効用ニ従ヒ之ヲ流通ニ措ク場合ノミニ限ラス汎ク偽造ノ手形ヲ真正ノ手形トシテ使用スルコトヲ指称スルモノトス
甲者カ乙者ヲシテ流通セシムル為メニ非サルモ其親族ニ呈示セシムル為メ手形ヲ偽造シ真正ノ手形トシテ之ヲ交付シタル所為ハ即チ偽造手形ノ行使ニ外ナラス」
過去問・解説
(H19 司法 第19問 イ)
甲は、Aとのタレント契約交渉に際し、甲経営の会社の資産や経営状況を疑っていたAを安心させてその信用を確保するため、別のタレント用の支度金だと言って、自ら不正に作成した偽造小切手を真正なものとしてAに見せた。偽造有価証券行使罪が成立するか。
(H30 共通 第4問 2)
甲は、取引先乙に見せて自己に信用があることを誇示するだけの目的で、偽造された約束手形を真正なものとして乙に提示した。偽造有価証券行使罪の「行使」といえるためには、偽造有価証券を真正なものとして流通に置く必要があるから、甲には同罪は成立しない。
偽造有価証券行使罪 東京高判昭和53年2月8日
概要
判例
判旨:「被告人は本件偽造にかゝる約束手形を真正なもののように装ってAに呈示した際、Aはそれが偽造されたものであることを知っていたことが明らかであるところ、偽造有価証券行使罪の保護法益が有価証券に対する公共的信用を確保し、取引秩序の安全を保護することにあり、従って行使とは当該偽造有価証券を真正なものとして偽造であることの情を知らない相手方に呈示する等その内容を認識させ、又は認識しうる状態におくことをいうものと解すべきであるから、その偽造であることの情を知っている者に対し、そのことを気付かず真正を装って呈示する等行使の行為をした場合は行使の実行行為は完了するが、法益侵害の結果を生ぜず、行使罪の構成要件を充足するに至らないので、未遂に止るものと解するのが相当であるから、被告人のAに対する本件偽造約束手形の呈示も偽造有価証券行使未遂罪を構成するものというべきである…。」
過去問・解説
(H19 司法 第19問 オ)
甲は、約束手形を偽造してこれを割引に出して利益を得ようと考え、自ら不正に作成したE社の振出しに係る約束手形1通を割引依頼のためにFに呈示したが、Fは、既に上記約束手形が偽造であることを甲の友人Gから聞いて知っていたため、割引依頼を断った。偽造有価証券行使罪が成立するか。